何年振りの「木馬」だろう。マリさんの代になってからは夕方迄の
営業だったので少なくともここ4~5年はご無沙汰していたと思う。
例の黒いドアを押して中に入るとコーヒーの香りが懐かしい。
相変わらず明るい声のマリさんはしっかり私を覚えていてくれた。
流石にあの赤いコーヒーカップはもう使われていないが、このシュガー
ポット、懐かしいですねえ。高校を卒業する間際から此処に入り浸って
隣のパチンコ屋から時折聞こえてくる雑音の中、ジャズを楽しんだこと
が思い出される。
ええっ、「楽しんだのはパチンコだろう」ってですか「すっ!鋭い!」
いつしか、奥の席に座った猫好きのご婦人とリズミカルに話をするマリ
さん達の会話に入っている自分がいた。ふとセパレーションの横に置か
れた「WHISKY VOICE 29号」を手に取って頁をめくると、木馬の記事が
目に留まった。
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今は亡きマスター宇賀土佐男さん(1932~86)の妹さんであるマリさん
はマスター、亡き後、夜の営業を止めていた、今年の初め「そろそろ
お店をやめようかしら」と決意した時、「どうかやめないで」と説得したの
は十数年来の常連客だったリカさんだ。
そんなこんなで結局、マリさんと二人三脚で営業存続が決まったようだ。
因みにリカさんの旦那様はプロのジャズドラマーとか。
--中略--
この木馬には、45年前の開店以来、たった一つのウイスキーが置かれて
きた。「角瓶」だ。存続の危機を乗り越え、夜の部も20年振りに復活した
お店では、お客様から「角ハイ」の注文が格段に増えている。リカさんが
その理由をこう分析する。「私が一番好きなお酒だから、かな?」
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(『Whisky Voice 29』サントリー株式会社洋酒事業部発行より抜粋)
そう、高知でプロのジャズドラマーと言えば「あの方」しかいませんね。
リカさんに聞いてみるとやはり「あの方」でした。ここ木馬の二階では
毎月第3金曜日にワン・ドリンク付き¥2,000で「木馬セッション♪」と
いうライブが開催されています。
因みに今月は12月21日(金)19:30~の予定。
階段の上に掛けられた「メニュー板」も昔のまんま。コーヒー¥350
に泣かされます。レモンスカッシュを「レスカ」なんてオーダーした
記憶が・・・
ネルドリップからペーパーに変わったとはいえ、いつもコーヒーを
少し飲み残す癖のある私ですが今日は一寸足りない気分でした。
弥二朗さん、今度から此方で「角とジャズ」を楽しんだ後、隣の
「ボデギータ」にという流れでよろしくぅ。
--shop data--
店名:MODERN JAZZ & COFFEE「木馬」
所在:高知市帯屋町1-12-8(Yahoo!地図)
電話:088-822-3955
営業:昼の部10:30~15:00(Mari)
営業:夜の部15:00~22:00(Rika)
定休:日曜