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こだわりの小市民レビュー~映画・小説・ニュースからダイエット・環境問題まで

レコーディングダイエットでフルマラソン完走。その他サブカルチャー、環境問題もあり。役に立つこだわり記事にご期待を!

最後の喫煙者

2009年08月15日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
たばこ離れ加速、喫煙者4人に1人下回る(読売新聞) - goo ニュース

 とうとうタバコをすう人が4人に1人になったそうです。

 10年位前まで、「一人前の男ならタバコをすう」という風潮がまだありましたが、確かにすわない方が普通になってきた感じです。

 私自身、10年前まで喫煙者でしたが、タバコの臭いが極めて不快に感じるようになりました。もう一生、タバコをすう事はないと思います。

最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集〈1〉 (新潮文庫)
筒井 康隆
新潮社

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 これは筒井康隆一流の「マスコミ巻き込まれ」タイプSFの代表作。

 ふとしたことから最後の喫煙者になってしまった作者モデルの作家がどんな末路をたどるのか…
 
 自作を風刺作品ととられるのが大嫌いな筒井康隆さんですが、マスコミのヒステリックかつ執拗な個人を追い込んでいくプロセスはすごいリアリティがあります。
 スラップスティックコメディで最後のドタバタへの展開も面白い一作。

 この調子なら、本当に「最後の喫煙者」が表れるのかもしれませんね。






時間をまきもどせ!

2009年08月08日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
時間をまきもどせ!
ナンシー エチメンディ
徳間書店

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 「時間をまきもどせ!」
タイムマシンもののSFジョブナイル小説です。

 少年が不思議な体験をしてタイムマシーンを手に入れますが、決して楽しい空想物語ではありませんでした。むしろ時間には法則性があって、修正や補正が聞かず、何か変えてもそれを修復しようとする…

 それを宇宙意思と呼ぶのかもしれませんが、決して無為に時間を過ごしてしまうのはいけないよ
 というメッセージにも取れる小説でした。

 タイムマシーンものには「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という大傑作がありますが、あの映画にも安易な未来改変は危険だというメッセージがあります。

 この小説は、特に中学生くらいの子どもに読んで欲しいですね。
センスオブワンダーを楽しむ心も育めるし、何より自分の行動に責任を持つようになると思います。






おれに関する噂

2009年07月26日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
おれに関する噂 (新潮文庫 つ 4-5)
筒井 康隆
新潮社

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 この短編集は、単行本として筒井康隆最高傑作だと思います。

 表題作は突然マスコミの報道対象になった男の話、ヒトの集団死とささやかな幸福を描く「幸福の限界」…

 どれもエッジが効いて冴えまくっています。

 さて、なぜ今日この作品集を思い出したかというと…

 夏カゼでバテまくっていて今日半日寝ていたからです
せっかくの休みなのにもったいない事をしました。なんの予定もなかったのですが、調べモノなどもできず時間を浪費した喪失感が大きいですね。

 中年になると残された活動時間が少なくなる事を実感するのであせります。

 不快な眠りから覚めて起きる時、よだれと汗で畳にへばりついた顔面を引き剥がす際にバリバリと音がしました。案の定、顔に畳の痕が…

 顔が畳になって妖怪の仲間入りをした「怪奇たたみ男」(本作収録)状態になったのです。
私ももう少しで「たたみ男」になるところでした。日常に潜む悪夢そのものの出来事でした。








終末のフール

2009年07月13日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
終末のフール (集英社文庫)
伊坂幸太郎
集英社

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 「終末のフール」、文庫本が出たのでまた読みました。

 単行本を読んでのレビューはアップ済みですが、何度読んでも奥が深い作品ですね。私はSF作品に分類しますが、SF的設定を使っているだけで、作家自体は全然SF的センスオブワンダーを意識していないように思えます。

 地球が終末を迎えることがはっきりしていて、絶望的な状況…
比喩的な意味ではなく、本当にありうる事態だと思えます。8年後あるいは3年後というのは終末までのタイムリミットとしては絶妙かもしれません。

 短編連作の形で家族や人を描き、登場人物が交錯する展開は伊坂作品の十八番ですが、非常に自然に受け止めることができました。

 自分ならどうするのか?
真っ先に死んでしまいそうな気がしますが、もし生き延びられても最初に起こった騒乱の時点から正気は保てないような気がします。

 人間は何のために生きて死ぬのか?
大上段に構える難しい本よりもそんなテーマを真剣に考えさせてくれる作品です。






地球が静止する日

2009年07月12日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
地球が静止する日 <2枚組特別編>〔初回生産限定〕 [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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 地球を守るために人類を滅ぼす…

 SFの世界では手垢のついたストーリーですが、今だからこそという問題提起でもあると思います。

 人類へのメッセンジャー・クラトゥと終末兵器(ターミネーター?)のゴート、冒頭の導入部から中盤にかけて決して悪くない展開でしたが、なぜ最後にあの結末なのか?

 全然説得力がありませんでした。感情移入できませんでした。
それが気になると、そもそもなぜいきなり人類を抹殺しなかったのかの説明が頭の中で出来ず映画の世界に入れませんでした。

 旧作へのオマージュを残したゴートの造形やカタストロフィの方法など視覚効果が完璧に近いので悔やまれます。キアヌ・リーブスもカッコよいし、「フェノミナ」以来久しぶりに見たジェニファー・コネリーもきれいでしたが…

 演出というよりも脚本の練りこみ不足でしょうね。

 ラストの締め方をしくじったために中途半端な印象の映画になってしまった典型的な作品だったと思います。






死神の精度

2009年07月07日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
死神の精度 (文春文庫)
伊坂 幸太郎
文藝春秋

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 「死神の精度」(伊坂幸太郎著)を読みました。

 金城武主演で映画化もされていますが、未見です。
この作品は、「8日間で指定された人間を、可→死または見送り→関与せず なのか決めるのが仕事」の音楽好きで風変わりな死神を軸にした6編の短編集です。

 この文庫本は良く売れていますが、期待を裏切らない面白いできでしたね。
本当に死神や死を組織立てて管理する世界があるのではないか…と思わせるくらいのファンタージー&SF作品だと思います。

 「恋愛で死神」が一番、興味深かったですね。
結末から始まる構成はこれだけでしたが、とりわけ出演の男女2名が魅力的でした。

 彼女が受ける迷惑電話もよく似た被害を受けたことがあります。
また、彼(萩原)が恵まれた容貌を持つのに反発してわざとダサいメガネを愛用していることなど、アマノジャクな私には共感できる人物設定でした。

 死神をそれと見抜く人もいますが、真剣に命乞いをしたら死神はどうするのでしょうか?
筒井康隆の「オニ」という短編も思い出しました。きっとこの小説の設定では、死神の正体を見抜く人物なら命乞いなどしない となるのでしょうが。

 しかし、この死神の設定は病死や自殺には関与しないというモノですが、戦争や事故・テロによる大量死の場合も一人一人の死神が犠牲者に憑くのかどうか?

 変なことが気になってしまいました。





リトルショップ・オブ・ホラーズ

2009年07月04日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
リトルショップ・オブ・ホラーズ 特別版 [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ

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 今日は歯医者で親知らずを抜いてもらいました。
痛みはありませんでしたが、どうせ歯磨きのブラシは届かず、となりの奥歯の虫歯化原因になっていただけなので「害あって益なし」という存在の親知らず…
 ペンチでグイグイ引っこ抜かれると思いきや本当にあっけなく、気が付けばもう抜歯は終わっていました

 かなり覚悟を決めて行ったのでちょっと拍子抜けしました。
先生の技術も優れていたのでしょうが、麻酔など最近の医療技術進歩に感謝です。30年以上一緒に生きてきた親知らずとさようならしました。抜いた歯はもらって帰ってきましたが、虫食いがある黄ばんだ歯、人が見れば汚いだけですね。

 今日の通院でこの映画を思い出しました。

「リトルショップ・オブ・ホラーズ」(1987年アメリカ映画)

 もう20年以上も前の映画ですね。学生の頃、劇場公開で観た映画の1本です。
ホラー・コメディー・ミュージカルをない交ぜにした面白い作品でした。
 B級SFの王者ロジャー・コーマンの作品(1960年)がオリジナルで、舞台化→再映画化といういきさつのようです。

 さえない花屋の店員(リック・モラリス)が吸血宇宙植物?を栽培して起こる騒動ですが、吸血植物オードリーの描写が結構リアルでした。日本なら大林宣彦監督が撮るかもしれないな~と思う作風でした。

 主人公の片思いする女性の恋人がサディストの歯科医
この歯科医をスティーヴ・マーチンが演じ、「麻酔なしで治療しろ」というマゾヒストの患者(ビル・マーレイ)の掛け合いが最高でした。

 意外と知らない人が多いこの映画、観て損はありませんよ。





サバイバル

2009年07月02日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
サバイバル (1) (リイド文庫)
さいとう たかを
リイド社

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 「サバイバル~日本壊滅」、ファミリーマート系のコンビニでお徳用?コミックを販売中です。

 さいとうたかをのオリジナル漫画ですが、「日本沈没」のコミカライズや「超人バロム1」を小学生時に読んで衝撃を受けた私も最近までこの「サバイバル」は知りませんでした。

 劇画タッチで現在の主流漫画とは違いますが、ストーリー展開にも今の漫画にはない重々しさがあり、非常に引き込まれました
 
 昨日紹介の大前研一著「知の衰退」からいかに脱出するか? にも「少年ジャンプ世代」がいかにプチな幸福で満足するのかと書いていますが、明らかにそれら世代よりも歳を食っている私は、さいとうたかをの作品には非常にしっくりきます。

 少年ジャンプの漫画がお子様ランチであったのならこの漫画はうな重くらいの重みはあるでしょう。軽い漫画が一概に×とは思いませんが、どっしりしたものが読みたくなる事も多いですから…

 「日本沈没」は映画と原作があまりに衝撃的だったので、コミックのインパクトはありませんが、この「サバイバル」はそれをしのぐものがあります。

 古い漫画の再評価という点では、このようなコンビニでのお徳用コミック販売には文化的価値もあると思います。そう思うくらいに「サバイバル」は面白かったですね。今回紹介のリイド社版は愛蔵版です。

 完結にまで至っていないので続刊が楽しみです。
そういえば「バビル2世」もコンビニ再発刊シリーズで読みましたね。





新ターミネーター2~最終戦争

2009年06月24日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
新ターミネーター2―最終戦争〈上巻〉 (竹書房文庫)
S.M. スターリング
竹書房

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 元々、「ターミネーター2」続編の原作として書かれた「新ターミネーター2」3部作の最終作です。

 現在公開中の「ターミネーター4」と同じく全編「ジャッジメント・デイ」後の人類とスカイネットの戦争を描きます。

 この本はさすが、傑作「ターミネーター2」の続編として書かれたとあって非常によくできたSFですが、特にこの最終作の終わり方はすごいですね。
 今までのお話の整合性が見事にとれていました。

 タイムパラドックスの怪というのか、そもそもターミネーターのチップは誰がいつ持ち込んだのか?誰が開発したのかもわからないままですが、それこそが時間旅行の矛盾なのだと開き直ったようにもとれます。

 しかし、最後に勝つ
 爽快感はなかなかのもの。

 本当に機械にされる日が来る可能性も無きにしも非ずですが、最後に勝つのは命あるものだと信じられる1冊でした。






新ターミネーター2~迫りくる嵐

2009年06月16日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
新ターミネーター2―迫りくる嵐〈上巻〉 (竹書房文庫)
S.M. スターリング
竹書房

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 「未来からの潜入者」に続くターミネーターのスピンオフ小説。

 「ターミネーター3」の原作として書かれた小説でかなり力が入っています。
この「迫りくる嵐」では「未来からの潜入者」での潜入者ユニットのクローンと南極で戦います。

 面白いSF的設定も多くでてくるし、クローンといえども自我を持っていれば先代の自分自身に批判的なことなどリアルな設定でした。最後のバトルが少し物足りなかったのですが、最終編に期待できます。

 映画と小説にはそれぞれの持ち味がありますが、映像のキャラが強烈であればあるほど小説にはなじみ易くなる反面、自由度が狭くなります。この作品のように翻訳モノならなおさらです。

 翻訳モノ独特の回りくどい表現はありますが、娯楽作品として一気に読み終えます。しかし、スカイネットのように機械が自我を持って人類を抹殺しようとする…笑えないくらいにリアルさを感じさせる「ターミネーターシリーズ」です。