夢千夜 1000dreams

漱石「夢十夜」へ挑戦する

970夜

2010-06-27 07:43:08 | Weblog
駅の構内から一枚ビニールシートをめくると、そこに東洋最大の電波塔を建設中である。直径三メートルくらいの鉄板のサークルを三メートルおきくらいに積み重ねていっている。サークルとサークルをつなぐのは細い鉄線だ。それを数百メートルの高さまで伸ばしていくという。サークルとサークルの間の空間はいま売り出し中である。誰でも買える。そんなに高くもない。私も百メートルほどの所にある一区画を購入した。駅の構内で簡単に買える。塔が完成したら、周りを安い建材で囲って住むつもりである。そこまで上るのは外側についたはしごだから、行き帰りもスリリングだ。

969夜

2010-06-22 09:42:21 | Weblog
金沢文庫の駅の階段を裸にバスタオルを腰に巻いただけの格好で降りていくと、後から「太ったね、監督」と声をかけられる。そういえば私はチャン・カーワイという映画監督で、香港で無国籍な映画を作って、それなりに評価され、アジアでは北野武と並ぶ存在であることを想い出す。数年前には世界的に評価される作品を二三本つくり、体も締まっていたが、ここのところ不作続きで体もだぶついていいる。このままではじり貧なので、ここで本名でも発表して映画を作ろうかと声をかけた男に言ってみるが、男は「それはやめておけ」と言う。

968夜

2010-06-15 13:20:17 | Weblog
妻といっしょに眠っていると、自分の体が足の方から宙に浮いていく。妻は私の体を折り曲げて手のひらで丸め、窓の外に投げる。ボールとなった私の体は、隣のビルの壁に当たってバウンドし、反動で私のビルの壁に当たってまたバウンドする。数えられないほどバウンドしたあげく、道の上をころころ転がる。妻は私を見て大笑いする。

967夜

2010-06-14 10:29:28 | Weblog
長さ三十センチくらいの大きなサソリである。串刺しにして焼いたものを、道ばたで売っている。私も一本買って食べてみる。適度な値段である。しっぽの先端、脚の先端まで、かりかりに焼けている。また、砂糖でコーティングされていて、香ばしくてうまい。

966夜

2010-06-11 10:51:17 | Weblog
身長二メートルくらいの学生服を着た男の肩の上に乗っている。肩車のような形だが、私の膝はぴんと伸びている。地面に足をついて立っているように私は自然に立っている。下の男は私の思った通りに動く。普通の町の中の道だが、所々に敵が出てきて道を阻む。が、男は簡単に敵を排除する。私は非常に気分がいい。

965夜

2010-06-09 08:53:05 | Weblog
寝ていると枕の横でドタドタ音がする。薄目を開けて見ると、二匹の生き物が取っ組み合いをしている。牛くらいの大きさがある。一匹は恐竜のようだ。ティラノザウルスの小型版といったところだ。もう一匹はトラとライオンの中間のような姿をしている。緊迫した戦いというより仲良くじゃれ合っているような感じもする。

964夜

2010-06-05 09:21:56 | Weblog
レストラン。テレビでよく見る漫才師がウエイターをしている。部屋のあちこちに中国製の大きな壺がある。ときどきその壺の中からゴキブリのような虫が出てくる。たぶんゴキブリだろうが、長さは五十センチくらいあり、飛ぶと大きな鳥のようだ。漫才師は笑って見ている。しばらくすると、ゴキブリのようなものは自分で壺に帰って行く。客も料理を食べながら笑って見ている。