たとえば、真夜中のオフィスで、明日の朝までにこなさなければならない絶望的に莫大な量の仕事と向き合ったとき。
「こんな量をひとりでこなすのは絶対に無理だ、徹夜しても終わらない」
そういって、私には荷が勝ちすぎたと絶望し、誰もいないオフィスで、孤独感と絶望感に押しつぶされそうになります。
(山口真由(著) 「天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。」p.186 扶桑社 2014年1月20日発行)
荷物が重すぎる。また、責任や負担が過重である。
*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕四・中「けふはべらぼうに荷(ニ)が勝(カッ)たから重くってならねへ」
*人情本・春色玉襷〔1856~57頃〕二・一一回「随ぶん荷(ニ)も勝ってお出だが」
*初孫〔1900〕〈国木田独歩〉「益々肥太りて最早祖父様のお手には荷が少々勝(カ)ち過ぎるやうに相成り候」
「荷が勝つ」の意味が既に「責任や負担が重すぎる」という意味であれば、これに更に「すぎた」を重ねて「荷が勝ちすぎた」ということはできないように思われます。しかし、辞書の例文には、「荷が勝ち過ぎる」を含む例文が載せられていますので、誤りではないのでしょう。