歌会当日なのに
歌会口実の着付けの話を。
歌会自体のことは、明日書きます。
★
雨が降ろうが、ヤリが降ろうが、
今日の歌会は、
どうしても着付けがしたかった。
何故かというと、
1月の関西新年合同歌会に来られた、
九州の五行歌の紫野恵さんから、
帯紐をいただいていたから。
自分で着付けた着物で、
一番最初に行く歌会の帯紐は、
そのいただいた帯紐を
使わせていただき、
その写真を、
お礼の言葉を添えて、
お送りしたいと思ってたから。
もう、来月だと暑いので、
今月の歌会しか着るチャンスは、
ないと思っていたから。
なのに(なので?)、なかなか眠れないまま、
夜明けが。
夫を起こす時間が。
★
それにしても、どうして、
こんなに忙しい時に限って、
手抜きをしないんだろう。
ダラダラと時間がある時は、
めんどくさくなって、
夫のご飯なんて、
カップラーメンを置いておくとか、
うすっぺらい千円札で、
ふちゃふちゃと頬を叩くのに(笑)
やる気が、連動していく。
昼・夜と準備しなければならないので、
夫のお昼ごはんは、お弁当箱を準備して、
晩ご飯のメインは、
予定変更して、お刺身で楽することにした。
お刺身を買いに行く時、
空はすでに曇っていたが、
雨はまだ降っていなかった。
そうだ!と、ひらめいた。
私は雨女なんだけど、
傘を持っていく時に限って、
道中は雨に遭わずにすむってことは、
よくある。
今日、傘を飾りだと思って、持ち歩けば、
雨は降らないかも!
スーパーから戻って、
ドアノブのところに、傘をかけた。
絶対忘れないために。
★
着付けは一時間半かかった。
紫野さんの紐も帯と似合っている。
が、帯を結び終えたところで、
裾がさっきよりずるっとしてないか……?
着物の腰紐がゆるかったらしい。
恐れていた、「お岩さん状態」だ。
が、直す時間はもうない。
お太鼓に押し込め押し込め、
ドアノブの傘を持って、家を出る。
目が悪い人は、
数秒ほど人より不幸を遅く感じることがある。
まだ、雨は降っていないように見えた。
が、
自動ドアを通り抜けて、一歩でると、
「よ、おねーさん、粋だね」と
細い雨が肩を叩いた。
……ブ男にナンパされるより、嬉しくない。
♪飾りじゃないのね、この傘、はっは~ん。
雨除けするするためさすのね、ほっほ~ん。
作戦(というか、おまじないに近かった……)失敗。
歌わずには、いられない。
裾を気にしつつ、雨を気にしつつ、
ゆっくりとしか歩けず、東大阪へ向かう。
★
歌会が終わる頃には、
裾も危ういが、襟元もゆるい感じになっていた(泣)
早い目に帰ろうと思ってたけど、
結局話に力が入って、
いつもどおりに10:00まで、
場所を変えては、話をしていた。
裾、襟、裾、襟、と
交互に気にしながら、帰宅する(つらかった~)。
家に帰ったとたん、
それまで不自然なほどなかった
尿意がからだを駆け巡った。
慌てて、
コーフンしたお殿様が、
町娘に「よいではないか、よいではないか」と
着物を脱がすように、自分で脱ぐ(笑)
……無事完了(笑)
ブラとパンティと足袋という変な格好で、
ソファにいる夫に、遅ればせながらの、
「ただいま」を言う。
「なんやねん。そのマヤ文明、気持ち悪い」
と、
夫が私のお腹の着物でついたアトを見て
気持ち悪がった。
マヤ文明……、たしかにそんなイレズミ風だ。上手い。
嫌がってる夫が面白くて、
TV画面をさえぎったりして遊び始めた。
えへへへ~といちびってたけど、
急に青ざめる。
忘れてたっっ!
紫野さんに送るための写真、撮ってないやんか!
★
マヤ文明のお腹を抱えて、見れば、
町娘が泣き崩れたかのような、
着物や長襦袢の脱ぎ散らかしが。
その下に隠れていた、紫野さんからの帯紐。
一体何のために、雨だけど覚悟して、
着物を着ていったんだろう……。
絶句していた後ろから、夫が、
「今日な、休みやったのに、
結局何やかんやで、夕方五時までおってんやんか。
んなもんやから、お弁当だけ食べたから
晩ご飯はなんも手をつけてないから」
振り向けば、テーブルには、
汚れていないお茶碗が、味噌汁のおわんが、
電気に照らし出されている。
一体、何のために、二食分を私は……!!!
……虚脱感。
急に疲れが出てきた。
へっこみながら、着物を着物ハンガーに吊るす。
つらされた着物は、
なんだか、貼り付けにされた自分を思わせた。
……アーメン。
(後日談:翌日、着物をたたもうとしたら、
自分が予想している以上に、
泥はねがありました。
クリーニングに出したのは言うまでもありません。
クリーニング代かかるのは言うまでもありません。
雨の日は、どんなに着物が着たくても、
着物を着るのはやめましょう。
泣きたいっっ!!!)
