管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

人体 28-44

2013年06月19日 | 日記
「19 免疫, アレルギー」 の練習問題と解答・解説です.

.............................................................................................
19 免疫, アレルギー 15問 問題
'''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''

1 生体防御に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 唾液は, リゾチームを含む.
(2) ナチュラルキラー (NK) 細胞は, 特異的免疫を担う.
(3) 亜鉛欠乏により, 免疫能が低下する.
(4) ワクチン接種による免疫は, 受動免疫である.
(5) 好中球やマクロファージは, 補体を放出する.

2 免疫に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 腸管免疫防御に関与しているのは, IgMである.
(2) 消化管や呼吸器には, 特有のよく発達したリンパ装置が備わっている.
(3) Tリンパ球は, 骨髄で成熟・分化する.
(4) キラーT細胞は, 体液性免疫を担う.
(5) 肝臓は, 補体を産生する.

3 免疫に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) Bリンパ球は, 胸腺でつくられる.
(2) T細胞は, B細胞が出す情報によって分裂増殖する.
(3) T細胞が分化した形質細胞は, 免疫グロブリンを産生する.
(4) 免疫グロブリンは, 2本のH鎖と2本のL鎖からなる.
(5) 免疫グロブリンは, 抗原結合部位の違いによって4種に分類される.

4 免疫グロブリンに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) IgAは, 免疫グロブリンの中で血中濃度が最も高い.
(2) IgAは, 胎盤を通過する.
(3) IgGは, 補体と結合して殺菌作用を促進する.
(4) 分泌型IgAは, 5量体である.
(5) 分泌型IgMは, 消化管の局所免疫を担う.

5 免疫グロブリンに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 分泌型IgAは, 粘膜を通して口腔内や消化管などに分泌される.
(2) IgEは, 感染後, 最初に血中に現れる抗体である.
(3) IgDは, 分子量が最も大きい.
(4) IgMは, ヒト血清中での濃度が極めて低い.
(5) IgEは, マスト細胞 (肥満細胞) に作用して遅延型アレルギー反応を起こす.

6 免疫に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) IgMは, 1型アレルギーに関与する.
(2) IgDは, アナフィラキシーショックに関与する.
(3) マクロファージの顆粒には, ヒスタミンが含まれる.
(4) ワクチンは, 免疫機能を促進させる.
(5) 仮性アレルゲンは, IgEを介して反応を起こす.
※ アラビア数字で表記しました.

7 アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 1型アレルギーに関与する免疫グロブリンは, IgAである.
(2) 肥満細胞は, IgA受容体をもつ.
(3) 1型アレルギーは, ヒスタミンの放出により生じる.
(4) アナフィラキシーショックは, 1型アレルギーである.
(5) アナフィラキシー反応の1つに, 不適合輸血による溶血がある.
※ アラビア数字で表記しました.

8 アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) スギ花粉症のアレルギーは, IgEが関与する3型である.
(2) アレルギー性鼻炎は, 2型アレルギーである.
(3) 食物アレルギーは, IgD抗体が原因である.
(4) RAST法は, アレルゲンに対する特異IgG抗体を試験管内で検出する方法である.
(5) 好酸球は, 1型のアレルギーに関係する.
※ アラビア数字で表記しました.

9 アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 2型アレルギ一反応では, ヒスタミンが放出されて炎症が生じる.
(2) 2型アレルギー反応 (細胞障害性反応) の1つに, 不適合輸血による溶血がある.
(3) 3型アレルギ一反応は, 遅延型過敏反応である.
(4) 3型アレルギー反応の1つに, 接触性皮膚炎がある.
(5) 全身性エリテマトーデスは, 1型アレルギーである.
※ アラビア数字で表記しました.

10 アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 4型アレルギ一反応は, 抗体の関与する体液性免疫である.
(2) ツベルクリン反応は, 即時型アレルギーである.
(3) 遅延型アレルギー反応 (4型アレルギー反応) の1つに, 慢性糸球体腎炎がある.
(4) 移植の拒絶反応は, 2型アレルギーである.
(5) 自己輸血により, 移植片対宿主病を予防できる.
※ アラビア数字で表記しました.

11 食物アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 食物アレルギーは, 4型アレルギー反応 (遅延型反応) である.
(2) 食物アレルギーでは, 皮膚症状は認められない.
(3) 食物アレルギーでは, 血中特異的IgE抗体測定によりアレルゲンを同定する.
(4) 食物誘発アレルギーの皮内反応は, 15~20分後に判定する.
(5) 食物アレルギーのアレルゲンとなる物質は, 脂質成分が多い.
※ アラビア数字で表記しました.

