気がつけば「昭和100年」とも言われる時代になりました。私も77年ほど生きてきましたが、この歳になると、どうにも腑に落ちないことが増えてきます。そのひとつが、世の中のデジタル化です。
昔は何をするにも取扱説明書がありました。家電を買えば分厚い説明書がついてきて、じっくり読めば大体のことは分かったものです。
しかし、今の時代はどうでしょう? 新しいスマホを買っても、箱の中には紙切れ一枚。「詳しくはWebで」などと書かれ、説明書すらオンライン。いやいや、説明を読む前に、まずはそのWebの探し方を教えてほしいくらいです!
さらに、最近ではAIという便利なものまで登場しました。私もChatGPTに聞いてみました。「昭和の時代に戻る方法はありますか?」と。
すると、「過去には戻れませんが、昭和の良さを活かしながら現代を楽しむことはできます」などと、まるで住職の説法のような答えが返ってきました。
私が子どものころは、年齢に適した仕事やお手伝いがありました。私は風呂の水をトヨを付けて井戸をガチャコンしながら汲むことや風呂沸かしも子ども?(私の)役割でした。
年寄りは赤ん坊の世話や、庭の草むしりなどそれぞれが手作業で行っていましたね。
たしかに、デジタル技術は便利です。スマホひとつで買い物もでき、道にも迷わず、遠くの孫とも顔を見ながら話せる。けれども、ふと考えるのです。便利になればなるほど、何か大切なものを置き忘れているのではないか、と。
昭和の時代、分からないことがあれば隣の人に聞いたものです。「おじさんに、この機械の使い方どうするの?」と聞けば、「おまえな、それはこうするんだよ!」と、親切に教えてくれました。しかし今では、AIに聞くかユーチューブを検索するしかないのでしょう。人と人との温もりを感じる機会が減ったのは、少し寂しい気もします。
でも、こんな時代だからこそ、私たちアナログ世代は強いのではないでしょうか。デジタルが分からなければ、分かる人に聞く。それが昔からの知恵です。
そして、たとえ説明書がなくても、長年の経験と勘でなんとかしてしまうのが我々の世代の底力。
デジタルの便利さを活用しつつ、アナログの良さも大切にしながら、これからも楽しく生きていきたいものです。
皆さんはどう思いますか? 「デジタルに疲れた…」と感じたら、たまには昔ながらの紙の地図を広げ、道に迷いながら旅をするのも一興かもしれませんね。
また、溜った写真を整理しながら昔を思い出すのも良いかと思います。
アナログ世代のデジタル奮闘記でした。
yuki76