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こだわりの小市民レビュー~映画・小説・ニュースからダイエット・環境問題まで

レコーディングダイエットでフルマラソン完走。その他サブカルチャー、環境問題もあり。役に立つこだわり記事にご期待を!

手塚治虫博物館

2010年01月28日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
手塚治虫博物館 (講談社プラスアルファ文庫)
手塚 治虫,小林 準治
講談社

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 手塚治虫が残した膨大な作品群から博物的描写をピックアップしてまとめた本書。

 私も手塚治虫のファンですが、漫画を読む時はストーリーにばかり気を取られて漫然と見過ごしていたようです。すごい博識であると同時に手塚治虫の動植物への愛情と関心の高さを感じさせてくれる本です。

 700作もの著作を残した手塚治虫ですが、SFやファンタジーにとどまらない作風の広がりはすべての事象に対する関心と興味から生まれてくるものだと思います。

 今の作家と比べても意味がないでしょうが、つくづく手塚治虫という作家の懐深さを実感する本です。普通の博物誌としても十分楽しめます。



カプリコン・1

2010年01月18日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
カプリコン・1 [DVD]

東北新社

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 昔から観たかった映画です。
ようやくDVD鑑賞しました。

 概ねのストーリーは知っていましたが、改めて面白いと思いました。
SF映画ではなく、ポリティカルな風刺作品として観たほうが良いかもしれません。

 昔から疑惑といわれていますが、アポロの月面着陸がウソだったら…

 と思わせられる力を持っている作品でした。
まあ本当に月面着陸がウソだったのならこの映画は絶対製作できなかったともいえますが

 3人の宇宙飛行士の性格描写や逃亡を描くシーンは確かに今の洗練された映像表現よりも少々野暮ったく感じましたが、むしろそんな泥臭さがリアリティを出していると思います。
 全く私は知りませんでしたが、あのOJシンプソンが主役級で出演してたのにもでした。




2012

2009年12月28日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
2012年地球は滅亡する! (竹書房文庫)
並木 伸一郎
竹書房

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 先日、公開中の映画「2012」を観てきました

 小学生の時に「日本沈没」を観て以来、この種の終末デザスターモノ?は結構良く観ています。
 
 邦画では、現在全くソフト化されていない「ノストラダムスの大予言」や自然災害ではなく核戦争の恐怖を描く「世界大戦争」、SF作品「妖星ゴラス」など。
 今やカルト作品ですが、「吸血鬼ゴケミドロ」も終末物のカテゴリーに入れてよいと思います。

「いかに映像のテクニックを駆使して臨場感を与えられるか」

 この種の映画、その点が成否を決定しますが、この「2012」、イマイチです。全く及第点はあげられませんね。
 
 ノアの箱舟伝説をそのまま映画化したような作品です。
 CG技術がいかに進歩して膨大なお金をかけても「魂がこもった脚本」を書き上げていかなければ観た人に感動を与えられない事を実証したような感じです。

 自分が災害に巻き込まれたような臨場感はそこそこ味わえますが、主人公にも感情移入できず最後は自分だけ取り残されたような気がしました。もっとストーリを詰めれば違った印象を与えていたような気がします。この期に及んでもアメリカ万歳的な内容にも違和感がありました。

 しかし本当に地殻変動によって人類が2012年12月に滅びるのなら環境問題は一挙に解決ですね
 人間の命などちっぽけなものかもしれませんが、一日一日を大事に生きていかないといけないと思います。




スメル男

2009年12月23日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
スメル男 (講談社文庫)
原田 宗典
講談社

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 この著者の本は読んだ事がなかったのですが、タイトルが面白そうなので読んでみました。

 噛めば噛むほど味が出る「スルメ」ではなく、臭いの「スメル」でした。
発刊された1989年といえば平成元年でもう20年も前の作品になります。筒井康隆が選びそうな題材で発想はすごく面白いと思います。

 悪臭で戦意を喪失させようとする研究に巻き込まれた嗅覚を失った青年の話ですが、私的には不条理感をもっと感じさせて欲しい一作でした。

 娯楽作品としては十分楽しめますが、主人公のスメル男の人物描写が余り魅力的ではないので臨場感に欠けるのです。

 しかしこの題材は、大きく脚本を書き換えて映画化すれば数少ないSFコメディの傑作になりえると思います。


バビル2世

2009年11月29日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
バビル2世 文庫版 全8巻セット
横山 光輝
秋田書店

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 神戸・新長田地区では「鉄人28号」を使った町おこしが進行中です

 この地域はいわゆるドーナツ化現象でどんどん人口が減り、阪神大震災で人口流出が激しくなりここ数年の大不況によりとどめをさされようとしています。

 横山光輝の生誕地であり、高校までこの地区で過ごしたのにあやかろうとするこの「鉄人PJ」は起死回生の想いを持って関係者は頑張っていると思います。鉄人を起爆剤にして全国の同じような悩みを持つ地方都市の成功事例を作って欲しいと思います

 横山光輝の作品で私が一番好きなのは「バビル2世」
今読んでも全く古くなっていないSF作品です。エスパーモノは今でも多いですが、シンプルなストーリー展開は十分通用します。

 今度はポセイドンの原寸大モデルを作って欲しいものです






地球移動作戦

2009年11月15日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
地球移動作戦 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
山本 弘
早川書房

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 東宝特撮映画「妖星ゴラス」

 巨大惑星(燃えているので恒星)の衝突を避けるため、地球自体を移動させるというSFでした。近年でも「アルマゲドン」「ディープインパクト」などによく取り上げられるSFテーマですが、50年近く前に日本映画で堂々と映像化されたのはすごいと思います。

