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中国人実習生について

2011年04月19日 | 昭和の日々
今日は雨です。思えば、2年前の今頃は、群馬県の昭和村でほうれん草と格闘していました。それこそ、雨に打たれながら、真っ黒になりながら、暑かろうが、寒かろうが、朝早くから暗くなるまで、毎日毎日格闘していました。

そうして今、いまだに、提携しているはずのスーパーに、師匠のほうれん草はありません。それもそのはずで、いかに群馬産ほうれん草の出荷停止が解除されたといえど、すぐに出荷できるはずがないのです。なにせ、種を蒔いて育てるまでに、時間がかかります。それに、たとえ出荷できたとしても、少なくとも以前のようには売れないでしょう。師匠、苦労されているんだろうな・・・。そもそも、露地物は別にして、ビニールハウス栽培の物については、全く問題なかろうと思いますが、そこいらへんはどうなっているのでしょう。

東日本大震災 中国人実習生次々帰国 農家、収穫に不安も」という記事を見ました。

私がお世話になっていた農園でも、中国人実習生(研修生)が大活躍していました。その多くは、自分の子供のような年齢の若者たちでした。情けないことに、彼らのハングリー精神や、適応能力に、私は全く敵わなかったです。彼らは、ほとんど日本語が話せなかったにも関わらず、です。

そもそも、「実習生」とは名ばかり、というのが、現状だと思います。現実は「出稼ぎ労働者」です。「税金」が「公的資金」に、「売春」が「援助交際」に、というのと同じで、少しソフトに表現しているだけだと思います。そもそも、もし中国がライバルだったとするならば、その相手に手の内を実習させているわけで、それはそれでおかしな話ですよね。むろん私はそれが悪いとは言いません。でも、教えるなら、先ずは日本人に、とは思います。なにせ、後継者不足に困っている業界なのですから。

そうそう、話は少し飛びますが、農園で私を使って下さったことについても、おそらく、「公的資金」(雇用保険関係かな)が絡んでいたように思います。つまり、新規就農者を雇い入れる際の補助金の存在です。これは何も、農業の世界だけの話ではありません。介護の世界でもありました。実際私は書類にサインしましたもん。だからこそ、41歳のおっさんでも就職できた、今の職場で働けている、というのは事実だと思います。

話を中国人実習生に戻しますが、お金を稼ぎたい中国人の若者と、安い労働者を雇いたい農家の思惑が一致して、何かしらの制度というか、斡旋ルート、太いパイプがあったんだと思います。でも、ご存知の通り中国は経済発展を続けているし、何もリスクを犯してまで日本で働かなくても、という流れになるのは必然でしょう。いずれにせよ、少なくとも過去の農業人口の問題などについては、「実習生」の存在を抜きには語れないように思います。そうやって日本の農業を支えてくれていた存在があったということ。安い野菜の裏にはそういうシステムがあったということ。また、今後はそれが見込めないこと。また、農業のノウハウがどんどん中国に流出していたということ。

農業は問題の多い世界だと思います。そして今、放射能パニックのおかげで、少なくとも関東や福島の農業は、瀕死寸前になってしまいました。でも、だからこそ、切り拓くべき道もあるし、面白い世界だとも思うのです。少なくとも、私のような軟弱者が生き残れるような甘い世界ではありませんでした。でも、そういうまぬけは別にしても、若者たちが未来を託せるような、そういう農業の在り方を模索しないと、それはそれでどうしようもないのです。

政府や自治体や農協のせいばかりにしてはいられません。補助金なんて政権が交代したらすぐになくなります。当てになりません。でも、とにかく、誰もが食事をせずには生きられません。そして、自給自足はほとんど無理なのです。だから、誰もが電気を使うのと同じで、誰もが無関係ではいられません。こんな私にも、できることもあると思います。だから、きっと、あなたにもできることが、たくさんあると思います。

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