Yahoo!の「ネタりか」に、「もう知ったかぶりしなくていい! カタカナビジネス用語(1)」という記事がありました。その記事では、表題の「コンセンサス」を含めて9つの「戸惑いやすいカタカナビジネス用語(ア~サ行)」が、例文とともに説明されていました。「コンセンサス」の項は次のとおりです。 《リンク》 《リンク》
・コンセンサス…「根回し」を意味する言葉。事前の了解、事前の同意など。
例:「田中君、先方とのコンセンサスはとれているのか」田中「申し訳ありません」
これを読んで、「そんなはずはないだろう」と思いました。言うまでもなく、英語のconsensusの意味は、「(意見などの)一致」や「総意」ですし、国語辞典でも「コンセンサス」を同様に定義しています。
しかし、調べてみると、ビジネス用語としての「コンセンサス」は、下記のとおり、確かに「根回し」の意味で使われているようです。意外でした。
三省堂辞書サイト:10分でわかる「コンセンサス」の意味と使い方
広い分野で用いられる語ですが、特にビジネスと政治の分野で頻出する用語であるようです。例えば、ビジネスの分野では「この案件について営業部のコンセンサス(=合意)を取っておいて」などの用法があります。「根回し」に似たようなニュアンスを持つ事も多いようです。 《リンク》
★「根回し」を英語で言うと…
「根回し」と英語のconsensusは全くの別物と考えるべきです。
旺文社新和英辞典には、「根回しする」の訳として、maneuver behind the scenes、negotiate (with a person) behind the scenes、lay the groundwork (for a thing)が載っていました。「根回し工作」の訳としては、maneuvering behind the scenes、underground activities、spadeworkが載っていました。
プログレッシブ和英辞典では、groundwork laid unobtrusively in advanceだけでした。
旺文社の訳の方が明らかに充実しています(プログレッシブの訳は使い物になりません)。ただし、旺文社が載せたspadeworkは「(つまらない)予備作業,基礎研究.」(eプログレッシブ英和辞典)なので、「根回し」の訳として使う機会はあまりなさそうです。
デイリーヨミウリのサイトでは、prior consultation、prior consensus building、behind‐the‐scenes maneuvering,backstairs dealing が紹介されていました。また、4つの例文が載っており、どれも参考になります。 《リンク》
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