ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【映画】ジョゼと虎と魚たち

2020-12-26 23:44:29 | 映画
池脇千鶴主演作を観たのはいつだったろう…2003年。

本作を鑑賞後、おやこんな話だったかな、と思って記憶を辿ったり
過去の情報を確認したりして。原作も取り寄せて読んだりして。

分かったのは、とてもとてもよく仕立て直し、
原作から継承した要素もありつつ、17年前の実写と異なる厚みを
持たせた新しい創作物だということ。

映像世界はたいへんに美しい。
街の情景のリアル、自然光、海の光景のファンタスティック。
創造された「描く」世界観。

ジョゼの強気と心もとなさは、継承されている。

後半のドラマが、恒夫が同情的な立ち位置に居ることを許さないほうへ
強力にドライヴしている。

読み聞かせのシーンは、なんだかすごかったな。
一見ふつうなのに、胸をぐんぐんとゆさぶられた。

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公式サイト:https://joseetora.jp/

後半で恒夫に起きたエピソードとその扱いをみていて、
なるほど、令和のものがたりは、そういう実装になるのかと思う。
苦しい(醜い)葛藤は何等かの浄化や昇華をまたずには終われない。
令和の若者は、まっとう、で、あろうとする、あるいはそこに
向かわせようとするコミュニティの圧が強いのだろうか。
それとも、アニメだからなのか。

(2020.12.26)


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