健康番組程下らないものはない。
数多あるが、はっきり嫌いだ。
タレントを使い「ほー!」「ええ-!」。
ADがスタジオで歓声をあおる図が見える。
まるでネットショッピング。
話のネタ程度でいい。
スタッフが銀座や六本木などで、たまたま飲んだ医者を連れてきたり、紹介されたり。
時たま「脱税」「ニセ医者」「経歴詐称」などで新聞沙汰。
あの人気のドクターが?となる。
で、あの健康話はどうだったの?
それは放映しっ放し。
それだけで、こちとらはストレスがたまる。
【上はポンペイ遺跡の人体】
だが、「人体の神秘」は、とにかく驚きの連続。
それほど面白い。
昨年10月からシリーズ放映しているNHKスペシャル。
「人体 神秘の巨大ネットワ-ク」。
毎週日曜夜、今年の3月まで全8回の大型シリーズだ。
今まで、体内の全ては脳が指令するものとばかり思っていた。
実際には、そうではなかった。
目からうろこ。
感心するばかりだ。
MCがタモリとノーベル賞学者の山中伸弥。
医学用語を連発されれば、お手上げだが、それがない。
第1回は「腎臓」。
尿を作る機能がほとんど、と思っていた。
ところがそうではなかった。
腎臓からメッセージを脳に届ける。
他の臓器にもメッセージを出す物質がある。
その仕組みを知れば、高血圧さえ、いとも簡単に治した。
人は亡くなるとき、腎機能が低下。
尿毒が脳に回って死に至る、と思っていた。
腎臓が各臓器にメッセージを送れなくなったら、すべての臓器が機能しなくなる。
腎臓は二つあるから、一つぐらいとってもいい。
とんでもないことだった。
新聞の死亡欄で使っていた「多臓器不全」というのは、まさにこのことだったのだ。
第2回では「脂肪と筋肉」。
脂肪は筋肉と会話を交わす、という驚くべきもの。
さらに脂肪細胞が脳に指令を出していることも分かってきた。
「もう、エネルギー満杯ですよ」
脂肪細胞が食欲を抑えるメッセージ物質を運んでいた。
脂肪が少なすぎても、多すぎてもいけない。
メッセージ物質が脳に届かなくなるのだ。
さらに筋肉が病気をなくす力がある?
筋肉の働きが、記憶力の増強、がん予防と関わる?
メタボがなぜいけないのか?
これを見るとよーく分かる。
「骨」では、なぜ歩くことが健康と若さを保つのにいいのか?
自転車競技のトップアスリートが、骨の老化で骨折する。
それは骨は衝撃を与えると強化する。
歩くこと、走ることが骨にいいことが分かってきた。
これらを書き記すと、いくら紙幅があっても、足りない。
いやはや、ノーベル賞学者IPS細胞のトップが感心するほどの驚き。
昔「ミクロの決死圏」という、SF映画があった。
潜水艇が人間の体内に侵入して、病原菌と闘う。
そんな内容だった記憶がある。
それが、今では医術CGが細胞の動きをリアルに映す。
免疫細胞の戦闘ぶりさえ再現。
「腎臓」「脂肪と筋肉」「骨」ときて、今夜14日の第4回(日曜夜)は「腸」に迫る。
腸に関しては「驚きの連続 腸内細菌」(2015年3月2日付↓)で記している。
https://blog.goo.ne.jp/gooyuhueriami/e/e7bc80398c3ebe48e96c87db1e6f0263
そのことにまた、触れるのだろうか?
とにかく、百聞は一見にしかず。
なんだか番組宣伝っぽくなってしまった。
分かりやすく解説しているのも良いです