![]() | 虚像〈下〉驕りの代償 |
高杉 良 | |
新潮社 |
先日、上巻の内容をボロクソ書きましたが、この下巻は少しマシです。
主人公が倫理的に悩むラストあたりの緊迫感は、まずまずでした。
しかし、この経営者がどんな考えを持って規制緩和ビジネスといわれる事業にあたってきたのか

なぜアメリカ万歳の市場原理主義者になったのか

まったく解明も説明もできていません。
この本に出てくる登場人物たちの「生きる目的」が見えてこないのです。
ある意味、「生きる目的は金」というのがこの人たちのすべての行動理念+原理原則であるような気がしました。そうであれば、中身が全く無く、薄っぺらい人間性と出来事しか描いていない本著は事実をありのままに描いているようにも思います。
