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Feelin' Groovy 11

I have MY books.

大事なこと②

2005-02-28 | 村上春樹
   「(前略)でもくりかえすようだけれど、僕には僕の人生があるし、
    好きなものもあれば嫌いなものもある。仕方ないじゃないか」
   「でも人を傷つけるわ」と妹は言った。
   「どうして努力しようとしないの?どうしてものごとの良い面を
    見ようとしないの?どうして少くとも我慢しようとしないの?
    どうして成長しないの?」
   「成長してる」と僕は少し気持を傷つけられて言った。
   「我慢もしてるし、ものごとの良い面だって見ている。
    君と同じところを見てないだけの話だ
                      (『ファミリー・アフェア』村上春樹著)


皆が同じところを見ているわけではない、ということを知っていれば
多少のことは我慢できそうである。
願わくは、いろんなところを見る努力をしたい。

バナナフィッシュ

2005-01-24 | 村上春樹
『バナナフィッシュにうってつけの日』
        ↓
『バナナフィッシュ日和』(サリンジャー著)


『カンガルー日和』(村上春樹著)
        ↓
カンガルーの赤ん坊を見物するに相応しい朝

     偶然ではあるまいね。


バナナフィッシュとは・・・麻薬の一種ではないよ。
作中ではバナナがどっさり入っている穴の中に泳いで
入って行き、穴の中でバナナをたらふく食べ、
肥り、戸口につかえて通れなくなり、
二度と穴の外へは出られなくなるという魚。
井伏鱒二の山椒魚のイメージです。


S子さんの原型?

2005-01-22 | 村上春樹
久しぶりに村上春樹の『TVピープル』を読み返したら
恐怖におののいてしまった。

   画面のTVピープルの姿は逆にだんだん大きくなってきた。
   画面に彼の顔がいっぱいに映しだされた。
   遠くからじりじりと近くに寄ってくるような感じで、
   TVピープルの顔がだんだんアップになってきた。
   それからTVピープルはテレビの外側に出てきた。
   まるで窓から出るように、枠に手をかけて足をよいしょと
   踏み出して出てきたのだ。
           (『TVピープル』村上春樹著 文藝春秋)


他の人が本をどのように読んでいるかは知らないが、
私はいつも文章を頭の中で映像にして読んでいる。

上の文章を読んでいる時、
S子さん(なんだか漢字で書くとリアルなので頭文字で許してください)の映像がダブり、
どう読んでも私の中では恐怖の画面となってしまった。
忘れてたのにぃ。
寝る前に読むんじゃなかった・・・と後悔した。
まったく何で村上春樹の本を読んで怖がらないといけないのか。
今後は寝る前に読む本の選択を誤らないようにしよう。

励ましのコトバ③

2004-12-12 | 村上春樹
「多くの場合、我々は自分の心を見定めることができないまま
 行動を選びとっていかなくちゃならなくて、それがみんなを迷わせるんだ」
 (中略)
「でもそれは跡を残すんだ。そしてその跡を我々はもう一度
 辿ることができるんだ。雪の上についた足跡を辿るようにね」
「それはどこかに行きつくの?」
「僕自身にね」
  (『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹著 新潮社)


 
どんな決定も自分自身でなしたことである。
良きにしろ悪しきにしろ
「その跡を我々はもう一度辿ることができる」とは
素晴らしいことだと思った。

まともって

2004-11-21 | 村上春樹
前回のコメントより考えたこと。 

     「何が良くて何が悪いなんて、誰にわかるんだ?」
      鼠は笑った。「まったく、もし一般論の国というのがあったら、
      君はそこで王様になれるよ」
               (『羊をめぐる冒険』村上春樹著 講談社)
  

一般論で言えば、何が「まとも」なんて、誰に分かるんだ?である。

考え方は人の数だけあることは百も承知だが敢えて大きく2つに分けさせてもらうと
ある種類の道だけを正しいと信じている人と
ある種類の道だけを正しいと信じている人もいるし、それ以外の人もいると分かっている人がいる。

分かるのは
明らかにhr+さんと私が後者だということ。