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”知財コミュニケーション研究所 知財コミュニケーター”® 知財活用コンサルタント・セミナー講師:新井信昭のブログ 

「社長! その特許出願ちょっと待った!」。「見せない 出さない 話さない」と「身の丈に合った知財戦略」で企業を元気に!

トキの愛称 商標問題

2012-05-03 10:34:54 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

東京都内は雨。さすがに電車はガラガラでした。

ご存じの佐渡市でトキのひな3羽が生まれたニュースには心温まりましたね。

さて、このトキのひな3羽について、佐渡市は愛称を公募する予定のようです。

詳細はこちらです

佐渡市で本件を担当されている方に抜かりはないと思いますが、この手の公募には「商標」を絡めて考えておく必要があります。

愛称が決まれば、その次は、関連グッズなどが必ず販売されましょう。

販売された後に、実はそれは「登録商標」でした、では目も当てられません。

公募に際しては、応募してきた愛称が「商標登録出願」されていないことを応募者に確認することとともに、決定した愛称の発表前に、決定した愛称について佐渡市が商標登録出願を済ましておくこと、が少なくとも大事です。

昨今の中国商標問題を考えると、優先権を主張して中国出願を行っておく必要もあります。

行政担当者は、弁理士と綿密に連絡を取りながら事を進めるべきです。

今日もお読みいただき有難うございました。

医薬業界の特殊性 リピトール

2012-05-02 10:16:10 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

医薬業界の特殊性、医薬特許の重要性を思い知らされます。

医薬業界の特殊性とは、次の3つ。

1. 新製品創出の困難さ
2. 少品種で巨大な売上を稼ぐ
3. 特許切れによる売上の激減

ファイザーの高脂血症「リピトール」。

調べたところ、リピトールだけの2008年の売り上げは13476M$(ミリオンダラー)。

次の記事によれば、リピトールの特許切れで前年同期に比べ42%減とのこと。

詳細はこちらです

稼ぎ頭の特許が切れたとしても次が出てくれば問題ないはずだが出てこない。

特許が切れれば、あっという間にジェネリックに市場を奪われる。

売上シェアが高いために、特許切れによるシェア喪失が同社の売上全体に与えるインパクトが大きい。

と、いうわけです。

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松井秀喜選手がマイナー契約 ハイリターンを目指せ

2012-05-01 06:41:17 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

本日は東京農工大学の授業。

職務発明について受講生と議論する予定です。

研究者・開発者のインセンティブを高め、経済性の高い発明を生み出してもらうことは当然ながら重要なこと。

一方、企業経営者や研究・開発部門以外の部門、たとえば、製造部門や営業部門からは、なぜ、発明をすることが業務である者に、給料以外の報奨を与える必要があるのか、という疑問が発せられます。

スポーツ界のスターなどは一般人では考えられないような報酬が与えられるのに、研究者や開発者のスター達にはそのような報酬が与えられないのか?

これが、研究者・開発者の主張です。

それに対する経営者等の反論は、リスクのとり方が違う、というもの。

安定収入が認められている企業の研究者・開発者にはスポーツ選手と同じようなリスクはないから、ノーリスク・ハイリターンはバランスに欠けている、というわけです。

読者諸氏の考えや如何に?

ところで、所属未定だった松井秀喜選手がレイズとマイナー契約しました。

詳細はこちらです

メジャーへ上がり、ハイリターンを得て欲しいと思います。

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職務発明 アステラス製薬

2012-04-30 07:10:14 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

5月1日は、農工大で授業を行いますが、そのタイトルは「職務発明制度の戦略的活用」です。

そもそも特許法は、事業機会の最大化、事業リスクの最小化、に寄与させるべき。

職務発明というと、事業リスクとしか捉えられていません。

35条はその存在が事業リスクだから削除せよ、という話もないわけではありません。

先日も、アステラス製薬に対し1億6千5百万円の支払い命令が出されました。

詳細はこちらです

35条の是非はともかく、現行制度があることは事実。

ただ、腫れものに触るようにするだけでなく、その存在を前提に事業機会と事業リスクを考えるべきです。

イノベーションを創出するためのインセンティブを大事にしながら、リスクを最小化していく姿勢が望まれます。

農工大の学生との議論が楽しみです。

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中国「世界の工場」から撤退・縮小

2012-04-29 10:04:42 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

まずは、次のニュースから。

詳細はこちらです

政府は、中小企業の中国進出を推奨するが、本当にそうすべきか?

属する業界や中小企業の体力などにもよるが、色々と問題が指摘される中国よりも、ベトナムのような中国以外の東南アジアに目を向ける方が現実的かもしれない。

昨日のブログにも書いたが、中国を「市場」と見てはどうか?

