〔新作文楽〕不破留寿之太夫(ふぁるすのたいふ)
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不破留寿之太夫。
欲望のままきままに生きてる"ふわるす"は風貌・衣装もおおらかで
ハッピーそう(あの太鼓腹のせい?)。
へそにチャームがついている。きらりん。
そしてたぶん反戦主義である。命あってのモノダネ。
文楽で聴き慣れた曲調とはちょっと違う楽曲を、三味線・琴・大弓などが
奏でる。こういう演奏もできちゃうのかぁ。
英大夫、全編通じて唄う。テンション落ちることなし。
春若に所払いを命じられても飄々と。
封建の身分構造の中にあって、その立場を奪われてもそこに一切の執着を
見せない(強がり?)、こういう人物像は和ものでは見たことがないと思う。
春若が手を切るスッパリ感も、和ものにはない。
さらりと乾いた成り行き。でも温度を感じる。都会的。
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シェイクスピア=作 「ヘンリー四世」「ウィンザーの陽気な女房たち」より
鶴澤清治=監修・作曲
河合祥一郎=脚本
石井みつる=美術
不破留寿之太夫(ふぁるすのたいふ)
http://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/h26/falstaff.html
(2014.9.12)