先日、厚生労働省は親・兄弟の介護や家事に追われる若年層「ヤングケアラー」に関する初の全国実態調査を行った。公立約1400校を抽出して、昨年12月~今年2月、中2と高2の生徒計約17万人にインターネットで実施、計1万3777人から回答を得た。ネットの情報から掲載させていただく。
中学2年の6%、高校2年の4%が該当すると発表、 体調不良などの悪影響も浮かび上がり、調査結果を分析した専門家委員会は早期発見や相談体制の強化を提言した。調査では、「世話をしている家族がいる」という生徒の割合は、中学生が5.7%でおよそ17人に1人、全日制の高校の生徒が4.1%でおよそ24人に1人いた。
ケアの内容は、食事の準備や洗濯などの家事が多く、その他、兄弟を保育園に送迎したり、祖父母の介護や見守りをしたりと多岐にわたっている。また、世話にかけている時間は、平日1日の平均で、中学生が4時間、高校生は3.8時間で、1日に7時間以上を世話に費やしている生徒が、1割を超えていた。
「やりたくてもできないこと」を複数回答で尋ねたところ、中学生では
▽「特にない」という回答が58%だった一方、
▽「自分の時間が取れない」が20.1%、
▽「宿題や勉強の時間が取れない」が16%、
▽「睡眠が十分に取れない」と「友人と遊べない」がいずれも8.5%。
また、
▽「進路の変更を考えざるをえないか、進路を変更した」という生徒が4.1%、
▽「学校に行きたくても行けない」と答えた生徒が1.6%。
これらの結果をみて思うのは、健全な心と体をつくる大切な時期に、家族のために好きなことも我慢して、親・兄弟の介護や家事に追われるのは辛いだろう。子どもの貧困、虐待、引きこもり等々の問題もあるが、健全な子どもであっても、目に見えないところで社会の手助けを必要としている少年がいる実態が明らかになった。
自分が小中学生のときは、終戦直後で家業の手伝いはしょっちゅうしていたし、いまの世の中のように、塾通いなどなかった時代で、家の手伝いはしていても苦にならなかった。人類の歴史から親の面倒をみている子どもはいたし、自分の同級生にも中学高校を出たらすぐに就職、家族のために稼ぐ子も結構いた。いつの時代も「ヤングケアラー」は存在したが、介護など程度の重大さに応じて、社会の仕組みとして支援していく必要がある。
学校の先生もやるべきことが多くて、児童生徒の親身な相談に応じてあげられる時間も余裕もないだろう。しかし、今この時を乗り越え、少ない時間を勉学と体育に勤しむことで明るい未来が開けると信じたい。家族の幸せとは何かを考えると、「健康」が一番と思う由縁である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます