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プーチン大統領、ウクライナ侵攻の真意を語る?

2022年05月21日 | ウクライナ問題
ウクライナへのロシアによる侵攻、現状では、どうなっているのでしょうか。

今回は、そのロシアの大統領、プーチン氏が、ウクライナへの侵攻に先立ってロシア国民に対して行ったとされる演説の全文がありましたので、それを掲載させて頂きます。

私個人の考えとしては、非常に納得のいく内容で、恐らく、多くのロシアの人々も、そう思ったのではないでしょうか。ハザール人とその手先は納得しないかも知れません。

これは以下のサイトから転載させて頂くものですが、分かり易くするため(と当人は思っております)に、かなり編集しております。翻訳された方には、掲載も含めて、特には了承等は頂いておりません。

米印のないカッコ内の文言等は、こちらで加えたものです。一部、省略もしております。
翻訳された原文を、ご覧になりたい方は、以下のサイトへ、アドレスのコピペで移動をお願いします。そちらの翻訳者様のサイトには、他にも有益な関連情報が満載です。

http://eritokyo.jp/independent/Ukraine-war-situation-aow155.html

また、ロシア政府のサイトには、ロシア語の原文もあるようです。
そちらのアドレスは以下です。

http://kremlin.ru/events/president/news/67843


(ここから)

ロシア国民の皆様へ 、親愛なる皆様へ
     ウラジーミル・プーチン

       ロシア連邦大統領演説(全文) 2022年2月24日 モスクワ・クレムリン

           ロシア語の日本語への翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授)
            独立系メディア E-wave Tokyo 2022年3月11日
   
                     編集:goodwonderlannd(当ブログ)


本文

今日、私は、再び、ドンバスでの悲劇的な出来事と、ロシア(自体)の安全の確保という重要な問題に立ち返る必要があると考えます。

まず、今年2月21日の講演で申し上げたことからお話しします。
 
私が言っているのは、私たちが、特に懸念し、心配していること、つまり、欧米の無責任な政治家たちが、毎年毎年、わが国に対して残忍かつ無遠慮に作り出している根本的な脅威のことです。
 
それは、NATO圏の東への拡大、その軍事インフラが、ロシアの国境に接近していることを指しています。

私たちが、30年もの間、NATOの主要国との間で、欧州における対等かつ不可分の安全保障の原則について、粘り強く根気よく合意に達しようとして来たことは、よく知られているところです。

私たちの提案に対して、私たちは(NATO側諸国の)常に冷笑的な、ごまかしや嘘、あるいは圧力や恐喝の試みに遭遇し、その一方で、北大西洋同盟は、私たちのあらゆる抗議や懸念にもかかわらず、着実に拡大しているのです。
 
繰り返しますが、戦争マシンは動き出し、我々の国境に近づいています。

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?

なぜ、(NATO側諸国は)自分たちの排他性、無謬性、寛容性の立場から(のみ)語るという傲慢な態度なのでしょうか。
 
私たち(ロシア側)の利益や、絶対的に正当な要求に対して、このような無配慮で無関心な態度は、どこから来るのでしょうか。

その答えは、明確であり、理解しやすく明白です。
 
ソ連は、1980年代末に弱体化し、その後、崩壊しました。(ソ連を構成していた国々の国民が)一時的に自信を喪失したところで、世界のパワーバランスは崩れました。

このため、(ソ連時代に西側との間で締結された)過去の条約や協定が、実際には効力を持たないという事態が発生しています。
 
(旧ソ連の一国であるロシアから西側諸国に)説得やお願いをしても、どうにもならない。(西側の)覇権(※ヘゲモニー)、(西側の)権力者に都合の悪いことは、全て、古臭い、時代遅れ、不要とされます。
 
 また、その逆も然りで、彼ら(西側諸国)にとって有利と思われるものは、全て、究極の真実として提示され、どんな犠牲を払ってでも、無礼講で押し通すのです。反対派は膝を折られています(立ち上がることが出来ない)。

 私が、今、話していることは、ロシアだけでなく、私たち(旧ソ連側諸国全体)にも関係することです。それは、国際関係のシステム全体、時には、アメリカの同盟国そのものに関わることでもあります。
 
 ソ連の崩壊後、世界の再配分が実際に始まり、確立された国際法の規範―そして重要で基本的なものは第二次世界大戦の終わりに採択され、その成果をほぼ固めた―は、(今度はロシアとの)冷戦(状態が再び始まったこと)によって、(第二次世界大戦で)勝利を宣言した(国々の)人々の妨げになり始めたのです。

 もちろん、現実の生活、国際関係、それを規制するルールにおいても、世界情勢の変化、パワーバランスそのものを考慮しなければならなかったのです。

これは、忍耐強く、全ての国の利益を考慮し、尊重し、その責任を理解した上で、プロフェッショナルに、スムーズに行われるべきものでした。
 
しかし、(国際的なルールを決める時に、実際に行われて来たことは)そうではなかったのです。
 
(それは西側諸国の)絶対的な優位性による(自己)陶酔状態、一種の近代的な絶対主義であり、しかも、(その代表者たちの)一般教養の低さと、自分たちにだけ利益がある決定を準備し(それを集団で)採用し押し通した(西側諸国の)人々の傲慢さを背景としています。

そして、事態は、別のシナリオにそって展開し始めたのです。

私たちは、その例を探すために遠くへ行く必要はありません。

まず、国連安全保障理事会の承認なしに、(西側諸国は)ヨーロッパの中心で、航空機とミサイルを使って、ベオグラード(※注:ユーゴスラビア)に対する流血の軍事作戦を行いました。数週間にわたり、民間の都市や生命維持に必要なインフラを継続的に爆撃しました。

(ここで、敢えて、この件について例として挙げておきます。)なぜなら、西側諸国の一部は、このような出来事を思い出したがらず、私たちが、この出来事について話すと、国際法ではなく、自分たちの都合の良いように解釈した状況を指摘したがるからです。

 その後、(そうした、同様の攻撃は、)イラク、リビア、シリアの順番に(実行されることに)なりました。
 
 (カダフィー政権下の)リビアに対する非合法な軍事力の行使と、リビア問題に関する、全ての国連安全保障理事会の決定の曲解は、同国を完全に破壊し、(表立って挙げられた意図とは逆に)国際テロの巨大な温床を生み出し、同国を、人災と、今も続く長い内戦の奈落に突き落としたのです。

 これは、リビアだけでなく、この(中東)地域全体で、何十万、何百万という人々が運命を絶たれた悲劇は、北アフリカや中東から、ヨーロッパへの大量移住を引き起こしたのです。

 シリアも(一時期)同じような運命を辿っていました。欧米連合が、シリア政府の同意も国連安保理の承認もなく、同国の領土で軍事行動を起こしたことは、侵略、介入にほかなりません。

 しかし、もちろん(のこと、何の)法的根拠もないイラク侵攻は、この一連の事件の中でも特別な位置を占めています。(というのは、)その口実は、米国がイラクに大量破壊兵器が存在するという信頼できる情報を持っている、とされた(ことだったからな)のです。

それを、公に証明するために、全世界の前で、アメリカの国務長官は、白い粉の入ったチューブを振って、それがイラクで開発される化学兵器である、と、皆に断言したのです。
 
そして、それが、デマ、ハッタリであることが(その後、かなり経ってから)判明しました。イラクに化学兵器はなかったのです。
 
信じられない、凄いことです。でも、(米国務長官の言ったことは)事実ではありませんでした。

国家の最高レベルでも、国連の高い壇上でも嘘があったのです。その結果、莫大な犠牲者と破壊、そして、信じられないほどのテロの急増を招いたのです。

一般に、世界の多くの地域で、西洋が、その秩序を確立しようとする場所では、事実上、どこでも、国際テロと過激主義の、血まみれの癒えない傷が結果として残っているようです。
 
私が述べたことは、国際法を無視した最もひどい例ですが、そればかりではありません。

 NATO(※注:北大西洋条約国機構)を、1インチも東に拡大しない、という我が国との約束も、その中に入っています。

繰り返しになりますが、ロシアは騙され、俗に言う「捨てられた」のです。

そう、政治は汚いものだとよく言われます。恐らくですが、あそこまで汚くはないでしょう。

結局のところ、このような不正行為は、国際関係の原則に反するだけでなく、何よりも、一般に受け入れられている道徳や倫理の規範に反するものなのです。

(国連やNATOなどの国際機関の)正義と真実は、どこにあるのか?(それは、現実には、上述したように)嘘と偽善以外の何物でもないのです。

因みに、アメリカの政治家、政治アナリスト、ジャーナリスト自身が、近年、アメリカ国内で、本当の「嘘の帝国」が出来上がっていると書き、発言しています。これには同意しないわけにはいきません。しかし、謙遜する必要はありません。

米国は、依然として偉大な国であり、システムを形成する大国です。
 
その衛星国(※とりまきの国々)は、おとなしく従順にそれに同意し、あらゆる場面で一緒に歌うだけでなく、その行動を真似し、その提案するルールを熱狂的に受け入れています。

だから、アメリカによって自国の姿に似せて形成された、いわゆる西側ブロック全体が、同じ「嘘の帝国」(の一部)であると、十分な根拠をもって、自信を持って言うことが出来るのです。

我が国については、ソ連崩壊後、新しい近代ロシアが、かつてないほど開放的で、米国や他の西側諸国とのパートナーとして、実際に、一方的な軍縮を条件に誠実に協力する用意があるのに、彼らは、直ちに我が国を潰し、終わらせて、永久に滅ぼそうとしたのです。

90年代から2000年代初頭にかけて、いわゆる集団的西側諸国が、ロシア南部(具体的にはウクライナ)の、分離主義や傭兵団を積極的に支援したのは、まさにこの為でした。
 
(※注:中央アジアの)コーカサスの国際テロを断ち切るまでに、どれだけの犠牲を払ったか、どれだけの試練を乗り越えなければならなかったか。私たちは、それを覚えていますし、決して忘れることはありません。

実際、つい最近まで、我々を、彼らの利益のために利用し、我々の伝統的な価値観を破壊し、彼らの似非の価値観を我々に押し付け、我々(ロシアの)国民を内側から腐らせようとする試み、(それは、)彼らが、既に、彼ら(自身)の国で積極的に(自国の人々に対して)実行しています。
 
人間の本質そのものに反する、(人間性の)劣化と退化に直接つながる、それらの態度は(それ以後も)止まらなかったのです。

そんな(ことが実現する)ことはありえないし、誰にとっても(そうした試みが)うまくいったことはありません。また、今(の時代に)は(それは)成功しないでしょう。

何はともあれ、我々は、2021年12月、欧州における安全保障の原則とNATOの非拡張について、米国および、その同盟国と合意に達するべく、再び挑戦したのです。(ですが所詮)全ては無駄なこと(でした)。(結局のところ)米国の立場は(何も)変わっていません。
 
彼らは、我々にとって重要な、この問題について、ロシアと合意に達する必要があるとは考えておらず、自分たちの目標を追求し、我々の利益を無視しているのです。

 そして、もちろん、この状況は、(我々に)次に何をすべきか、何を期待すべきか、という問いを投げかけます。
 
 40年から41年の初めにかけて、ソ連は、戦争の勃発を防ぐため、あるいは少なくとも遅らせるために、あらゆる手を尽くしたことは、歴史上、よく知られています。

そのために(必要な事として)は、文字通り、ギリギリまで、潜在的な攻撃者を刺激しないようにし、避けられない攻撃を撃退するための準備として、最も必要で明白な手順(つまり本来ならば必要である応戦に必要な軍備)を実行しない、あるいは先延ばしにすることも含まれます。
 
そして、最終的に(は)、講じられた、これらの措置は、(実際に起こされた軍事的な侵略行動に対応するには)悲惨なまでに遅過ぎ(る結果となり)ました。

その結果、1941年6月22日、宣戦布告なしにわが国を攻撃したナチス・ドイツの侵攻に、十分に対応することが出来なかったのです。
 
(結果的には)敵の動きを止め、そして潰したのですが、その代償は、とてつもなく大きいものでした(※注:兵士と国民を合わせ2200万人の犠牲者とされている。)。

大祖国戦争(※注:独ソ戦)の前夜、侵略者を喜ばせようとしたことは、我が国民に大きな犠牲を強いる過ちでした。

最初の数ヶ月の戦闘で、我々は、戦略的に重要な広大な領土と数百万人の人々を失いました。


(しかし、そんなことは)二度目はありません。(我々ロシアは、もう)そんな間違いはしません。(あちら側に、そんな事をする)権利はありません。


世界支配を目指す人々(いわゆるグローバリスト)は、公然と、平然と、強調したいのは、何の正当性もなく、我々ロシアを、敵だと宣言しています。
 
彼らは、今日、確かに、偉大な金融、科学、技術、軍事能力を持っています。

私たちは、このことを認識し、経済分野において、私たちのアドレスに絶えず鳴り響く脅威と、この不謹慎で永久的な恐喝に抵抗する(自分たちの)能力を、客観的に評価しています。

