
自宅近くの横浜市地区センターで初めて本を借りてきた。タイトルは「横浜中華街物語」。横浜中華街発展会協同組合理事長林兼正氏の語りを、小田豊二氏が聞き書きしたもので、発行所は㈱ホーム社、発売元は㈱集英社。中華街を知るにはもってこいの一冊である。
今まで何度も足を運んだ街であるが、知らないことが多く、この本は大変興味深く読ませてもらった。語りの林兼正氏は日本国籍を持つ中国人であるが、横浜中華街萬珍楼の代表者としても名高い方である。語り口も、ズバっとハキハキしていて小気味いい。
中華街の歴史を内部の人が生々しく話されているので、とにかく知られざる出来事やエピソードが盛り沢山でおもしろい。中でも終章に書かれていた門の話に興味を持った。
中国では街を築くときに一番気をつけたのが方角で、「東南西北」四つの方角に門を建てた。東の門は青、南の門は赤、西の門は白、北の門は黒と決めて、四つの守護神に街を守らせるという。東が青龍神、南が朱雀神、西が白虎神、北が玄武神。門の色の由来は、干支の糞の色というのを西村公朝さんの著書で知った。東は卯で青、南は午で赤、西は酉で白、北は子で黒ということらしい。
この「青赤白黒」に、日本の「春夏秋冬」を合わせたのが、四つの季節、青春、朱夏、白秋、玄冬で、青春という言葉や北原白秋の名前はここからきているそうだ。相撲の青房、赤房、白房、黒房も同様のことと書いてあった。
横浜中華街の門は、東に朝陽門、南に朱雀門、西に延平門、北に玄武門が建っている。このほかにも大通り入口の善隣門や関帝廟通りを護る東側に天長門、その西側に地久門、石川町駅近くに西陽門など合計十基の門がある。
今日はお昼を中華街で食べた。ただ歩くのではなく、こういう知識を頭に入れておくと、横浜中華街をあらためて見直す気持ちにもなる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます