ハチの家文学館

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過ぎ去った日のことは悔いず

2021年03月18日 09時36分22秒 | 慈しみと悲しみと

まだこない未来にあこがれて、

とりこし苦労をしたり、

過ぎ去った日の影を追って悔いていれば、

刈り取られた葦のように痩せしぼむ。

過ぎ去った日のことは悔いず、

まだこない未来にはあこがれず、

とりこし苦労をせず、

現在を大切にふみしめてゆけば、

身も心も健やかになる。

過去は追ってはならない。未来は待ってはならない。

ただ現在の一瞬だけを、強く生きねばならない。

今日すべきことを明日に延ばさず、

確かにしていくことこそ、

よい一日を生きる道である。

  (「仏教聖典」はげみ 第2章 実践の道 第4節 仏のことば)

過ぎ去ってしまって、もはやどうにもならないことを、人間はいつまでも心の中に引きずって悩んだり、残念がったりする。これは仏教の三毒の一つ「愚痴」というもので、人間以外の動物にはない。また、人間だからこそ「煩悩」という苦しみがあり、動物になれば「愚痴」も「煩悩」もない。瞬間、瞬間、本能に従って生きる動物と違って、人間は過去・現在・未来という時空を生きなければならない。無心であれば過去も未来もない。無心の心が今の瞬間を捉える。今を生きることである。



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