繰り返しになりますが、私たちは、幻想を抱くことなく、非常に現実的に評価しています。

 軍事面では、ソ連が崩壊し、その潜在力の多くを失った現代ロシアは、今日、世界で最も強力な核保有国の一つであり、さらに、多くの最新兵器において、一定の優位性を持っています。従って、我が国への直接攻撃は、潜在的な侵略者にとって、敗北と悲惨な結果をもたらすことに、(客観的に見ても)疑いの余地はないはずです。

 しかし、防衛技術も含め、技術は急速に変化しています。この分野でのリーダーシップは(絶えず)変化し、今後も、年によって変わるでしょう。しかし、国境に隣接する地域(ウクライナ)の軍事開発は、もし、我々がそれを許せば、今後、何十年も、おそらく(それ以後も)永遠に残り、ロシアにとって、増大し続ける、全く受け入れ難い脅威となります。

 既に、今、NATOの東方拡大により、我が国を取り巻く状況は、年々悪化し、危険になって来ています。さらに、ここ数日、NATO指導部は、ロシア国境に向けた、同盟のインフラ(つまり軍備)の前進を加速させ強制する必要性を、明確に語っています。
 
つまり、(攻撃の)姿勢を引き締めているのです。
 
もう、何が起こっているのか見ているだけではダメなのです。それ(見ているだけなこと)は、私たち(自身)にとって、全く無責任なことです。

北大西洋同盟のインフラを、さらに拡大し、ウクライナの領土を軍事的に発展させることは、私たちにとって受け入れ難いことです。
 
もちろん、問題は、NATOという組織そのものではなく、(NATOは)アメリカの外交政策の道具に過ぎません。問題は、我が国に隣接する領土(ウクライナ)で、つまり我が国の歴史的領土で「反ロシア」が生み出されていることです。この領土は、完全に、外部(西側軍事機構)の管理下に置かれ、NATO諸国の軍隊が集中的に入植し、最新の武器が(輸送手段に)満載され(運び込まれ)ています。

米国とその同盟国にとって、これは、いわゆるロシア封じ込め政策であり、(それによって)地政学的な配当(が得られること)は明らかです。しかし、我が国にとっては、最終的には、生死を分ける問題であり、国家としての歴史的な未来に関わる問題です。しかも、それは、大げさな話ではなく(そのまま現実問題として)そういうことなのです。

これは、私たちの利益だけでなく、国家の存在、主権に対する、真の脅威です。これが、繰り返し語られて来たレッドラインであり、それを越えてしまったのです。

この点に関して ―そしてドンバスの状況について。
 
2014年に、ウクライナでクーデターを起こし、実質的には装飾的な(見せかけだけの)選挙手続きによって権力を掌握し、保持した勢力が、(ウクライナーロシア間の)紛争の平和的解決を、決定的に拒否していることが分かります。

8年間、限りなく長い8年間、私たちは、平和的、政治的手段で事態が解決されるよう、あらゆる手を尽くして来たのです。

全ては無駄なことになりました。

前回の講演で申し上げたように、現地で起きていること(地域ロシア人に対するウクライナの攻撃)を、同情せずに見ているわけにはいきません。ただただ、耐え難いものでした。
 
ロシアにのみ、あるいは、あなたと私にのみ希望を託している、そこに住む何百万人もの人々(その地域在住のロシア系の人々)に対する、この悪夢を、直ちに止める必要があったのです。

ドンバス人民共和国を承認するという我々の決断の、主な動機となったのは、こうした人々の、願望、感情、痛みでした。

ということを、さらに強調することが重要だと思います。
 
NATOの主要国は、自分たちの目的を達成するために、ウクライナの極端な民族主義者やネオナチを支援しています。彼らは、クリミアとセヴァストポリの人々が、ロシアとの統一を自由に(自分たちの意志で)選択したことを、決して許さないでしょう。