12 食物アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 食品の加熱処理により, アレルゲン活性が増加する.
(2) 食物アレルゲンを軽減するために, 食品をリパーゼ処理すると有効なこともある.
(3) 食物アレルギーの原因となりやすい食品は, 卵, 牛乳, 大豆などである.
(4) 果物では, 食物アレルギーは生じない.
(5) 乳幼児の食物アレルギーは, 自然寛解しない.

13 自己免疫疾患に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 全身性エリテマトーデスは, 女性より男性に多くみられる疾患である.
(2) 全身性エリテマトーデスでは, ループス腎炎がみられる.
(3) 全身性エリテマトーデスは, 日光浴で寛解する.
(4) 自己免疫性異常の1つに, バセドウ病がある.
(5) シェーグレン症候群は, 男性に多くみられる自己免疫疾患である.

14 自己免疫疾患に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) シェーグレン症候群では, 唾液分泌が亢進する.
(2) 強皮症は, 女性に多くみられる自己免疫疾患である.
(3) 強皮症では, 嚥下障害が起こる.
(4) 強皮症では, 肺線維症が起こる.
(5) 橋本病では, 甲状腺機能が低下する.

15 自己免疫疾患に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 全身性エリテマトーデスでは, 手掌紅斑がみられる.
(2) 橋本病は, 女性に多くみられる疾患である.
(3) 橋本病では, 皮膚が湿潤になる.
(4) 関節リウマチは, 成人になると治癒する.
(5) 関節リウマチは, 自己免疫疾患ではない.

.............................................................................................
19 免疫, アレルギー 15問 解答と解説
'''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''

1=(1)かつ(3)
(1) 正 唾液は, リゾチームを含む.
(2) 誤 ナチュラルキラー (NK) 細胞は, 非特異的免疫を担う.
(3) 正 亜鉛欠乏により, 免疫能が低下する.
(4) 誤 ワクチン接種による免疫は, 能動免疫である.
(5) 誤 好中球やマクロファージでは, 酸素から活性酸素が生じる.

2=(2)かつ(5)
(1) 誤 腸管免疫防御に関与しているのは, 分泌型IgAである.
(2) 正 消化管や呼吸器には, 特有のよく発達したリンパ装置が備わっている.
(3) 誤 Tリンパ球は, 骨髄で分裂し, 胸腺で成熟・分化する.
(4) 誤 キラーT細胞は, 細胞性免疫を担う.
(5) 正 肝臓は, 補体を産生する.

3=(4)
(1) 誤 Bリンパ球は, 骨髄で分化・成熟する.
(2) 誤 成熟B細胞は, ヘルパーT細胞が出す情報 (IL-4) によって分化・増殖する (形質細胞になる).
(3) 誤 B細胞が分化した形質細胞は, 免疫グロブリンを産生する.
(4) 正 免疫グロブリンは, 2本のH鎖と2本のL鎖からなる.
(5) 誤 免疫グロブリンは, 抗原結合部位の違いによって5種に分類される.

4=(3)
(1) 誤 IgGは, 免疫グロブリンの中で血中濃度が最も高い.
(2) 誤 IgGは, 胎盤を通過する.
(3) 正 IgGは, 補体と結合して殺菌作用を促進する.
(4) 誤 分泌型IgAは, 2量体である.
(5) 誤 分泌型IgAは, 消化管の局所免疫を担う.

5=(1)
(1) 正 分泌型IgAは, 粘膜を通して口腔内や消化管などに分泌される.
(2) 誤 IgMは, 感染後, 最初に血中に現れる抗体である.
(3) 誤 IgMは, 分子量が最も大きい.
(4) 誤 IgEは, ヒト血清中での濃度が極めて低い.
(5) 誤 IgEは, マスト細胞 (肥満細胞) に作用して即時型アレルギー反応を起こす.

6=(4)
(1) 誤 IgEは, 1型アレルギーに関与する.
(2) 誤 IgEは, アナフィラキシーショックに関与する.
(3) 誤 好塩基球や肥満細胞の顆粒には, ヒスタミンが含まれる.
(4) 正 ワクチンは免疫機能を促進させるので, 感染症を予防するのに使用される.
(5) 誤 仮性アレルゲンは, 大量に摂取するとアレルギー類似反応を生じる化合物である.
※ アラビア数字で表記しました.