工業製品の場合、完成品を中国に納品するわけではない。

中小企業が供給するのは部品であることが多い。

知的財産についても、中国以外の国のほうが取得費用も安く済む。

現地代理人も意欲的。

先週、インドの代理人から面談の申し入れがあったばかりだ。

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NHK ニュース深読み 中国商標

2012-04-28 09:18:48 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

只今、NHKの「週刊ニュース深読み」を見ています。

深読みされている内容は、中国の商標権問題。

クレヨンしんちゃん、有田焼、iPadなどを取り上げて中国商標の実態が紹介されています。

中国商標の防衛策は、出願するのが一番(先願主義)、という話は当然出てきました。

その背景について、出演しているNHK解説委員の方が、こう言っていました。

なぜ、日本企業は中国に出願してこなかったのか、について。

中国はモノを作るところであって売るところではない、と認識していたから、とのこと。

確かにそうでしょうね。

他にも一つ。気づきを与えてくれました。

スターバックスが北朝鮮で登録されている、という事実です。

現在、北朝鮮にコーヒーショップを作れるとは誰も思いませんが、もしかしたら将来できるかもしれない、という先見性が見えます。

文句を言うばかりでなく、権利意識をしっかり持ち先見性を持って商標をみつめるべき、だと改めて思いました。

今日もお読みいただき有難うございました。

先願主義と出願公開

2012-04-27 11:45:47 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

本日は、山手線の人身事故の影響で、事務所到着が遅れました。

中国の出願数が驚異的に伸びています。

詳細はこちらです

遠からず、いやもう既に、中国における日本企業の活動に支障が出始めています。

他人の出願を排除するために、考えられるのが、先願主義と公知化です。

同じ発明であれば先に出した方が勝ち、という先願主義。

発明の新規性・進歩性を否定するための公知化。

日本を第1国出願とし、優先権を主張して中国に第2国出願を行う。これがオーソドックスな方法です。

しかし、ときには、中国に出すほどの余裕はないが、誰かに権利化されると、靴に入った小砂利のようになる。

歩けなくはないが歩きづらい、ということ。

出願しないのだから先願主義は使えない。

日本に出願しておけば出願公開される、そうすれば、公知化できる。

確かにそうですが、公開されるまでの時間を感がなければいけません。

場合によっては、早期公開制度を利用するのも手です(特許法64条の2)

今日もお読みいただき有難うございました。

特許管理会社とは? 特許紛争

2012-04-26 10:26:34 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

特許管理会社の問題は、企業にとって大きなリスク。

詳細はこちらです

特許管理会社の是非を論ずることは学問的には面白いが、実務界では目の前の対策の方が重要でしょう。

IT産業やエレクトロニクス産業では、リスク回避のためにクロスライセンス手法がとられるが、特許管理会社は発明の実施をしていないためこの手法は使えません。

一方、特許管理会社にも相応の哲学があるはず。ぜひ、じっくりと聞いてみる必要があると思います。

農工大での私の授業では、ある特許管理会社の方に来ていただき、お話して頂くことにしています。

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iPad商標 中国

2012-04-25 11:13:40 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

本日は、ある製造業において社内セミナーの予定です。

ところで、iPad商標に関する中国政府の初見解が出されました。

見解によれば、中国のIT機器メーカー「唯冠科技」が商標権を保有している、とのこと。

詳細はこちらです

中国における司法の独立性がどの程度か分かりませんが、アップルにしてみれば嫌なムードです。

高裁で中国企業の商標権が合法であれば、アップルはiPadの商標を使えなくなってしまうわけですから、これ大事です。

一方、中国の動きに目が奪われがちですが、日本にも「タダ乗り」出願があるのですよ。

ある企業が使用している商標について、その商標が登録されていないことをよいことに自分で出願を行い、その出願をその企業に売りつける、というビジネス(?)をやっている輩が本当にいるのです。

