台湾のNordic総代理店のエンジニアの方が来日し、同社が販売するエンジンマネージメントコンピュータの実力を体験するプログラムに参加してきました。SAABのエンジンはオリジナルの状態でかなりマージンをとってあり、コンピュータープログラムをチューニングする事で本来持つエンジンのパワーを最大限に引き出す事が出来るようです。その実力やいかに。
※トップの写真は、エンジニアGAVINさん(右)と台湾のSAABオーナーズクラブのSOKENさん(左)。

今回のNordicのECUアップグレードはPCを使ってプログラムの書き換えを行うタイプ。もちろんPCはAcerですね。通常は書き換えたECUを乗せかえる方式だそうです。(理由は後述)

オリジナルのプログラムを読み込み中。この作業はエンジンを切って行うのでのでバッテリーをチャージしながらの作業になります。(約1時間)

チューニングしたプログラムに書き換え中。(約30分)

Fuel Pressure Regulatorを3.5barの物に交換。写真は元々付いていた3.0barの物。
《試走》
エンジニアの方を助手席に乗せいざ試走へ(ちょっと緊張)。アイドリングの状態、ACCをオンにした状態、エンジンのオン・オフと問題ないか確認しました。チューニングの違いを一番分かりやすいのは高速運転とのことで第三京浜を目指しましたが渋滞で断念。一般道で前が開いたときに軽くダッシュしてみましたが、多少トルクが上がったように感じられました。普通に運転する分にはノーマルとほとんど変わらないでしょう。しかしアクセルを踏み込んだ時の加速力はかなりアップしたようです。走行中、慣れない英語で台湾の話をしたり、チューニングのアドバイスをもらったり。ポイントは給排気系とのこと。エアロのターボチャージャーの中古があったら即、買いだそうです。(日本じゃまずないでしょうけど・・・)エアクリは必ずK&Nのようなハイパフォーマンスなタイプへ。アグレッシブに走るならマフラーも交換して下さい。・・・・ん?ずいぶん大掛かりな?と話に夢中になって出発地点を通り過ぎ、試走無事終了。

プラグとバキュームホースがかなり劣化していたので交換。純正のNGKの6番がベストのようです。ホースはシリコン製の物に交換してもらいました。
《まとめ》
いずれやろうと計画していたECUチューニング。私の車はTrionic7なのでお手軽なBSRのPPCにするか悩みましたが、せっかくエンジニアの方のアドバイスもあるし、この機会にエイッと購入してしまいました・・・参考までに、スウェーデン本国でのソフトウェアのみのお値段は9375sek(約163,500円)他社に比べてちょっと高めです。
パフォーマンスの違いは、各社Stage1、Stage2、Stage3(4、5とあるチューナーもありますが)と3段階あり、私はてっきりソフトウェア(プログラミング)はすべて同じでハードウェアによってパフォーマンスが変わるものと理解していました。ところが私の車にインストールされたStage3は別チューニングだったのです(車中の会話の意味がここで理解)。今のままではターボチャージャー、特にキャタライザー(触媒)に負担がかかるので、後日、台湾よりStage2相当のECUが送られてくることになりました。いわゆるCAT back exhaust systemまでつければ220HP、くらいになるそうです。
最後に今回の体験プログラムでエンジニアの方との橋渡しをして下さったcowper1000さんからの注意点(転載)。
今回NORDICのチューニングをする上で必ず守らなければならない点を銘記したいと思います。これらはターボチューニングでは当たり前のことですが、、、
1、排気系は必ず交換し、ブーストは1.5までにすること。ちなみにブーストだけを上げても排気系がちゃんと抜けないとタービンに負担がかかり壊れてしまう。(ステージ1では交換の必要なし)
2、ちゃんと燃圧をコントロールできるようFUELプレッシャーレギュレータも必ず高効率なものにすること。
3、エアクリーナーは必ずK&N等の高効率な純正交換タイプを使用し、決してオープンエアタイプは使用しないこと。理由はエンジンルームの熱が邪魔をしてオープンタイプでは効果が出ないため。(どうしてもオープンにしたい場合は大量のフレッシュエアを導入できる大径のダクトを外から必ず引き込むこと)
4、エンジンオイルは100%化学合成15w-50以上のちゃんとしたメーカーのものを必ず使用し3000キロを目安に交換すること。(タービンの耐久性はオイルで決まり、走行後は最低3分間アイドリングして必ずクールダウンすること)
5、ECUの交換は9000の場合は比較的シンプルなT5なのでさほど問題はないが、9-3等のT7を使用した近年のモデルは制御が非常に繊細で複雑なのでプログラムを書き換えるのではなくECU本体を交換する(高温多湿な日本ではすでにECU内はすでに腐食しているのと、書き換え時にバッテリー電圧が完全でないと途中で電圧が足りなくなり全てが破損する恐れがあるため)。
よって日本での交換はすべての車種において先方で動作チェック済の新品ECUとのユニット交換のみとし、中古のECUは送り返すこととする。プログラミングは日本では一切しない。
例外として今回9-3に行ったのはプログラムの書き換えでしたが熟練したスタッフがバッテリー満充電後に彼らのノウハウをもって施工したので問題ありませんでしたが。
6、最後にTECH2テスターを使用し問題がないかの確認が必要。
以上が、注意点として上げられます。
《おまけ》
5/2に待望のKONIちゃんがエアクリと一緒に成田に到着しているのですが、未だに配送されません(泣)。GWの影響か?!