彼らは、もちろん、ドンバスに行ったように、あるいは、大祖国戦争で、ヒトラーの協力者である、ウクライナの民族主義者の、懲罰的なギャングが無防備な人々を殺したように、殺すための戦争をしにクリミアに行くでしょう。また、(彼らは)他のロシア領の領有権も公然と主張しています。

一連の出来事と、入って来る情報の分析から、ロシアと、これらの勢力の衝突は不可避であることが分かります。時間の問題です。
 
彼らは、準備を整え、好機を待っているのです。そして、今、彼らは、核兵器の保有も主張しています。このようなことは絶対にさせません。

先ほども申し上げたように、ロシアは、ソ連邦崩壊後の、新しい地政学的現実を受け入れています。
 
私たちは、ソビエト連邦崩壊後の空間に新たに形成された、全ての国々を尊重し、今後も尊重し続けます。私たちは彼らの主権を尊重し、今後も尊重し続けます。

この例として、悲劇的な出来事や、国家としての完全性に対する挑戦に直面しているカザフスタンに、私たちが与えた援助が挙げられます。

しかし、現在のウクライナの領土から、常に脅威を受けている状態では、ロシアは、安心できず、発展できず、存在できないのです。

2000年から2005年にかけて、私たちは、コーカサスのテロリストに対して軍事的に反撃し、国家の完全性を守り、ロシアを無傷で保ったことを思い出して下さい。

2014年には、クリミアとセヴァストポリの人々を支援しました。

2015年、私たちは、軍隊を使って、シリアからロシアへの、テロリストの侵入に、確実な障壁を張りました。それ以外に身を守る術はなかったのです。

今、同じことが(ウクライナとの間で)起こっています。

あなたと私(に)は、ロシアを、私たちの国民を守るために、今日、使わざるを得ない機会しか残されていない、だけなのです。

状況によっては、断固とした態度で、即座に行動することが求められます。

ドンバス人民共和国はロシアに助けを求めています。

これに関連して、国際連合憲章第51条第7項に基づき、ロシア連邦評議会の授権を得て、本年2月22日に、(ロシア)連邦議会が批准した、ドネツク人民共和国およびルハンスク人民共和国との、友好および相互援助に関する条約に基づき、特別軍事作戦を実施することを決定しました。

その目的は、8年間、キエフ政権による虐待や大量虐殺に曝されて来た人々を守ることです。そして、その為に、ウクライナの非軍事化と非ナチス化、そして、ロシア連邦の市民を含む民間人に対する、数々の血生臭い犯罪を犯した者たちに裁きを受けさせるよう努力することです。

同時に、我々の計画には、ウクライナの領土を占領することは含まれていません。私たちは、武力で何かを押し付けるつもりはありません。
 
同時に、最近、西側諸国では、第二次世界大戦の結果を明記した、ソ連の全体主義政権が署名した文書を、もはや実行すべきではない、という発言が増えていると聞きます。

さて、それに対する答えは?

第二次世界大戦の結果は、神聖なものであり、ナチズムに対する勝利の祭壇の上で、我が国民が払った犠牲も、また神聖なものです。

しかし、それは、戦後数十年の現実に基づいた、(実質的にソ連時代と同じ人民が構成する主権国ロシアが国是とする)人権と自由という高い価値観と矛盾するものではありません。

また、国連憲章第1条に規定されている国家の自決権を、覆すものでもないのです。

ソ連が誕生した時も、第二次世界大戦後も、現在のウクライナを構成する領土に住む人々に、自分たちの生活を、どのように整えたいか、と尋ねた人は、いなかったことを思い出して下さい。
 
私たちのポリシーは、自由、つまり、誰もが、自分自身と子供たちの未来を決めることが出来る、選択の自由に基づいています。

そして、現在のウクライナの領土に住む全ての人々(の保持する)、この権利、つまり、選ぶ権利(は、それ)を行使したいと思う全ての人々にとって重要である、と信じているのです。

この点で、私は、ウクライナの市民にも訴えます。

2014年、ロシアは、クリミアとセヴァストポリの住民を、あなた自身が「ナチス」と呼ぶ人たちから守る義務があったのです。

クリミアとセヴァストポリの人々は、歴史的な祖国であるロシアと一緒になることを選択し、私たちはこれを支持したのです。ここでもまた、そうでなければ出来ないことがあったのです。

