goo blog サービス終了のお知らせ 

こだわりの小市民レビュー~映画・小説・ニュースからダイエット・環境問題まで

レコーディングダイエットでフルマラソン完走。その他サブカルチャー、環境問題もあり。役に立つこだわり記事にご期待を!

手紙

2012年05月26日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
手紙 (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋


 遅ればせながら「手紙」を読みました。

 よくできたお話で、通勤電車の中で少し涙ぐんでしまいました
加害者の家族がどんな社会的制裁を受けているのか

 一般市民の立場で色々な事件のたびに少しは考えます。
しかしそんなもやもやした考えを、エンターテイメント小説という形で現実的に見える(見せる)ところに持ってくる力量はすごいとしかいいようがありません。

 人間誰でも結局のところテーマは、「どう幸福に生きるか」です。
刹那的な欲望をコントロールして生きている実感を味わってこその幸福でしょう。

 「さまよう刃」「白夜行」と並ぶ傑作です。
すでにもうベストセラーなのでいまさらお勧めするのも僭越ですが、いまさらながらでもお勧めしたい1冊です。

MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ



魂萌え

2012年05月01日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
魂萌え !
桐野 夏生
毎日新聞社


 昨日に引き続き桐野夏生作品の「魂萌え」

 夫を失った日常の主婦の生活と変化を描きますが、相変わらず鋭いですね
人物の設計がそれぞれ際立っていて身につまされます…

 リアリティがあるとか言う次元ではなく、「この人は何がしたくて何のために生きているのか…」と考えさせてくれる小説でした。混沌とした価値観がある中、一人一人がどう生きていくのか


 主体性も持って生きなければ充実できませんね

MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ



グロテスク

2012年04月30日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
グロテスク〈下〉 (文春文庫)
桐野 夏生
文藝春秋


 東電OL殺害事件を元にした小説、約3日間で読破しました。

 人間の深層心理と心の闇を描いた小説としてはもう究極的な作品です。

 なぜ経済的、社会地位的に満たされているはずの一流会社(今は原発事故でメチャクチャですが…)OLがなぜ売春婦をしていたのか

 週刊誌のゴシップネタに代表される好奇にさらされる対象です。
私も興味をもちましたが、真相は闇のままなのはやむを得ない事でしょう。

 小説という形でこの事件から心の闇にメスを入れた作者の作家としての力量はすごいとしか言いようがありません。
私は自傷行為に近い心理ではないかと思いますが、救いようがありません

 読者の感情移入を拒否するすさまじさが圧倒的迫力を示します。
恐ろしくてうなされるできの小説はそうあるものではありません。

 人間というのは一体何のために生きているのでしょうか…

MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ



リクエスト

2012年04月12日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
三毛猫・Wの悲劇…リメーク連ドラ花盛り(読売新聞) - goo ニュース

 主演:大泉洋+芦田愛奈で「パパと呼ばないで」をリメイクして欲しいですね。
石立鉄男の絶妙のユーモアとペーソスは、今きっとうけます。

 殺伐として何を信じてよいのかわからない…

 と、どんな時代でも言われてきたような気がしますが、今は本当に不安と不信の時代です。
笑いに包んだ優しい気持ちをアピールするのにこのドラマほど適したテーマはないと思います。

MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ



聖女の救済

2012年03月25日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
聖女の救済
東野 圭吾
文藝春秋


 東野圭吾のファンでも湯川先生のファンでもありませんが、すっきり面白く読めるミステリーでした

 娯楽作品としては十分なできでしょう。
もともと完璧な謎解きを求めるよりもシチュエーションや設定自体を楽しむ私には十分面白いものでした。

 しかし…

 作品中にも出てきますが、湯川先生=福山雅治の残像がチラチラします。
作者も想定の上でしょうが、作品自体を楽しむには功罪あい半ば、という感じでしたね

MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ



残虐記

2012年01月14日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
残虐記 (新潮文庫)
桐野 夏生
新潮社


 「東京島」に続いて桐野夏生さんの本を読みました

 新潟の少女監禁事件をモデルにしているようですが、本作では1年くらいの監禁時間で現実の事件が10年以上であった事とはかなり離れています。現実を虚構にできないくらい=この作家ですら想像できないような事件だったのかも…と思います。

 このような犯罪は考えられないような動機を持つ犯人による場合がほとんどであり、本作もそんな登場人物・シチュエーションで進んでいきます。少女の内面に迫った心理描写はさすがです。

 扱う内容が内容なので非常に後味が悪い小説ですが、色々な意味から社会的意義は大きいような気がします。

MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ



ヒア アフター

2011年12月31日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
Hereafter [DVD]
クリエーター情報なし
Pid


