インソールには誇らしげに
“Completamente fatto a mano su misura” の文字が…
待ちに待ったSpigolaの注文靴が完成。
木箱の中には、ヘリンボーンのシューバッグ
(この袋も、今回はどんな生地だろう?なんて、ささやかな楽しみだったりする)
3足目となる今回は『サドルシューズ』
IVY・トラッド好きな自分にとって、是非ともワードローブに加えておきたかったアイコン的な靴。
アメリカンテイストな靴であるサドルシューズをイタリアで修行を積んだ鈴木さんが表現すると、力強くも野暮ったさとは無縁の素敵な靴が出来上がりました。
スエード×シボ革のコンビは、オーダー品ならではの素材使い。
これが意外と、既製品にはありそうでない。
この組み合わせは、新潟の老舗ショップ 『ノーザンアイランド』が Crockett & Jones に別注したサドルシューズから着想を得たもの。
夏の暑い日、タナベ店長がシアサッカーのマルチチェックのBDシャツにシャンブレーのワークパンツという装いの足元に合わせていたのが、コチラの靴。
派手なアイテムを組み合わせているにもかかわらずサラッと気楽に着こなす姿がそれはもう本当に格好良くて、自分も欲しくなってしまったのですが、残念ながら在庫はなく手に入れることが叶いませんでした。
それから何年たっても頭から離れることのなかったあのサドルシューズ、その思い出が鈴木さんとの出会いを経てついに現実に。
オーダーにあたっては、ノーザン別注の完全な模倣ではなく、今の気分を落とし込みました。
まず、アッパーはイルチアの銀付きスエードで、色はcurcuma(ウコン色?)。
ミュージアムカーフで有名なイルチア社がスエードも作っているとは知りませんでした。
ヌメりのある上質な手触り。
サドル部分はデュプイのシボ革。
ハッキリと主張する大きめのシボ。明るい茶色はスエードとのコントラストもちょうど良し。
この靴の命とも言えるサドルの形状は、REGALやAldenに見られるような後ろ側が直線的なタイプではなく、曲線的なラインを描くように。
ソールはダブル。
さすがにシングルと比べると多少の返りの悪さはあるものの、履き心地は上々で流石のフィッティング。
出し縫いは、踵をグルリと一周させるダブルウェルト(360°ウェルト)。
にもかかわらずスッキリとしたこのお尻。
ダブルウェルトにした影響で、見た目のクビレは控えめ。
ヒールの飾り革はアッパーと同じくスエード。
注文の段階では『ヒールに飾りを付けてください』とだけお伝えしていました。
敢えてサドルと同じシボ革を当てなかったところに、この靴の特徴とも言える『土臭さとエレガントさの絶妙なバランス感』が現れている気がします。
アメリカンな意匠とSPIGOLAの靴作りの化学変化で生まれた素晴らしい靴。
白シャツとジーンズにサラッと合わせて… ツイードのコートなんかとトコトン土臭く…コーディネートの妄想が膨らむなぁ。
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