奥武蔵の風

40 信州へ通じる国道299号

 奥武蔵を通る主要幹線道路は、国道299号です。

 国道299号は、埼玉県入間(いるま)市の「河原町交差点」を起点に、国道16号から分岐して、飯能市を経由し秩父市へ向かう幹線道路—―というのが、一般に奥武蔵の住人の認識かと思います。東京から秩父へ車で観光に訪れる人たちが利用するのも、もっぱらこの道路ですから、イメージは共通だろうと思います。

 しかし、じつは国道299号は、秩父が終点なのではありません。秩父市から先、小鹿野(おがの)町から埼玉県境を越え、群馬県上野村を経て、さらに長野県佐久穂町に抜け、最終的に茅野(ちの)市の「新井交差点」で国道20号に合流して、終点となるのです。

 いつのことだったか、このことを知って、国道299号は、私にとって俄然(がぜん)親しみある道路になりました。なぜなら、茅野市で国道20号に合流したら、そのすぐ先には「湖と温泉と高島城」がある、私の生まれ育った故郷の市があるからです。

 実際には、群馬県から長野県にかけての山越えは、「落石注意」「大型車通行不可」「冬期閉鎖」という難所区間のようですから、故郷へは国道299号伝いに行くより、回り道であっても高速道路を利用した方が便利で快適に違いありません。私自身は、もっぱら鉄道の利用者なのですが、それでも、自宅近くの身近な国道が、故郷のすぐ近くまでしっかり通じているという事実は、はるかな故郷が近くに感じられて嬉しいものです。

 

(写真上)© 自然石に刻まれた道祖神(土産用)

(写真上)© 国道299号を示す道路標識(久保交差点)

(写真上)© 小鹿野のさらに先は、群馬県を経て長野県へ。

(写真上)© 新春恒例の「奥武蔵駅伝」は、国道299号が舞台です。2023年1月29日開催を前に、交通規制予告の看板

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