公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

うちの教材屋さんから

2009-04-01 | 教材について
自習教材と自習力

≪ていねいな例示、間違いを引き起こしにくい誘導、類題の積み重ね、緩やかな発展とそのときどきのヒント・・・算数・数学においてはこの方法でかなりな程度、自習していける。

言語教材では、必要な語彙を与え、文型を与え、設問に対する解答を、いわば書写に近い形式や穴埋め形式とすれば、かなりの文レベルのものまで、自習していける。

学習者が、先生にほとんど聞かなくても先に進めるという意味なら、自習教材はこんな形を徹底していけば、理想に近いのかもしれない。

しかしながら、かつて、公文式の創始者、公文公氏が「いや、完全自習教材はないんです。」と言ったことを思い出す。確か、数学で通過しにくい箇所のヒントや誘導のあり方がテーマであったと思う。その時は、教えてもらわなくとも進んでいける限界、というようなことかと思っていたが、どうもそうでもないように感じる。

学習者が自習力をつける完全教材はない、ということではないのか。

学習者の自習力の付き方は、教材を前記のような自習型にすればするほど、矛盾がおきる可能性がある。教材の中ではできていても、少し形式の違う出され方をしただけで、どうしていいかわからなくなるという現象。解き方のパターンを繰り返しの訓練で覚えるだけの学習で、本当の学力はついていないのでは、という批判。

では、学習者の思考自体を要求しながら、自習力を高めていく教材の可能性は・・・・。≫

こんな考えが、この教材を作る原点でした。言ってみれば、粗い部分もあり、学習者自身にとっては、思考の飛躍をしなければならない部分もあります。しかしながら、この教材は勝手に生徒に与えられるものでは、もちろんありません。
学習者個々の状態を見極め、誘導する先生の存在に大いに頼りきり、ようやくこの教材が自習力をつけられる教材として成立するということなのだと了解しています。

自習できるという意味では不完全な教材は、個々の生徒に最適に与え、アドバイスし、導いていく先生の指導があって、はじめて教材としての価値を発揮できるというわけです。
日々のご指導に、心から感謝申し上げます。


ということで、この教材屋さんの考え方は、
私の【教材は、こどもに自ら学ぶ力をつけるための一つの材料である】ということと、
見事に一致するわけです。
そうそう、それから、最近は見本教材の販売にも応じるそうです、
ご要望の方はご一報ください。

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