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戦争に負けるということ

2022-04-26 | メモ
戦争に負けるということ
いや、凄まじい本である。本書は同じ白水社から出た赤軍記者グロースマンとセットのような本である。
これを読むと戦争に負けるということがどういう結末をもたらすのかが分かるというものである。
ドイツでは戦場における性暴力への追求は一般に低調である。
「戦争に性暴力はつきもの。そんなものを好んで取り上げるのはアジアの文化か?」などというとぼけた表現がこの本に出てくるが、私はこのドイツ女性の反応が不思議でならなかった。腑に落ちなかった。それが本書を読んで氷解した。要するにドイツが戦争し首都ベルリンが陥落したときにドイツ女性が強いられた強姦、輪姦の嵐が全ドイツ女性に強烈なトラウマとして残り、戦争と性暴力を語ることはドイツではタブーとなったということであろう。とにかくその数と被害の幅が凄まじい。

私の手元にあるNHK「カラーで見る第二次世界大戦」ではベルリンで強姦されたドイツ女性は30万人とあるが、本書では全ドイツでそれが200万人に膨れ上がっている。
窓という窓が吹き飛んでいたこともあって、夜毎街中にとどろき渡るソ連兵に強姦されるドイツ女性の悲鳴。何度も何度も輪姦されて精神に異常を来たすドイツの箱入り娘達。自殺した女性も多いという。自分の娘を強姦被害から守るため、隣家の娘達が隠れている場所をわざとソ連兵に教える母親。ソ連兵によって同時に祖母、母、娘が強姦される生き地獄。「夫が戦死していたことがせめてもの救い。もし夫が生きていたらソ連兵に踊りかかって目の前で撲殺されていたことだろう」。
圧倒的な武力を誇るソ連兵の性暴力を目の当たりにして勇敢にも抵抗を試みるドイツの男性はほとんどいなかったという。目の前で隠れ穴からソ連兵により引きずり出され助けを求め泣き叫ぶドイツ女性を前にして「巻き添えを食うのは嫌だから、とっとと彼女をどこかへ連れ去ってくれ」と呟くドイツ人男性。
実際、ドイツ女性を強姦しようとするソ連兵に対し決死の抵抗を試みたのは、妻や娘を略奪されそうになった夫か、母親を連れ去られそうになったドイツ少年だったという。そして抵抗の代償は、撲殺、射殺。。。

昔、森嶋通夫というバカな似非学者がいて、非武装中立論を説く中で「赤旗白旗論」という議論を展開したことがある。
ソ連が攻めてきたら、まず白旗を掲げて抵抗する意思のないことを示し、次に赤旗を掲げてソ連兵を歓呼の声で迎えれば日本人は無傷のままハッピーな「戦後」を迎えることが出来るであろうから自衛隊なんかいらないという議論だが、この本を読むと、森嶋というアカの議論が如何に無責任というか、ほとんど犯罪的であることが分かる。
日本のアカたちは、話し合い・無抵抗が好きである。
無防備都市宣言をすれば敵から爆撃されることもなければ危害を加えられることも無いという宗教にも似たウソを熱心に説くこんな本もある。
ところがこうした「無防備都市宣言宗教」は世界でほとんど支持されず、NATOをはじめ欧州や東欧諸国、中東諸国、アジア諸国は今日も軍備増強に勤しんでいる。
お隣の中国なんかアジア支配を目指しているのか10年連続で物価上昇率を割り引いた数値でも平均18%の軍備増強を過去10年以上にわたり続けている。
なんでこうなるのか。なぜ諸外国は「軍事力」という「力の論理」を卒業できないのか。
それは日本のサヨク・アカに比べ、諸外国人がみんなバカで血に飢えた動物だからなのか。


とのこと

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