北の暮らしに役立つ防災コラム&豆知識

防災委員会情報部会((社)日本技術技術士会北海道支部)

津波の豆知識

2006-06-01 15:11:27 | 防災豆知識(Q&A)

1.津波(ツナミ)が国際語となった経緯は・・・

1946年アリューシャン地震(アラスカ付近で発生)による大津波がハワイに大災害を引き起こした当時、「津波」は英語で“tidal wave”(潮汐による波)と呼ばれていました。しかしそれでは、大地震によって発生する津波の大被害を表すにはあまりに不適切でした。この津波をハワイに住む日系人が日本での古くからの呼び名「tsunami」と呼んだことで、新しい警報センターは太平洋「tsunami」警報センタ-と名付けられ、「津波」が国際語として認知されるようになったようです。

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2.津波の速度は速い

津波の速さは海が深いほど速く、太平洋を伝わる速さは時速500~800キロとジェット機なみです。海岸付近でも時速約40キロと自動車程度の速さなので、津波が見えてからでは逃げ切ることができません。なお、沖合いの津波は、陸地からはほとんどわかりませんので要注意です。

 3.最大の津波はこのくらい

 日本で一番高い津波は38mくらい、世界では500mもの津波が襲い掛かっています。この巨大津波を身近な実例で言い換えて、札幌を見下ろす藻岩山の頂上(標高531m)あたりまで津波が一気に駆け上がった、と表現したら、その恐ろしさを分かっていただけるのではないでしょうか。

4.日本は津波の多発地帯

世界中で1700年以降千人以上の犠牲者を出した津波は22あり、そのうちの9つ、約40%は日本で発生しています。そのため、地震多発国である我が国の気象庁は世界最先端の津波警報システムを持ち、日々改良を加えています。

5.津波の形態には・・・

 津波は海底の地形状況によって、海水が一旦引いてから押し寄せるものと、いきなり押し寄せてくるものとあるので、海岸線では地震イコール津波警報と思って、揺れを感じたら迅速に高台に避難する事が大切です。もし、高台に避難するのが困難な場合は近くの鉄筋コンクリートビルの3階以上に避難させてもらってください。

6.津波予報にはこんなものがある

津波予報には、津波警報と津波注意報の2つがあります。津波警報は、「大津波警報」を「津波警報」の2つに分かれています。「大津波警報」は3メートル以上の津波が予想される場合に発表されるため、とくに厳重な警戒が必要です。一方、「津波警報」は、1メートルから2メートル程度の津波の予想ですが、地形によっては被害が大きくなる恐れがありますから、やはり警戒が必要です。津波注意報は、50センチ程度の津波が予想される場合に発表されます。

7.警報が発令されたら

・津波警報が発令されたら、消防計画等に定める場所へ、避難しましょう。

・特に、地下室等への浸水が始まると、逃げようにも扉が開かなくなりますので、早急な非難が必要です。

・浸水に備え止水板や土嚢の設置、不必要な電源ブレーカーは切る等の感電防止策も実施しましょう。

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(文責:岩倉敦雄技術士【建設部門】)


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