 真正面からそんな主題を書き直したのがこの「地球移動作戦」
純国産SFパニックモノは久しぶりだと思います。




レポメン

2009年10月21日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
レポメン (新潮文庫)
エリック ガルシア
新潮社

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 久しぶりのSFらしい小説です。

 内臓だけではなく人工臓器が発達して、目でも耳でもすべてお金で買えるようになった空想の未来社会を背景にした小説。

 ところがこの臓器、部位によっては恐ろしく高額なので普通はローンを組んで返済します。ということは返せなくなる人が当然でてくる訳です。

 この本が怖いのはここからです。
お金を返せなくなった利用者からはその臓器を取り返せるのです

 もちろん臓器を取られた人は死んでしまいますが、それは法律的になんら問題がなく「合法的行為」なのです。タイトルのレポメンとは「取りたて屋」の意味ですが、そんな設定を元にお話はどんどん膨らんでいきます…

 小松左京の「終わりなき負債」にも似ています。
著者のガルシアは住宅ローンの問題からこのお話を思いついたのでしょうか
 住宅ローンも払えなくなると、競売にかかるのだから理屈は同じです。
住宅は取られても死なないですが、ある意味「カネが命より大事」「カネさえあればなんでもできる」をSF的手法で問題提起した作品ともいえます。





エイリアンVSプレデター

2009年10月19日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
エイリアンVS.プレデター 完全版 [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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 「エイリアンVSプレデター」、TVオンエアで観ました。

 単独キャラを戦わせるアイデアは昔からありました。
怪獣モノを愛する私としては、「キングコング対ゴジラ」くらいしか思いつきませんがアイデア自体は非常に面白いですね。

 リバイバルモノといい、ハリウッドもネタ切れを起こしているのも事実でしょうが、企画は良いと思います。

 この映画は、エイリアンは戦闘民族プレデターの試し用動物という設定は面白いですね。他のストーリーには新しいところはありませんでしたが…
 もっとひねれば映画としてグレードが高くなっていたと思います。
 まあプログラムピクチャー的な位置づけならこれで良かったのかもしれませんが。







 

宇宙戦艦ヤマト

2009年10月03日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
キムタク・古代進で初の実写版ヤマト発進!(サンケイスポーツ) - goo ニュース

 とうとう実写版「宇宙戦艦ヤマト」が動き出しました

 主演女優の交替などが話題になっていましたが、久しぶりの邦画SF超大作として純粋に期待しています

 しかし…

 この記事中の「日本映画で本格的に宇宙を描くのは史上初だ」
というのは間違いですね。

宇宙大戦争 [DVD]

東宝

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地球防衛軍 [DVD]

東宝

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 「宇宙大戦争」「地球防衛軍」
ともに50年以上前の映画ですが、しっかり「宇宙」を描いています

 宇宙戦艦ヤマトは戦艦大和を宇宙に飛ばすという松本零士のアイデアが極めて秀免です。究極的なエネルギー「波動」の設定も面白いので、ビジュアル的な特殊撮影には大いに期待できます。
 地球の存亡を賭けているのにクルーが全員日本人だったり、光速を超える1年間の旅を終えると地球では1万年経っているのでは…という論理的解釈をどう行うのかにも関心はあります。

 山崎努の沖田艦長は渋そうですね…
デスラー総統は伊武雅刀が演ずるのでしょうか





ジャングル大帝レオ

2009年09月07日 | SFモノ・・・センスオブワンダーを楽しむ
ジャングル大帝 Complete BOX [DVD]

コロムビアミュージックエンタテインメント

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 9月5日(土)、フジテレビ開局50周年手塚治虫生誕80年記念として「ジャングル大帝」の新作が放送されました。

 今日紹介のDVDはコンプリートボックスです。私のような40代の年齢層で記憶に残っているのは1965年のカラーTVアニメ版です。

 「リボンの騎士」「悟空の大冒険」「不思議なメルモ」と合わせ、夕方の再放送では食い入るように見ていました。今思うと本当に贅沢なラインナップでした。アニメの技術はいうまでもなく今の方が高等ですが、訴えかけてくるメッセージ性や叙情性、スペクタクル性すらこの時代の手塚アニメの方が訴求力が大きいと思います。

 私は手塚作品のSF性が最も好きだったので、ジャングル大帝はスケールが大きなところには一目置いていたものの大好きな作品とまではいっていませんでした。
 なんだか優等生的なレオも自己投影しにくかったし、いくら苦難の道を進んでもやはり「パンジャの子」で超エリートですから、憧れはあっても自己同一化はできなかったですね。

 しかし、可愛いレオが成長していく姿には擬人化されたほかの動物と合わせ上質な童話になっていたと思います。

 今回放送の新作、見事に環境問題とリミックスさせた良いできで未見の人は一見の価値アリです。
再放送やDVD化されればまた観てみたいと思います。
 手塚治虫が原作を書いて監修してもこんな作品になりそうな感じで、最高のオマージュになっているのではないでしょうか?

 富田勲の素晴らしい音楽を使って欲しかったのですが、創造主になろうとした人間と「自然とは何か?」というテーマで闘うレオたちにとってあの壮大なテーマ曲は合わなかったかもしれません。

 アフリカの自然を称える作品というよりも、自然をコントロールする「神の領域」を侵犯する愚と危険を語るSF作品だと思いました。