統一教会で思い出すプロ野球名将のこと

安倍元首相の銃撃死でカルト教団、統一教会の闇が明るみに出てきている。

週刊誌、ワイドショーが徐々に報じ出した。
未だ宗教法人として税制で優遇されていることが理解できない。
なぜか？
テレビウォッチャーの夕刊スポOB和田浩記者が伝えてくれた。
「宗教と政治、それに付随したカネ。オウムの時もそうでした。税金が緩和される宗教法人の認可が政権のサジ加減。ワイドショー見ました。”統一教会の法人認可取り消しがなくなった。政治の力です”有田芳生の発言に現場がフリーズしてましたね。政治家にとって、おいしさ百倍。銃撃犯の家族から搾り取ったカネが、政治家に流れ選挙資金になり、そして国葬に使われる、としたら切ないですね」
統一教会取材を続けてきた有田元参院議員のコメントは重い。
安倍元首相の秘書が参院選出馬で教団の全面支援されていたことも明らかになるなど底知れぬ闇。
そのことで、プロ野球の名将のことを思い出した。
上田利治。
１７年７月に肺炎で亡くなった。

享年８０。
阪急黄金時代を築いた名監督だ。

上の写真はオリックス発足パーティーだったか？
ブルーサンダー打線を形成した左端の門田博光の右に上田監督。
新球団の宮内義彦オーナー（ブーマーの左）も若い。
私も40前後で若い（門田の後ろでメモ取り）。
ケチなオリックスに嫌気さし退団後、ダイエーから声がかかった。
組閣までしたが、中内オーナーのツルの一声で根本監督になった。
まあ、上田ホークスになっていたら、王ダイエーはなかった。
本題とは違い横道にそれるので、軌道修正。
統一教会問題にさらされたのは日本ハム監督に就任した５８歳の頃。
指揮２年目にはイチローのいた古巣オリックスと優勝争い。
ところがヤマ場にも関わらず「家庭の事情」を理由に突然の休養。
球界は騒然としたが、理由は表立っては謎のまま。
後に明らかになった。

夫人と娘の統一教会入信を週刊現代が取材したのが発端だった。
日ハムの番記者は試合そっちのけで上田の自宅に上がり込んでいたことを思い出す。
後輩は今も現役記者をしている。
宗教がらみで複雑な背景で、スポーツメディアは尻込みしていた。

家庭の事情は、愛娘の統一教会入信問題。
野球どころではなくなるのも当然。
全財産を献金しなければ、地獄に落ちると洗脳されるのだからたまらない。
銃撃犯の告白そのものだ。
上田夫人は大阪ミナミ心斎橋の有名ジュエリー店「芝翫香」令嬢だった。
折りしも、当時はオウム真理教事件真っ只中。
統一教会は、高価な壷、印鑑購入や歌手の桜田淳子の合同結婚式など、カルト教団がらみで社会は騒然としていた。
名将は憔悴しきっていた。
復帰間もなく日ハム退団、フロント入りの話もあったが、すべて断った。
家族を崩壊させ、球界の人材を潰すと共に、球史さえ変えてしまった。
◆上田利治（うえだ・としはる）１９３７年１月１８日ー２０１７年７月１日）享年８０。徳島・海部郡産まれ。実家は魚屋。近所に尾崎３兄弟実家。徳島海南⇒関西大⇒広島⇒阪急（オリックス）監督⇒日本ハム監督。関大時代は村山実とバッテリー。２年時に大学日本一。７１年、広島コーチを経て７４年に３７歳で阪急監督。７５年から日本一３連覇、リーグ４連覇を含む５度の優勝。福本豊、加藤秀司、山田久志、山口高志、佐藤義則らを育てた。監督通算１３２２勝（歴代７位）１１３６敗１１６分け、勝率.５３８。０３年、野球殿堂入り。家族は勝子夫人と娘。