今日の出来事は、ウクライナとウクライナ国民の利益を侵害するものではありません。

ウクライナを人質に取り、我が国とその国民に対して利用しようとする者たちから、ロシアそのものを守るためです。

 繰り返しになりますが、私たちの行動は、私たちに突きつけられた脅威に対する自衛であり、今日起こっていることよりも、(近い将来に起こる、)さらに大きな災難に対するものなのです。

 困難ではありますが、この悲劇的なページを、一刻も早くめくり、共に前進し、我々の問題、我々の関係には、誰にも干渉させず、独自に構築し、それが、全ての問題を克服するための必要条件を生み出し、国家の国境はあっても、一つの統一体として、内部から我々を強化できるよう、私は、皆さんに協力を呼びかけます。私はこれを信じています。これが、私たちの未来なのです。

また、ウクライナ軍の軍人たちにも挨拶しなければなりません。

同志よ!あなた方の、父親、祖父、曾祖父は、今日のネオナチが、ウクライナで権力を握るために、(我々ロシアとの)共通の祖国を守るために、ナチスと戦ったのではないのです。あなた方は、ウクライナ国民に忠誠を誓ったのであって、ウクライナから金を奪い、まさに、この国民をいじめている反人民的な政権に、忠誠を誓っているのではないのです。

その(ネオナチらの)犯罪的な命令を、実行してはなりません。すぐに武器を置いて、家に帰ることを強く勧めます。

はっきりさせておきたいのは、この要求に応じるウクライナ軍の、全ての隊員は、邪魔されることなく戦場を離れ、家族の許に帰ることが出来る、ということです。

私は、もう一度主張します。起こりうる流血に対する全ての責任は、ウクライナの領土を支配する政権の、良心に、全てかかっているのです。

さて、今起こっている出来事に、外部から干渉する誘惑に駆られるかも知れない人たちに、重要な、とても大切な言葉を、いくつか紹介しましょう。

私たちに干渉しようとする者は、誰でも、ましてや、私たちの国と国民を危険に曝そうとする者(に対して)は、ロシアの対応が、即座に行われ、あなた方が、歴史上直面したことのない結果に至ることを、知らなければなりません。

どんなイベント展開にも、対応できるようにしています。

この点については、必要な全ての決定がなされています。

聞いてもらえることを期待しています。



親愛なるロシアの皆様へ

 国家や、民族全体の幸福、存在そのもの、その成功や存続は、常に、その文化や価値観、先祖の経験や伝統といった強力な根幹システムに由来します。もちろん、絶えず変化する生活に、迅速に適応する能力、社会の結束力、前進するために、あらゆる力を結集する覚悟に依存するものです。

 力は常に必要です。しかし、力には様々な性質があります。
 
 冒頭で述べた「嘘の帝国」の政策は、何よりも強引で、ストレートな力に基づいています。そんな時、私たちは「あなたには知性があるのだから、力は必要ない」と言うのです。

 しかし、真の強さは、正義と真実にあることを、あなたも私も知っています、それが、私たちの味方なのです。そして、もしこれが本当なら、強さと戦う意志が、独立と主権の基礎であり、それだけで、自分の未来、自分の家、自分の家族、自分の祖国を築くことが出来る、必要な基礎であることに同意しないわけにはいきません。


親愛なる同胞の皆様へ

祖国に忠誠を誓うロシア軍の兵士と将校は、プロフェッショナルとして、勇気をもって、その責務を果たしてくれると確信しています。
 
経済、金融システム、社会領域の安定に責任を持つ、全てのレベルの権力者と専門家、そして、私たちの企業のリーダーや、全てのロシアのビジネスが調和し、効果的に働くことを確信しています。

私は、全ての政党と国民勢力の、愛国心に満ちた統合的な姿勢に期待しています。

結局のところ、歴史上、常にそうであったように、ロシアの運命は、私たち多民族の人々の、有能な手に委ねられているのです。
 
それは、私たちが下した決断が、実行され、目標が達成され、祖国の安全が確実に保証されることを意味します。

私は、皆さんの支持と、祖国への愛が与えてくれる無敵の強さを信じています。


Обращение Президента Российской Федерации
Russia-Ukraina-War#001

ウラジーミルプーチンからのメッセージ。全文
©Mikhail Metzel / POOL / TASS

ロシア連邦大統領による演説
2022年2月24日06:00 モスクワ、クレムリン
ウラジーミル・プーチン:ロシア国民の皆様へ 親愛なる皆様へ



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