函館深信 はこだてしんしん-Communication from Hakodate

北海道の自然、そして子どもの育ちと虐待について

ちょっと違和感ー柳美里さんのドキュメント

2011-05-16 | ”自殺”・虐待・ヒトの育ちを考える

昨日21時からの「虐待の世代間連鎖」を取り上げた柳美里さんを追ったドキュメント、私的には取り上げ方に少し違和感を感じた。

柳美里さん個人を中心に追っていたことも要因かもしれないが、「子どもを虐待した柳さんも、父親から鼻の骨を折られるほどの虐待を受けているが、その父親も親からひどい仕打ちを受けていた。」ということが出されていた。しかし、この事実だけを伝えていくと、誰も悪い人はいない、「みんなつらかったんだねえ。子どもにきびしく当たったのも無理もないねえ。」で終わってしまわないだろうか。
連続を見た上で、今現在の連鎖の先端、柳さん親子の関係改善についての分析をもう少し詳しくふれてほしかった。

番組の中で柳さんが「親とは切り離して、自分を生きたい」と語っていたが、虐待臨床の専門家、山梨県立大学の西澤哲さんは、虐待を受けた子どもたちにまさにそのこと、「親に利用される人生から、自分の人生を生きることができるように」とカウンセリングにあたっているそうだ。

一人でも多くの人が、自分がされてきたことが「しつけ」や「自分が悪いからだった」のではなく、実は虐待だったのだということに気付き、その虐待を連鎖させない生き方を歩んでほしいと思った。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。