歌会口実の着付けの話を。
歌会自体のことは、明日書きます。
★
雨が降ろうが、ヤリが降ろうが、
今日の歌会は、
どうしても着付けがしたかった。
何故かというと、
1月の関西新年合同歌会に来られた、
九州の五行歌の紫野恵さんから、
帯紐をいただいていたから。
自分で着付けた着物で、
一番最初に行く歌会の帯紐は、
そのいただいた帯紐を
使わせていただき、
その写真を、
お礼の言葉を添えて、
お送りしたいと思ってたから。
もう、来月だと暑いので、
今月の歌会しか着るチャンスは、
ないと思っていたから。
なのに(なので?)、なかなか眠れないまま、
夜明けが。
夫を起こす時間が。
★
それにしても、どうして、
こんなに忙しい時に限って、
手抜きをしないんだろう。
ダラダラと時間がある時は、
めんどくさくなって、
夫のご飯なんて、
カップラーメンを置いておくとか、
うすっぺらい千円札で、
ふちゃふちゃと頬を叩くのに(笑)
やる気が、連動していく。
昼・夜と準備しなければならないので、
夫のお昼ごはんは、お弁当箱を準備して、
晩ご飯のメインは、
予定変更して、お刺身で楽することにした。
お刺身を買いに行く時、
空はすでに曇っていたが、
雨はまだ降っていなかった。
そうだ!と、ひらめいた。
私は雨女なんだけど、
傘を持っていく時に限って、
道中は雨に遭わずにすむってことは、
よくある。
今日、傘を飾りだと思って、持ち歩けば、
雨は降らないかも!
スーパーから戻って、
ドアノブのところに、傘をかけた。
絶対忘れないために。
★
着付けは一時間半かかった。
紫野さんの紐も帯と似合っている。
が、帯を結び終えたところで、
裾がさっきよりずるっとしてないか……?
着物の腰紐がゆるかったらしい。
恐れていた、「お岩さん状態」だ。
が、直す時間はもうない。
お太鼓に押し込め押し込め、
ドアノブの傘を持って、家を出る。
目が悪い人は、
数秒ほど人より不幸を遅く感じることがある。
まだ、雨は降っていないように見えた。
が、
自動ドアを通り抜けて、一歩でると、
「よ、おねーさん、粋だね」と
細い雨が肩を叩いた。
……ブ男にナンパされるより、嬉しくない。
♪飾りじゃないのね、この傘、はっは~ん。
雨除けするするためさすのね、ほっほ~ん。
作戦(というか、おまじないに近かった……)失敗。
歌わずには、いられない。
裾を気にしつつ、雨を気にしつつ、
ゆっくりとしか歩けず、東大阪へ向かう。
★
歌会が終わる頃には、
裾も危ういが、襟元もゆるい感じになっていた(泣)
早い目に帰ろうと思ってたけど、
結局話に力が入って、
いつもどおりに10:00まで、
場所を変えては、話をしていた。
裾、襟、裾、襟、と
交互に気にしながら、帰宅する(つらかった~)。
家に帰ったとたん、
それまで不自然なほどなかった
尿意がからだを駆け巡った。
慌てて、
コーフンしたお殿様が、
町娘に「よいではないか、よいではないか」と
着物を脱がすように、自分で脱ぐ(笑)
……無事完了(笑)
ブラとパンティと足袋という変な格好で、
ソファにいる夫に、遅ればせながらの、
「ただいま」を言う。
「なんやねん。そのマヤ文明、気持ち悪い」
と、
夫が私のお腹の着物でついたアトを見て
気持ち悪がった。
マヤ文明……、たしかにそんなイレズミ風だ。上手い。
嫌がってる夫が面白くて、
TV画面をさえぎったりして遊び始めた。
えへへへ~といちびってたけど、
急に青ざめる。
忘れてたっっ!
紫野さんに送るための写真、撮ってないやんか!
★
マヤ文明のお腹を抱えて、見れば、
町娘が泣き崩れたかのような、
着物や長襦袢の脱ぎ散らかしが。
その下に隠れていた、紫野さんからの帯紐。
一体何のために、雨だけど覚悟して、
着物を着ていったんだろう……。
絶句していた後ろから、夫が、
「今日な、休みやったのに、
結局何やかんやで、夕方五時までおってんやんか。
んなもんやから、お弁当だけ食べたから
晩ご飯はなんも手をつけてないから」
振り向けば、テーブルには、
汚れていないお茶碗が、味噌汁のおわんが、
電気に照らし出されている。
一体、何のために、二食分を私は……!!!
……虚脱感。
急に疲れが出てきた。
へっこみながら、着物を着物ハンガーに吊るす。
つらされた着物は、
なんだか、貼り付けにされた自分を思わせた。
……アーメン。
(後日談:翌日、着物をたたもうとしたら、
自分が予想している以上に、
泥はねがありました。
クリーニングに出したのは言うまでもありません。
クリーニング代かかるのは言うまでもありません。
雨の日は、どんなに着物が着たくても、
着物を着るのはやめましょう。
泣きたいっっ!!!)