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鎌倉日記39・・・東慶寺の紫陽花

2018年06月21日 16時09分15秒 | 鎌倉日記

                                                                   

東慶寺は駆け込み寺として有名。女性の方から離婚出来なかった封建時代、この寺に駆け込めば離縁できる女人救済の寺として、明治になるまでの凡そ600年間縁切寺法を守ってきたという。

しかし、明治4年の廃仏毀釈によって縁切寺法は廃止となり、明治35年尼寺としての歴史に幕を閉じて現在の臨済宗円覚寺派の男僧の寺となった。本堂奥の水月堂には、美しい水月観音菩薩半跏像が祀られている。

いまの季節は何といっても紫陽花がきれいだ。東慶寺は小さな山門から奥行きの長い境内を散策することになるが、数は少なくとも色とりどりの紫陽花に巡り合える。いまの季節は、花菖蒲、岩がらみ、岩タバコ目当てに来る人も多い。

久しぶりに愛用のニコンD800に、フィルムカメラ時代に購入したマクロ付きニコンズーム28-85㎜で撮りまくる。この時期の鎌倉の寺院は三脚禁止が多く、手持ち撮影となるがISO感度を上げてカメラブレを防ぐ。観光客の邪魔にならないように撮影することも大事なマナーである。

いつもはJR横須賀線で帰るが、東慶寺脇のバス停で上大岡行きのバスに乗ってみようと思い立つ。このバスに乗るのは初めてで、1時間に1本の運行で時刻表の時間から7分程度過ぎていたが、バス停で先に並んでいた同じ年頃のご婦人に尋ねるとまだ来ていないという。

あまりにも遅いバスに対する苛立ちも抑えて、よく鎌倉に来られるというそのご婦人と話が弾む。16年前61歳の時に、当時64歳のご主人を亡くしたという。近くに息子一家が住んでいるけれど、普段は交流がなく遺族年金で気儘に暮らしているらしい。煩わしいことが何もなくて、女の一人暮らしはいいものですよとおっしゃる。もう一人の先客がやはり同じ年頃のご婦人で、「そうよそのとおり」と女の一人暮らしの気楽さに賛同していた。男はカミサンに死なれると弱いが女は強い。



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