
昨日は大寒だったようで…どうりでまた寒さが戻ってきたと思ったら…。
やっぱりストーブの一つや二つあった方がええんかねえ…?でもなあ…今更なあ…(´・ω・`)
…とっとと本題入ろ。相変わらず更新とびとびやけど…_| ̄|○
さてさて、『恋の手ほどき』についてですが、話については前回粗方書きなぐりましたので、少し視点を移してみませう。
やっぱりこの作品を語る上で欠かせないのが、ビジュアル面の圧倒的な完成度の高さでしょう。
元々ミネリ監督作品っつーのは、そういった映像の"絵画的な美"こそが一番の真髄やと思うんですわ。
もともと映像作品をまるで一幅の絵画のように演出するのは、ミネリ作品の際立った特徴なんですが
(それこそ『若草の頃』の時から、常套手段として"絵からのシーン起こし"なんて手法が使われてますし)、
この作品が最も徹底してるんじゃあないかなあ。同じ監督の同じパリを舞台とした作品として、
ご存知『巴里のアメリカ人』なる名作がありますが、それの特にラストの長ったらしいバレエシーン辺りのエッセンスを、
より発展させて全場面に拡大再生産してみたような感覚といえば分かり易いかなあ…う~ん…。
もう作品全てが、印象派の絵画から一場面を切り出して、そのまま活人画に起こしたかのような面持ちです。
例えばルノワール(最初と最後のブーローニュの森のシーンとか)、マネ(ジジの家の調度の感じとか)、
ロートレック(マキシム店内の様子とか)といった具合に、当時の名画家達のモティーフからの借景的な場面構成で、
この映画は作られてるんじゃないかなと思えましたね。それにフリード作品独特のファンシーでキッチュな原色の多用が、
上手く相乗効果を齎して、決して下品にはならないファンタジックな色彩の洪水が、スクリーン上に姿を現すわけです。
あんまりにもそのまんまなんで、ちょっとベタ過ぎな印象を受ける向きもあろうかと思われますが、
ベタでもここまで徹底させれば立派な映像芸術ですよ。今の映画でこんなんやったって却って白けるやろし。
つーか正直ムリでしょうなあ色んな意味で…。一度ミネリ監督・ポーター音楽(勿論ラーナー&ロウでも可)で、
ラーマンの『ムーラン・ルージュ』を映画化したらどうなるかしらん?なんて想像した事もありますが…。
そのラーナー&ロウの音楽もステキですよね。ナンバー的にはその殆どが『マイ・フェア・レディ』や『キャメロット』で馴染みの、
歌というよりは有節の朗誦に近い語り歌い的な匂いの強いものです。役者の個性に合わせてそれぞれのナンバーが、
ユニークに歌い崩されて、特にキャッチーなナンバーや歌い上げるようなナンバーはないものの、
全体的な世界観はカッチリしてて(そういえばややシャンソンっぽくもあるなあ…)、歌の世界がそのまま、
作品世界を雄弁に語ってくれてて面白いです。特にオノレ役のモーリス・シュヴァリエの酒脱な歌い口が素敵。
最初の『Thank Heaven For Little Girl』からして、そのまろやかで流麗な独特の節回しでメロメロ。
いたずらっぽい表情付けとか微妙にクセが強い感はありますが、それがまたええなあ。
何よりもあの神出鬼没の好々爺っぷりを追ってるだけでも楽しめますし。何気ない発言で物語を右から左に動かしたり…。
レスリー・キャロンのジジ。ここでは自慢のバレエは残念ながら全くなりを潜めておりますが、
個人的には踊って無くてもキャロンたんは好きなので無問題(てゆーかどうもキャロンたんの踊りの魅力が分からん)。
元となったストレート・プレイ版ではご存知オードリー・ヘップバーン嬢がジジを演じていて、
こっちでも彼女がジジを演じていれば…なんていう意見もありますが、個人的にはあそこまで整った容姿だと、
ジジを演じるに当たってはどうもリアリティがなあ…なんて思ったりしますのよ。汚れを落とせば美人のイライザとは違って。
あの歯むき出しの笑い顔とか、妙に目力の強いしかめっ面とか、たまらなくキュートなんやけどなあ。ジジらしくって。
ただ個人的にはここでのキャロンたん、どうもメイクとか髪型とか、オードリー嬢を意識してる臭い気も…。
歌い口もええよね。歌いまわしの短くて舌っ足らずな。突飛で落ち着きの無いジジの性格が良く出てる。
それを受けるルイ・ジュールダンのガストンがまた…。角度によっちゃショボくなったり、ヒゲの剃り跡が気になったりするものの、
まずはニヒルな面立ちと、それに似合わぬブキッチョさんっぷりが何ともモエス。
ほんまこの人ツンデレ演らせたら際限なくハマってくれるから大好き…(;´Д`)ハアハア
歌はシュヴァリエおぢぢからメロディーラインへの声の乗せ方の巧みさをやや減退させて、
艶を足したようなカンジかしらん。かなりよく似てるんだけどねえ。
あと、同じラーナー&ロウが曲作りに携わってることもあって、少し前に作られた『マイ・フェア・レディ』と、
この作品ってよく比較されて("おてんば娘への淑女教育"的な話のプロットの類似性もあいまって)、しかもその上、
"所詮『マイ・フェア~』の二番煎じ"みたいな評価の下され方をされるのですが…ハッキリ言って同じ社交界でも、
扱ってる世界(あっちは表でこっちは裏だし)が違うし、キーポイントとなるものも違う、何より原作者の性別からくる視点の違いは、
『マイ・フェア~』とこの作品の間の越え難い溝の大元ですもの。これって突き詰めれば作品の優劣というより、
イライザとジジ、どちらの物語に観ている人がより共感できるかっていうことの方が、作品の評価に反映されるのでは?
ただ悲しい事に、この作品の世界観の特殊さと、ジジの辿る道がどうにも今の日本人には理解され難い為か、
それがそのまま圧倒的な『マイ・フェア~』側の高評価につながってる点がちょっとねえ…(´A`)
自分は誰がなんと言っても『恋の手ほどき』派ですがねん。そりゃあ『マイ・フェア~』も好きだけどさ。
…なんか愚痴と弁解ばっかになってきたんでこの辺で締めさせて頂きます。
プロット的には十分当時のミュージカルとしては受けゆと思ふけど、どうしても彼女のコケティッシュな部分が強く、これでバレエを披露したならもうちょっと違ったアプローチも出来たのだらうけど。
あゆ意味中途半端なのね、彼女のミュージカル女優としての位置づけが・・・。
魅力的で、なんかムリして社交界なんかに…とかってゆー
向きもあるみたいだわなあ。でも…キャラとしては合ってゆと
あたい的には思うのよう。
バレエ入れるとしたら『Say A Player For Me Tonight』辺りかにゅ?
ぱざま姿で一踊りして欲しかったり。『絹の靴下』がなけりゃ、
そっから踊りながらドレスに着替えてほすぃかったんやけろ…
二番煎じになるしい…。
ミュージカル女優としての位置づけねえ…なんっつーか、
ダンサーなのにダンス踊らんでも観てて満足でけゆって、
ダンサーとしてどうよとヲモたりしゅゆのよさ。しょの辺ろーよ?