9月5日(土)、フジテレビ開局50周年手塚治虫生誕80年記念として「ジャングル大帝」の新作が放送されました。
今日紹介のDVDはコンプリートボックスです。私のような40代の年齢層で記憶に残っているのは1965年のカラーTVアニメ版です。
「リボンの騎士」「悟空の大冒険」「不思議なメルモ」と合わせ、夕方の再放送では食い入るように見ていました。今思うと本当に贅沢なラインナップでした。アニメの技術はいうまでもなく今の方が高等ですが、訴えかけてくるメッセージ性や叙情性、スペクタクル性すらこの時代の手塚アニメの方が訴求力が大きいと思います。
私は手塚作品のSF性が最も好きだったので、ジャングル大帝はスケールが大きなところには一目置いていたものの大好きな作品とまではいっていませんでした。
なんだか優等生的なレオも自己投影しにくかったし、いくら苦難の道を進んでもやはり「パンジャの子」で超エリートですから、憧れはあっても自己同一化はできなかったですね。
しかし、可愛いレオが成長していく姿には擬人化されたほかの動物と合わせ上質な童話になっていたと思います。
今回放送の新作、見事に環境問題とリミックスさせた良いできで未見の人は一見の価値アリです。
再放送やDVD化されればまた観てみたいと思います。
手塚治虫が原作を書いて監修してもこんな作品になりそうな感じで、最高のオマージュになっているのではないでしょうか?
富田勲の素晴らしい音楽を使って欲しかったのですが、創造主になろうとした人間と「自然とは何か?」というテーマで闘うレオたちにとってあの壮大なテーマ曲は合わなかったかもしれません。
アフリカの自然を称える作品というよりも、自然をコントロールする「神の領域」を侵犯する愚と危険を語るSF作品だと思いました。