北の暮らしに役立つ防災コラム&豆知識

防災委員会情報部会((社)日本技術技術士会北海道支部)

異常気象とは

2006-06-01 10:22:37 | 防災豆知識(Q&A)

 「異常気象」という言葉が良く聞かれますが、それではどの程度の気象であれば異常と見なされるのでしょうか?

 気象庁やWMO(世界気象機関)は、「一般には、過去30年間の気候から大きく外れた気象現象で、豪雨や暴風などの数時間の現象から数か月も続く干ばつ、極端な冷夏など」を異常気象としています。

 統計的には、過去30年間(10年ごとに更新)の平年値を基に、この30年間に観測されなかったような気象(平年値からの偏差が標準偏差σの2倍以上となった場合)を異常気象としています(図1)。

        図1 気温に関する異常気象の統計的イメージ 

したがって、災害をもたらす気象が全て異常気象と言うわけではありませんが、異常気象を広義に解釈し、特に統計的な根拠を持たずに使われるケースも多くみられます。

 異常気象は社会や経済に及ぼす影響が大きいため重要視されますが、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、21世紀に予想される気候変化として、地球の平均気温の上昇、北半球中緯度などでの冬の降水量の増加、および極端な現象として、暑い日の増加、寒い日の減少、強い降水現象の増加などが予想され、対策の必要性を挙げています。

(文責:金田安弘【応用理学・建設部門】)


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