これまで耳について、よく考えたこともなかった。
人の一部として見えているくらいで
耳だけに着目したことなんて一度もないんじゃないかな。
どちらの本を先に読んだのかは覚えてないが、
以下の本を読んで思った。
私が出会っていないだけで
否応なしに目に入ってくる「耳」ってのが
存在しているんだろう。
立ち上がった瞬間、窓からもれた光線がぱっと彼の耳を
照らした。ずいぶん大きな耳だなと思った。
(『R62号の発明・鉛の卵』より「耳の値段」安部公房著 新潮社)
全てが宇宙のように誇張し、そして同時に全てが厚い氷河の中に
凝縮されていた。全てが傲慢なまでに誇張され、そして同時に
全てが削ぎ落とされていた。
それは僕の知る限りのあらゆる観念を超えていた。
彼女と彼女の耳は一体となり、古い一筋の光のように時の斜面を
滑り落ちていった。
(『羊をめぐる冒険(上)』村上春樹著 講談社)
人の一部として見えているくらいで
耳だけに着目したことなんて一度もないんじゃないかな。
どちらの本を先に読んだのかは覚えてないが、
以下の本を読んで思った。
私が出会っていないだけで
否応なしに目に入ってくる「耳」ってのが
存在しているんだろう。
立ち上がった瞬間、窓からもれた光線がぱっと彼の耳を
照らした。ずいぶん大きな耳だなと思った。
(『R62号の発明・鉛の卵』より「耳の値段」安部公房著 新潮社)
全てが宇宙のように誇張し、そして同時に全てが厚い氷河の中に
凝縮されていた。全てが傲慢なまでに誇張され、そして同時に
全てが削ぎ落とされていた。
それは僕の知る限りのあらゆる観念を超えていた。
彼女と彼女の耳は一体となり、古い一筋の光のように時の斜面を
滑り落ちていった。
(『羊をめぐる冒険(上)』村上春樹著 講談社)