「一休道歌・正月骸骨」

2014-01-05 23:02:12 | 一休の系譜
「一休」さんの話で、「この橋渡るべからず」「屏風の虎」と
ともに、よく知られているのが「正月骸骨」。

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皆が正月を祝っているのに、一休さんときたら、
こともあろうに、髑髏を竹の棒の先につけて
「ご用心、ご用心」と触れ歩く。
「まぁ、一休さん、よしてくださいよ。正月早々
縁起でもない」
「何、これは めでたい代物じゃ。ホレ、目が出て
るから“目出たい”じゃないか」。

(一休さんの「シャレこうべ」ですか)

一休は云う。
「見よ、骨になってしまえば、男か女か、尊いお方か
遊女かもわからんではないか。この皮肌一枚に、目を 
くらまされていませんかな。心の目でしっかり真実を
見なされ」と。

そして大音声に

「門松や、冥土の旅の一里塚、目でたくもあり、
  めでたくもなし。ご用心、ご用心」と。
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この有名な「一休とんち話」も、『一休年譜』には書かれて
いません。おそらく、一休作と伝えられる『一休骸骨』という
書から、後世、江戸時代の人が思いついた創り話でしょう。

薪村の「酬恩庵・一休寺」の宝物館には、「一休の髑髏」と
いうものが展示されています。茶褐色でこぶし大の 木の彫り物です。
後世の贋作と決め付けるのは 野暮というもの。

「一休とんち話」は、一休の真実を 実によく わかりやすく
示してくれているのです。

ところで、最近、若い女性の間で「髑髏」のデザインの入った
服やバッグ、小物が流行っているようです。背中やジーンズに大きく
刺繍したものもあります。これも一休さんに通じるではないですか。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。



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