7=(3)かつ(4)
(1) 誤 1型アレルギーに関与する免疫グロブリンは, IgEである.
(2) 誤 肥満細胞は, IgE受容体をもつ.
(3) 正 1型アレルギーは, ヒスタミンの放出により生じる.
(4) 正 アナフィラキシーショックは, 1型アレルギー (即時型アレルギー) である.
(5) 誤 アナフィラキシー反応の1つに, 気管支喘息がある.
※ アラビア数字で表記しました.

8=(5)
(1) 誤 スギ花粉症のアレルギーは, IgEが関与する1型である.
(2) 誤 アレルギー性鼻炎は, 1型アレルギーである.
(3) 誤 食物アレルギーは, IgE抗体が原因である.
(4) 誤 RAST法は, アレルゲンに対する特異IgE抗体を試験管内で検出する方法である.
(5) 正 好酸球は, 1型や4型のアレルギーに関係する.
※ アラビア数字で表記しました.

9=(2)
(1) 誤 2型アレルギ一反応は, 体液性抗体が放出されて炎症が生じる細胞障害性反応である.
(2) 正 2型アレルギー反応 (細胞障害性反応) の1つに, 不適合輸血による溶血がある.
(3) 誤 3型アレルギ一反応は, 即時型過敏反応である.
(4) 誤 3型アレルギー反応の1つに, 慢性糸球体腎炎がある.
(5) 誤 全身性エリテマトーデスは, 3型アレルギーである.
※ アラビア数字で表記しました.

10=(5)
(1) 誤 4型アレルギ一反応は, T細胞の関与する細胞性免疫である.
(2) 誤 ツベルクリン反応は, 遅延型アレルギー (4型アレルギー) である.
(3) 誤 遅延型アレルギー反応 (4型アレルギー反応) の1つに, 接触性皮膚炎がある.
(4) 誤 移植の拒絶反応は, 4型アレルギー (細胞性免疫) である.
(5) 正 自己輸血により, 移植片対宿主病 (graft-versus-host disease; GVHD) を予防できる.
※ アラビア数字で表記しました.

11=(3)かつ(4)
(1) 誤 食物アレルギーは, 1型アレルギー (即時型反応) である.
(2) 誤 食物アレルギーでは, じんましんなどの皮膚症状が認められる.
(3) 正 食物アレルギーでは, 血中特異的IgE抗体測定によりアレルゲンを同定する.
(4) 正 食物誘発アレルギーの皮内反応は, 15~20分後に判定する.
(5) 誤 食物アレルギーのアレルゲンとなる物質は, たんぱく質成分が多い.
※ アラビア数字で表記しました.

12=(3)
(1) 誤 食品の加熱処理により, アレルゲン活性が減少する.
(2) 誤 食物アレルゲンを軽減するために, 食品をプロテアーゼ処理すると有効なこともある.
(3) 正 食物アレルギーの原因となりやすい食品は, 卵, 牛乳, 大豆などである.
(4) 誤 果物では, 食物アレルギーは生じる.
(5) 誤 乳幼児の食物アレルギーは, 発育に伴って自然寛解する例が少なくない.

13=(2)かつ(4)
(1) 誤 全身性エリテマトーデスは, 男女比が約 1:9 で女性に多くみられる疾患である.
(2) 正 全身性エリテマトーデスでは, ループス腎炎がみられる.
(3) 誤 全身性エリテマトーデスでは, 日光浴は避けなければならない.
(4) 正 自己免疫性異常の1つに, バセドウ病がある.
(5) 誤 シェーグレン症候群は, 女性に多くみられる自己免疫疾患である.

14=(1)
(1) 誤 シェーグレン症候群では, 唾液腺を標的とする臓器特異的自己免疫疾患のため唾液分泌が低下する.
(2) 正 強皮症は, 女性に多くみられる自己免疫疾患である.
(3) 正 強皮症では, 嚥下障害 (食道蠕動の低下) が起こる.
(4) 正 強皮症では, 肺線維症が起こる.
(5) 正 橋本病 (慢性甲状腺炎) では, 甲状腺機能が低下する.

15=(2)
(1) 誤 全身性エリテマトーデスでは, ループス腎炎や蝶形紅斑がみられる.
(2) 正 橋本病は, 男女比が約 1:2 で女性に多くみられる疾患である.
(3) 誤 橋本病では, 発汗作用が低下して皮膚が乾燥する.
(4) 誤 関節リウマチは, 20~50歳代の女性に多い.
(5) 誤 関節リウマチは女性に多くみられる自己免疫疾患で, 関節滑膜が炎症性に増殖したものである.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次回は, 「20 感染症」 の穴埋め問題と正文集です.

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。