大動脈から気管・気管支や消化管へ瘻孔を作って大出血を起こすことがあります。この場合は即死してしまう可能性があるが、多くの症例では、前駆出血を呈します。この特徴的な前駆出血は“herald bleeding”と呼ばれ約2/3の症例で認め,致死的な大出血に先行することが知られてそうです。
“Herald bleeding”の機序としては,一時的な血圧低下と瘻孔部の局所的な血流低下の結果,血管攣縮と血栓形成が起こり一時的に瘻孔が塞がれ止血されるが,瘻孔の閉鎖による正常血圧への復帰により血栓が飛ばされ大出血に至ると考えられているようです.前駆出血から大出血に至るまでの時間は,50%が24時間以上,29%が1週間以上と比較的時間が経ってから大出血が起こる症例も少なくないとのことです。
いずれにしろ、放置した場合は致命律100%ですので、致死的大出血を起こす前に何らかの外科的治療をする必要があります。