 2011年も今日で終わりです

 今年は東日本大震災に代表される未曾有の災害が多発した年でした。
原発事故は収束どころかこれから何十年(100年以上)のリスクを負い続けていかなければならない十字架のようなものであり、リスクを先送りしていた責任が顕在化したのが2011年だったという事です。

 個人的にも責任回避していた事には正面から向き合って正攻法で解決しようと考えています。

 今年最後に紹介したい作品は「ヒア・アフター」です。

 冒頭のシーン、今回の津波被害を見ると厳しすぎるリアルさで公開が打ち切られました。
しかし、安易にパニックシーンを見せようとしているのではない魂を感じました。
映画的な虚構を楽しむというよりも、疑似体験をさせる事により、登場人物と同じ体験をさせる目的です。

 押し付けではなく、ジンワリとしみ込んでくる感動があります。
映画という表現方法としてはもう頂点を極めているのではないでしょうか?

 イーストウッド監督、いつまでも感動作を撮って下さい

 では良いお年を
来年2012年もよろしくお願いします。

MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ



潮風のいたずら

2011年12月25日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
潮風のいたずら [DVD]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 ツタヤの名作100選にも選ばれている「潮風のいたずら」を観ました

 ゴールディ・ホーン主演のラブコメディですが前から観てみたかった作品、なぜか縁遠くてTV放送でも見逃していました。高慢なセレブ女が遭難して記憶喪失になり、遭難前にひと悶着あった大工が報復のために「妻だった」と嘘をついて一緒に暮らすお話。

 予定調和的なラストですが、ごちゃごちゃとこねくり回したストーリーよりもよほど心に残る作品でした。
意外とコメディ的なところは少なくて、邦画だと松竹映画的なテイストでした。

 40年前に石立鉄男と大原麗子のコンビで映画化したら面白そうだなと思いました。

 1987年の製作、70年代だと思っていたので比較的新しい作品です。
42歳なのに29歳の役をこなしたゴールディ・ホーンはさすがです。

 何をするのも厳しい21世紀ですが、こんな映画を観てつかの間の休息を得る年末年始も良いと思います。

MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ



植木等伝

2011年10月02日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
植木等伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」 (小学館文庫)
戸井 十月
小学館


 植木等が亡くなってもう数年経ちますが、私にとっては親の世代でもあり、あのスーパーパワーに対する憧れと親しみがあります。

 この本はインタビューを中心に構成されていますが、ありのままの植木等をえがいた良い本です

 「乱」でこの人を起用した黒澤明の話(どちらかというと批判的)やもちろんクレージーキャッツの面々の話も面白く、人柄と生い立ちをよく理解できました。植木ファンは絶対に読むべきです。

 「あの時代は良かった

 的な懐古主義ではなく、今こそあの植木等的あつかましパワー(実生活もキャラ的にも)を見習ってガンガン生きていかねばいけないと思います

 「さあいっちょバーッといくか

 




マイクロアドBTパートナーでおこづかいゲット!


名もなく貧しく美しく

2011年09月04日 | 感動モノ・・・今日の涙を明日への糧に
名もなく貧しく美しく [DVD]
クリエーター情報なし
東宝


 「名もなく貧しく美しく」(昭和36年東宝)を見ました。
映画というものの意味を示す代表的作品だと思いました。

理由その1:社会的影響力
製作された昭和36年はもう50年も前です。当時は今よりもはるかに差別が顕在化していて、当時の社会に与える訴求力は非常に大きかったと思われます。そういう意味では社会認識を変える力を持った作品だと思います。
もちろん差別が潜在化した現在の方が厄介な問題もありますが、障害を持つ人の苦しみを低減させた力をこの映画は持っているし、これからも持っています。

理由その2:観客動員力と映像技術
芸術性と映画が本来持つべき娯楽性を併せ持っています。聾唖者の映画だからといって面白半分に見た人は色々な意味で打ちのめされます。隣り合う電車越しに手話で話し合う名場面はもちろんそうですが、丁寧に描きこんできたキャラクターがあっけなく亡くなるストーリにもその人の一生はなんだったのかを深く考えさせられました。
この夫婦にはもっと幸せになって欲しかったのですが、予定調和的に持っていくのではなく、残酷に観客を裏切って考えさせる構成にしたのだと思います。
また、映像が極めて美しく、濃淡が際立つモノクロの良さを最大限に引き出しています。

 何よりも作り手の想いがダイレクトに伝わってきます。
未見の人には是非、お勧めします。とても半世紀も前の作品とは思えません。

 




マイクロアドBTパートナーでおこづかいゲット!