俳優田村正和さんが亡くなったと新聞テレビの報道。亡くなってからひと月余り経ってからの発表であるが、仕事でもプライベートでも、何事も自分のライフスタイルを崩さず全うしたご本人が、生前、葬儀も派手にせず静かに見送ってくれと家族に言っていたようで、これも故人のご意向かもしれない。
10年以上前から「冠動脈性心疾患」という心臓の病気を抱えていたが、「俳優をやっている間は手術したくない」という本人の意向だった。3年ほど前に手術してから一時体重52㎏に落ちるほど痩せて心配されたが、これまで自宅で静かな生活をしていたようだ。
1943年生まれで私とほぼ同年齢、田村正和さんの父は、大正から昭和にかけて活躍しバンツマの愛称で人気だった阪東妻三郎さん。長兄の田村高廣、弟の田村亮と共に、「田村三兄弟」と呼ばれていた。主演ドラマ「古畑任三郎」「眠狂四郎」が特に有名で、「眠狂四郎」の作者柴田錬三郎は、田村正和を息子の様に可愛がり、正和の端正な佇まいや役者としての姿勢を極めて高く評価し、まるで親子の様に家族ぐるみの付き合いであったそうだ。
こうして高齢同年代の著名人が亡くなっていくと、無名の私でも明日は我が身かもと寂しさを感ずる。遅かれ早かれ死はいつかやって来る。その時はその時、その日その日を安心安定して生きられればいい。朝に祈り、夕べに感謝である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます