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ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【文楽】夏休み文楽特別公演 第2部 2014年8月

2014-08-03 12:39:26 | 文楽

第2部 名作劇場

いい意味で肩の力が抜けてる感じの、落ち着いた雰囲気のなか
ゆったりと2演目を楽しみました。

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◆近松門左衛門没後290年
平家女護島 鬼界が島の段

歌舞伎で何度となく観劇した「俊寛」、文楽では初めて。

俊寛僧都は確か三十代なのですが、歌舞伎ではベテランが演じるケースが
多くて年配のイメージがある。
文楽で観ると、うらぶれ疲れた姿ながら身体的な若い強さが感じられます。
瀬尾を討つところなど。下出を止めた瞬間の反転。
成経や康頼との関係も、友情なんだろうなぁ、と思う。
千鳥を行かせるところの決意、熱い悲しみの中の滾った情から来ているよう。
千歳太夫、清介。

平家女護島は、俊寛、瀬尾、千鳥が主軸なんだわね。

◆鑓の権三重帷子
 浜の宮馬場の段/浅香市之進留守宅の段/数寄屋の段/伏見京橋妻敵討の段

よくできた脚本なんだなぁ。
油壺とろとろの権三。モテモテだけどツレない。
お雪乳母の手練にやられちゃったり(考えなし?)、大役という餌に食らい
ついて真の台子の伝授のためなら何でもするぜと猛たり。
自己評価が高い未熟な若者像がくっきり。
でも、純なの。帯持っていかれた後とか。太夫と三味線が深い無念を表わす。

おさえと権三、人物像がすごくリアルです。現代に通じる。
文楽の表現てほんとうに奥が深い。

(2014.8.2)