本メルマガで解説しております「クロス分析チャート」が書籍として
日刊工業新聞社より出版されています。
今回は「クロス分析チャート」活用のポイントの抜粋版をご紹介します。
第3章 経営の舵取りを誤らないポイント より
7. 経営データをグラフ化して、ビジュアル的に意思決定する。
単なる数値の羅列では経営データの意味するところが見えず、人によって解釈
方法も多様であるため、認識を共有することに繋がらない。数値だけではなく、
ビジュアル的に内容を理解することができるようにグラフ化することが必要で
ある。
また、意思決定を行うためには経営データに基づく効果的な資料を活用した
プレゼンテーションが大切である。プレゼンテーションにおいては単に戦略の
内容を説明するだけでなく、その戦略の必要性や戦略立案の基本方針について
も十分な説明を加えることによって、目的意識の共有化を図る。このことは
単に周知徹底の精度を上げるためだけではなく、1人1人が問題意識を持って
自発的な行動を取ることを促すためでもある。
(1)戦略の必要性
現状の問題箇所に関するデータをビジュアルに表現することで、事の重大さを
視覚的に訴え、危機感を持たせると同時に問題の原因がどこにあるかを提示する。
このことで各人が自ら戦略を考え、自ら動くようになる。
(2)相対評価によりプライオリティーをつける。
危機感を高め問題意識を与えても、やみくもに行動してはメインテナンスサイクル
に陥る可能性が高い。改善対象について相対評価を行うことで重点的に改善策を
用いる対象がどこであるかを、各人に理解させる。これによって改善策が理論化・
体系化された戦略となり、実現可能なものとなる。
(3)時系列推移から状況を見極め、常に戦略の鮮度を保つ。
時間の経過と共に変化する経営の態様を的確に捉え、時機を逸することなく、
出来るだけ速く手を打つことで戦略の鮮度を保っていかねばならない。
そのためには、分析対象が製品の場合、ライフサイクルを把握し、データの
動きから将来像を明らかにする手法を取ることである。このライフサイクル
および時系列での分析についてもビジュアル的に表現することで、意思決定
および従業員への周知徹底をより確実にできるようになる。
第4章 経営データをビジュアル化するポイント より
3.クロス分析チャートの基本的な考え方
当社では、ポートフォリオ分析によるマトリックス発想の特徴を生かした、
実践的な戦略立案ツールとして「クロス分析チャート」を開発した。
次に「クロス分析チャート」の5つの機能について解説する。
(1)(2×2)4象限マトリックスの4つのセルで検討する。
横・縦軸で高・中・低などの既定値の基準でマトリックス枠のセルを作ら
ない。横・縦軸を中心点(平均値)で交差させ、座標を中心点で4分類
した結果として4象限マトリックス図表を作成する。横・縦軸のX・Y軸の
目盛りは座標上のデータに応じて自由に設定する。(フリースケール)
(2)横・縦軸のX・Yの両軸は分析目的に応じて設定する。
X・Y軸は定量化可能な考え方・指標を採用して戦略策定の具体化を促進
する尺度とする。
(3)座標上の左上を第1象限として、時計回りに右上・右下・左下を第2・
第3・第4象限と呼ぶ。
X軸の目盛りの数値は右に移動するほど大きく、Y軸は上に移動するほど
大きくなる数学的なグラフ座標であり、分析の内容次第によっては、ベスト
ポジションの象限の位置は固定しない。
(売上高粗利益率-在庫回転率の場合)
粗利益率が高く、在庫回転率が高い、第2象限がベストポジションである。
(4)時系列分析とは
時系列の思考は経営感覚の重要な要素である。
時間の経過と共に変わる計数値の変化をイメ-ジに焼き付けることは戦略
策定の上で最も重要な技術である。
(5)拡大分析(拡大機能による詳細分析)
2つのX・Y軸を交差させることにより4つの象限が生まれる。つまり、
X・Y軸の軸の意味を設定することにより4つのカテゴリーが出来る。
この4つの中の1つのカテゴリーに、更にX・Y軸を設定して、更に4つ
のカテゴリーを作っていく。万華鏡を覗く様に無限大に拡大できる。
全取扱い製品の中から儲かる商品、機能・特徴の顕著な条件を見つける
ことが可能になる。
以上
日刊工業新聞社より出版されています。
今回は「クロス分析チャート」活用のポイントの抜粋版をご紹介します。
第3章 経営の舵取りを誤らないポイント より
7. 経営データをグラフ化して、ビジュアル的に意思決定する。
単なる数値の羅列では経営データの意味するところが見えず、人によって解釈
方法も多様であるため、認識を共有することに繋がらない。数値だけではなく、
ビジュアル的に内容を理解することができるようにグラフ化することが必要で
ある。
また、意思決定を行うためには経営データに基づく効果的な資料を活用した
プレゼンテーションが大切である。プレゼンテーションにおいては単に戦略の
内容を説明するだけでなく、その戦略の必要性や戦略立案の基本方針について
も十分な説明を加えることによって、目的意識の共有化を図る。このことは
単に周知徹底の精度を上げるためだけではなく、1人1人が問題意識を持って
自発的な行動を取ることを促すためでもある。
(1)戦略の必要性
現状の問題箇所に関するデータをビジュアルに表現することで、事の重大さを
視覚的に訴え、危機感を持たせると同時に問題の原因がどこにあるかを提示する。
このことで各人が自ら戦略を考え、自ら動くようになる。
(2)相対評価によりプライオリティーをつける。
危機感を高め問題意識を与えても、やみくもに行動してはメインテナンスサイクル
に陥る可能性が高い。改善対象について相対評価を行うことで重点的に改善策を
用いる対象がどこであるかを、各人に理解させる。これによって改善策が理論化・
体系化された戦略となり、実現可能なものとなる。
(3)時系列推移から状況を見極め、常に戦略の鮮度を保つ。
時間の経過と共に変化する経営の態様を的確に捉え、時機を逸することなく、
出来るだけ速く手を打つことで戦略の鮮度を保っていかねばならない。
そのためには、分析対象が製品の場合、ライフサイクルを把握し、データの
動きから将来像を明らかにする手法を取ることである。このライフサイクル
および時系列での分析についてもビジュアル的に表現することで、意思決定
および従業員への周知徹底をより確実にできるようになる。
第4章 経営データをビジュアル化するポイント より
3.クロス分析チャートの基本的な考え方
当社では、ポートフォリオ分析によるマトリックス発想の特徴を生かした、
実践的な戦略立案ツールとして「クロス分析チャート」を開発した。
次に「クロス分析チャート」の5つの機能について解説する。
(1)(2×2)4象限マトリックスの4つのセルで検討する。
横・縦軸で高・中・低などの既定値の基準でマトリックス枠のセルを作ら
ない。横・縦軸を中心点(平均値)で交差させ、座標を中心点で4分類
した結果として4象限マトリックス図表を作成する。横・縦軸のX・Y軸の
目盛りは座標上のデータに応じて自由に設定する。(フリースケール)
(2)横・縦軸のX・Yの両軸は分析目的に応じて設定する。
X・Y軸は定量化可能な考え方・指標を採用して戦略策定の具体化を促進
する尺度とする。
(3)座標上の左上を第1象限として、時計回りに右上・右下・左下を第2・
第3・第4象限と呼ぶ。
X軸の目盛りの数値は右に移動するほど大きく、Y軸は上に移動するほど
大きくなる数学的なグラフ座標であり、分析の内容次第によっては、ベスト
ポジションの象限の位置は固定しない。
(売上高粗利益率-在庫回転率の場合)
粗利益率が高く、在庫回転率が高い、第2象限がベストポジションである。
(4)時系列分析とは
時系列の思考は経営感覚の重要な要素である。
時間の経過と共に変わる計数値の変化をイメ-ジに焼き付けることは戦略
策定の上で最も重要な技術である。
(5)拡大分析(拡大機能による詳細分析)
2つのX・Y軸を交差させることにより4つの象限が生まれる。つまり、
X・Y軸の軸の意味を設定することにより4つのカテゴリーが出来る。
この4つの中の1つのカテゴリーに、更にX・Y軸を設定して、更に4つ
のカテゴリーを作っていく。万華鏡を覗く様に無限大に拡大できる。
全取扱い製品の中から儲かる商品、機能・特徴の顕著な条件を見つける
ことが可能になる。
以上