空を見上げる 風に吹かれる

私を揺らすものがある。それらをそっと捕まえて 私は 詩を書いています。> [ 蒼井 夜生 公式ブログ]

「 夕暮れ時 」

2018-10-23 14:33:31 | ポエム



夕暮れ時

西の空が 染まっていました

1人で見上げるには 辛くなるような色に

すっかり見とれていましたら

不意に 勢いのある風が吹いてきて

木の葉が ザワザワ騒いだのです

「 今 、気持ちを真っ直ぐにできたら
魔法が使えるかもしれない 」

そんな馬鹿げたことを

本気で思ってしまいました







「 夜の森 」

2018-10-22 18:22:14 | ポエム


今夜も又

黒い夜の中で迷ってしまいました

月は 雲の後ろに座ったまま

意地悪な顔で 覗き見しています

木は 腕組みをして そっぽを向き

花は揃って 口を閉じ

虫も鳴かない 時間です

指先が冷えて

唇と 鼻の頭も冷たくなって

肩が震えてしまいそうなので

地図も コンパスも持たないまま

ただ とぼとぼと 歩くのです

転んだら 起きて

疲れたら もっと とぼとぼと

いったい私は

いつ、どこに 辿り着くのでしょうか

「 ある時 星がやって来て 」

2018-10-22 14:46:36 | ポエム


ある時 風がやって来て
「今から 吹くよ」と言いました

それならばと 目を閉じ構えていましたら
優しい 優しい 風でした

ある朝 お日様がやって来て
「今から照らすよ」と言いました

それならばと 一枚脱いでみましたら
柔らかで 暖かいひかりでした

地面がむずむず蠢いて
次々とお花が開きましたら
もう そこは 春の真ん中です

小鳥が歌って 蝶が踊りましたら
あなたも 鼻歌なんて歌うのでしょうか

お日様のひかりを浴びて 長い欠伸でもしながら
「うーん」と 伸びをするのでしょうか

ある夜 星がやって来て
「これから 流れるよ」と 言いました

それならばと 願いごとを並べてみましたら
すべて あなたのことでした