世界のTK

NBAサマーリーグ 3「NBAサマーリーグ　コーチの言葉」


7月10日～19日までの10日間、世界最大のカジノの町「ラスベガス」で行われた
NBAサマーリーグ。リンク栃木ブレックスの川村卓也選手が
フェニックス・サンズの一員として出場したことで
日本バスケ界から注目が集まったサマーリーグとなりました。


NBAを目指したサムライは、単身でアメリカに渡り、
限りなき挑戦を始めました。
ドラフト2位指名でメンフィス・グリズリーズに入団したハシム・サビートや、
数々のNBAプレイヤーを指導するパーソナルコーチを雇い、
短期間でフィジカル・メンタル・テクニックの
あらゆる分野でレベルアップをしました。



そしてトロント・ラプターズのGMなどの前で
非凡なシューティングセンスを披露、
クリーブランド・キャバリアーズのワークアウトにも参加して、
いずれも高い評価を得ています。そしてサンズのメンバーとして、
今回のNBAサマーリーグに参加することになりました。





サンズのメンバーと練習を行い、いつでもコートに立つ準備はできていました。
しかし、ここから順調に進んでいた歯車が狂ってしまいます。
サンズのHPでサマーリーグのロスターに
「Takuya Kawamura」の名前がありませんでした。
その時、川村選手はサンズの一員として出場できるのか?　という
不安を抱えていたと思います。
そしてサマーリーグが幕を開け、
次に川村選手を待ち受けていたのは、
書類手続きによる問題です。初戦の直前で手続きは完了して
ベンチ入りはしましたが、書類手続きの間、
チーム練習が出来なかったことが
後に大きな痛手となります。
そして2戦目でサマーリーグのコートに立つことができましたが、
その翌日にはサンズからカットという
厳しい現実を突きつけられてしまうこととなりました。


今回の川村選手の挑戦で残念だったことは、
コート上以外のことで問題が起きて、
川村選手がプレイに集中することができなかったことです。
日本人選手にとっては、言葉・食事などの
生活面での対応もしなくてはなりませんし、
その他でもいろいろな事で乗り越えなくてはならない状況があります。
いろいろな問題と日々戦いながら、
ようやくサマーリーグでプレイできると思った矢先に
書類問題が起きてしまったんです。
この問題は、選手自身で解決できる問題ではなかったので、
精神的ダメージは大きかったと思います。

では、そのストレスにどう対応すればいいのか!?

それはエージェントがサポートすることで、
いろいろな問題を事前に解決することができるのです。
エージェントとは、チームに選手を売り込むだけでなく、
選手の身の回りのケアを行うもの仕事の一部です。
エアチケット・ホテルなどの手配も含まれます。
その他にも通訳などの手助けをするとともに、
外からはわからないNBAの内情を選手に伝えることも必要だと思います。
エージェントと選手は一体となり、
一つの方向に進むことできれば選手は
120%のパフォーマンスを発揮することができるはずです。
今回の書類手続きについていえば、
エージェントからチームに書類手続きの進捗確認をしていたか疑問です。



ただ、逆に言うとエージェントのバックアップがなければ、
今回のステージに立つことはできなかったかもしれません。
NBAチームに川村選手を見てもらうセッティング、
キャバリアーズ・サンズなど複数のチームとの
ワークアウトをセッティングするのは、そう簡単にできることではありません。
今回、川村選手とバックアップするエージェントが一体となっていけば、
必ず道は開けると信じています。
DリーグでプレイしてNBAからのコールアップを待つ方法もありますし、
レベルの高いヨーロッパのリーグで揉まれてから
NBA入りをしている選手も沢山います。



最後にパーソナルコーチが、
目を輝かせながら話してくれた川村選手に対する言葉を紹介したいと思います。

「TKのシュートは、すべてがネットのど真ん中を射抜く。
あれほど高いシュートセンス今までに見たことがない。
彼は必ずNBAにたどり着くことができるよ。」







彼の今後に注目です。