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人生は切り干し大根

エッセイコラムダイアリー

親子電話、ピンク電話

2010-08-29 23:26:05 | Weblog
親子電話は、1回線の電話を1階と2階で使いたい時や、商売をしている家が家庭と店先で使い分ける時に活用されていた。
親子電話には大ざっぱにいうと2種類あり、一つは直結タイプ、もう一つは切り替えタイプだ。

直結タイプは、ドラマの中で家族の電話を盗み聞きするというシーンによく使われているように、ただ単に直結しただけのものだ。
この方式の欠点はその盗み聞き以外に、片方の電話機からダイヤルすると、もう片方の電話機のベルが『チリリリン、チリリリン』と、ダイヤルされた回数小さく鳴るというもの。
この現象は簡単な調整で直るが、もちろん素人がやっちゃ~いけない。

切り替え式は、電話機と電話機の間に『転換器(機)』というスイッチが設置されるので盗み聞きされる心配は皆無だが、使用後にスイッチを戻し忘れたりすると使い勝手が悪かったり、便利だったり、どちらの方式が優れているというよりも一長一短で、どういう使い方をするかがチョイスのポイントだ。

そのうちコードレスが主流となり、個人で携帯電話を持つようになった現在では親子電話そのものの存在意義がなくなった。
便利な電話をさらに便利に使おうという、ズボラな発想が生んだ親子電話と長尺コード(3メートルや5メートル引っ張り回せるあれだ)、考えてみたらもっとズボラでも生きていける時代になったんだな、な~んてね。
実際は高齢者や障害者(けが人や病人も含め)の使い勝手を改善するための親子電話という側面もあるので、ズボラという言い方は叱られるかも知れないが………………『さらに便利に』というところが重要。


ピンク電話は一見公衆電話のようだが、これは一般加入電話機として設置されている。
語弊があるが、確かに公衆電話なのだが、契約が一般加入としてなされているということ。
普通の公衆電話(カード式や赤いのや黄色いのや青いの)の場合、契約者はNTT(日本電電公社)。

例えばタバコ屋の店先に『赤電話』が設置されていれば、これは公衆電話なので投入された10円玉が回収されるだけ。
方やピンク電話は背面に鍵穴があり、鍵を回すとお金を入れなくても通話が可能となり、その鍵は加入者に預けられている。
つまりNTTとしては通話記録で請求書を出さないと、10円玉だけの回収では損をしてしまうのだ。

一般加入電話に公衆電話機能を持たせるというこの試みはよく考えられており、単独で設置されている場合ももちろんあるが、どちらかというと家庭の電話番号に親子電話として、切り替え器方式で設置されているケースが多かった。






600型時代のピンク電話、675 A2(A1)。



601型時代のピンク電話、675S A2。


そうそう、全ての電話には電話番号が設定されている。
刑事ドラマなどで街角の公衆電話に犯人が電話を掛けてくるというシーンが描かれたりするが、番号を知っていれば簡単なことだ。
しかし、公衆電話の番号など公表されていないので映画やドラマなどのそういうシーンでは、『都合のいい脚本だなぁ』といつも考える(笑)

公衆電話機そのものがどんどん姿を消している現在、現役で頑張っているピンク電話に遭遇したら、たまには使ってあげるか!

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