奥武蔵の風

8 私にとっての 8月15日

 今年も 8月15日を迎えました。この日、私の脳裏(のうり)に浮かぶのは、子どものころの故郷の三つの情景です。

 

1 終戦記念日

 父と母は、戦争を体験した世代ですが、私自身は戦後の生まれですから、終戦そのものは知りません。私の記憶に残る戦争の傷跡(きずあと)は、白衣の傷痍軍人(しょうい ぐんじん)が募金を乞うているシーンを、目にする機会が少なくなかったことです。お国のために戦地へ赴き、手足を失ってなお、みずから募金箱を首にかけて人前で援助を乞わなければならない姿は、子ども心にも気の毒でした。

 信じがたいことに、今年になってウクライナでロシアが戦争を始めました。やり切れない気持ちです。

 

2 お盆

 13日の迎え盆には、親族こぞって先祖の墓参り。帰りには、近くのお寺に寄って、お盆に公開される「地獄絵」(じごくえ)を見ました。「悪いことをすると、地獄に落ちてこうなるんだよ」と、教えられました。夕暮れ時に、提灯(ちょうちん)をともしてお墓へ行ったシーンも鮮明ですが、それが送り盆の夜であったかどうか、おぼろげになってしまいました。

 今は、父も母もご先祖の側へ行ってしまいました。

 

3 花火大会

 8月15日は、地元(信州)の湖で開催される花火大会の日でもあり、家族で湖岸へよく見に行きました。もともと戦後の復興を祈念して1949(昭和24)年に始まった花火大会なので、終戦記念日に開催されるのです。初島(はつしま)を中心に湖上から豪快に打ち上げられる花火は、夜空を彩り、一瞬の間をおいてドーンと響き渡る大音響は、腹の底まで伝わって、迫力満点でした。

 コロナ禍のため、一昨年は中止、今年は、昨年同様に、日程を分散させて小出しに打ち上げるとのことです。

 

合掌

 

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