お気をつけください。

今日もお読みいただき有難うございました。

我慢のしどころ 特許取得

2012-04-23 10:02:27 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

本日付の日経新聞。

中国などにおける模造品被害が伝えられています。

詳細はこちらです

特許取得でも安心できない。次から次へと模造品が出てくる。そのような相談は、確かに多いです。

詳細はこちらです

特許権や意匠権が存在するだけで、自動的に模造品が消えてなくなる、わけではありません。

時には、思い切った権利行使をしなければ、権利が有名無実化してしまいます。

昨年、特許庁が行ったアンケート調査によれば、知的財産権を取得した中小企業のうち、模倣対策に効果があったとした回答は半数以下だそうです。

この後が肝心。

半数以下だから「やらない」のか、半数以下といえでも「効果がある」と捉えるのか、見方によって大きな違いがでます。

丸裸でいれば指をくわえて撤退するだけ。

効果的な知的財産権の取得を行い、ターゲットを絞った権利行使を行うことによって「半数以上」とすることが必要です。

我慢のしどころだと思います。

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「森伊蔵」 蔵元の異議認められず

2012-04-19 06:48:00 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

鹿児島県の芋焼酎「森伊蔵」は、めったに手に入らないと聞いたことがあります。

私は、コンビニで宮崎県の芋焼酎「黒霧島」を買います。これなら値段も手ごろですし、いつでも手に入ります。

そもそも私はビール党ですが、つい最近、この芋焼酎を烏龍茶で割ってみたら、なかなかいい。

芋焼酎独特のクセが、烏龍茶とベスト(?)マッチ。

ところで、本日の話題は、先の芋焼酎「森伊蔵」の商標が中国で無断申請されていた、という話。

「またかぁ」と思ったら、いつもと様子が違う。

どうもその出願人は日本の会社のようです。

詳細はこちらです

記事によれば、蔵元の異議申し立てが認められなかった。

毎度毎度のお話ですが、中国商標の対策は「自らの出願」です。

人生には三つの坂あり。「上り坂」「下り坂」。もう一つの「マサカ」と思う前に「出願」です。

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知財界にも振り込め詐欺

2012-04-17 10:32:18 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

物騒なタイトルを書きました。

知財界にも振り込め詐欺が闊歩しています。

ご用心ください。

たとえば、こういう事例があります。

ある商標を外国出願し、それが公開されました。

そうしたら、代理人ではなく出願人に直接、英文のレターが届きました。

英文レターのヘッドには「Register of International Patents and Trademarks」と、あたかも官庁のようなスタイルで書かれています。

レターの中央には出願された商標のコピペが。

その下に、何やら計算式のようなもの。金額は、2,662.50ドル

計算式の上には「Registration of Intermational Trademarks」とあります。

その下に振込先のアカウント。

その下に「Please pay the amount above, on acceptance, within 10 days by wire transfer or cheque!」とあります。

ご推察のとおり、これを支払っても何も登録されません。

WIPOも警告しています。

詳細はこちらです

代理人とのコミュニケーションを密に図り、詐欺に遭わないようにしてください。

今日もお読みいただき有難うございました。

出願時の技術水準 ワンクリック特許

2012-04-16 06:55:54 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

私もよく利用しています。

アマゾンの書籍販売です。

特に、中古の書籍を購入するとき。

安く手に入るからです。

そのアマゾンの「ワンクリック」が特許になったようです。

詳細はこちらです

記事にある特許番号は、まだ、IPDLにはアップされていません。

この特許が出願されたのは14年前の1998年。

特許実務のスキルのの一つとして、新規性や進歩性を判断するときの時間的基準があります。

どうしても、「今」の技術基準で考えてしまいがちですが、その特許の「出願時」までさかのぼって判断しなければなりません。

今ですと当たり前のような「ワンクリック」ですが、14年前はどうだったか?

今に比べるとインターネットの普及率もマダマダだったですね。

その頃の感覚で判断すると、「ワンクリック」は当たり前ではなかった、ということになります。

今日もお読みいただき有難うございました。

「白い恋人」vs「面白い恋人」 取引の実情

2012-04-13 06:34:33 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

このブログでも、何回か取り上げた「白い恋人」vs「面白い恋人」の件。

詳細はこちらです

次の記事を読む限りにおいて、「面白い恋人」の吉本興業はラブコールを、「白い恋人」の石屋製菓は肘鉄を、それぞれ相手に示しています。

詳細はこちらです

吉本興業が主張する「混同」が、「白い恋人」を買おうと思っていた人が(間違えて)「面白い恋人」を買ってしまった、ということを意味するのであれば、そのような混同は生じていないのかもしれない。

しかし、「白い恋人」ではないことは知っているが、マスコミを騒がしているパロディ的なものだからもらった人が喜ぶと思い(あえて)「面白い恋人」を買う場合もあるのではないか。

とすれば、これも「混同」の一つと言えないだろうか。

そもそも「白い恋人」があるから「面白い恋人」を(これは、面白い)と買ってくれるのだ。

とすれば、これは、「タダ乗り」といえそうです。

商標は商品が流通してナンボというものだから、机上の審査を超えた「取引実情」の参酌が大切。

取引の実情がどのように判断されるか、...。

今日もお読みいただき有難うございました。

武田薬品によるURLファーマーの買収

2012-04-12 09:45:31 | 事業戦略と知的財産マネジメント
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

武田薬品がアメリカのURLファーマを買収。

痛風治療薬の拡充を狙い、8億ドル(640億円)を支出。

詳細はこちらです

医薬品の業界ほど、特許がモノを言う業界はありません。

武田薬品は、昨年5月にも企業買収を実施。

スイスのナイコメッドを約1兆1千億円で買収したばかり。

円高も後押しするところですが、特許切れの影響がいかに大きいか分かります。

さらに、創薬の難しさもあります。

一から始めていたのでは、新薬のためのカネも時間もない。

ここで、学ぶべきは、業界を知らずして特許を語れない、ということです。

東京農工大における来週の講義は、この点をしっかりと伝えたいと考えています。

今日もお読みいただき有難うございました。

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