続・退屈シノギニ…

どっかの日記のサイトの続きから発展したような主として簡素な感想文等

「電車男、重松清と語る」(「小説新潮」2005年3月号)

2005-02-23 22:25:05 | 読書
大きく、新聞の広告欄に載ってたので久々に文芸誌を手に取る。
噂の電車男は巻末で横書き、かつノリがここだけ違う。
例えるならば、この8ページの企画だけが「ゲームラボ」のような感じである。

気になる中身は、雑談チックに電車男が重松清とチャットで語るというもの。
文学的な話など無く、重松清が芸能レポーターばりにエルメスとの恋愛のその後を聞いていく。

PCを利用しているチャットということもあるからか、
直木賞作家に対して、
何の配慮もせずにアスキーアートや2ちゃん用語を電車男は普通に使い、
無難に質問に答えていく。

そのような普通の人が分からないような言葉は太字にし、欄外に注釈が付いてある。
ただ、この辺の電車男の言葉使いは変にキャラを作ってる気がした。

ちなみに電車男とエルメスはクリスマスを一緒に過ごし、現在も幸せとのこと。

でも、今更そんなん聞いても「はぁ、そうですか、良かったですね」という内容なのだった。

あまりに予想の範囲内の模範的回答のため、やっぱり実在しないのではないかって思ってしまうし、
漫画化された3作品に関しても、それぞれご丁寧に褒めている。
ゆえに新潮社がもうちょい電車男ネタを引っ張りたい(少なくとも映画化までは?)って印象を受ける。

編集長自ら「『小説新潮』はいつでもページを(電車男のために)空ける」とか言っちゃってるしさ。

「24 -TWENTY FOUR- シーズン3」

2005-02-21 17:26:49 | 映画
レンタルビデオ屋の半額特典をいいことに3日で一気に見終わる。

相変わらず1日の間にトラブル続きで、
登場人物は誰もトイレにすら行かない。(笑)

前作・前々作ともにパターンとして
登場人物のイタイ行動によりトラブル発生ってのが一番多い。

今までの流れで、人を疑う癖がついてしまい、特に新しい登場人物は全員信用できない。
3作目ということもあって、最初のような新鮮さや驚きは少なくなりがちだ。

また今回の話は、正直微妙な気がした。
シーズン1で暗殺計画、シーズン2で核兵器を扱って
今回がバイオテロだと前回よりもスケールダウンの気がした。

ってか、主人公ジャック・バウアーの敵もスケールダウンしてる印象だ。
もしくは個人的に飽きてきたのか?

しかし1つ手を出して見てしまうと、
結局次が気になってしまって最後まで見る羽目になる。

登場人物達も3作目ということもあって愛着が沸くし、新レギュラー陣もなかなか良かった。
DVD特典で、彼らを演じた役者のコメントを聞くのも楽しかった。
(この他にもDVDには特典としてボツシーンが収録されていて、なかなか面白い。)

やっぱりはまってるんだろうなぁ。

現在、アメリカではシーズン4がやってるらしい。
ただレギュラー陣が大幅に入れ替わってるらしく(ほぼ総入れ替え)、
見る気が失せてしまう。

ここらでマンネリ防止策を取らないといけないのも分かるけど、
もう少しレギュラーも残せよな。
シーズン4は地上波で見ることにしよう。

「恋愛中毒」(山本文緒)

2005-02-18 17:02:51 | 読書
柳美里の本を手に取ったものの、
あまりの鬱さ加減に辟易して代わりに隣にあったこの本を手にした。
ともに親の書斎から拝借してきたものである。

最初は読みやすく、恋愛物だしなーと気軽に読み始めたが、
結局途中から鬱ぽくなって400ページもさえない中年女性の恋愛について付き合わされた。

非現実的な話である。妻がいる1人の男が複数の女と同時に関係を持つ。
離婚暦を持つ主人公はその愛人の1人になるが、彼女自身はさえない人物として描かれる。

このような非現実的な話の中に描写される心情が妙に現実的で、
そこがこの小説の良いとこなのであろう。
人によっては共感でき、また心を打たれるような箇所もあると思われる。

だらだらと女の心情が描かれるが、後半は個人的に少し予期せぬ展開に進んだ。
それが意外と面白い方向へ転んだかなと思う。

まあ、何でも中毒までなっちゃたら、ダメだとは思いますが。

「パークライフ」(吉田修一)

2005-02-17 17:13:03 | 読書
ずっと前に図書館で借りた芥川賞受賞作。

日比谷公園を舞台にサラリーマンと女性の話。
別に大したこともなく、たんたんと日常が描かれる。
最後もそこで終わり?ってとこで終わる。

だが、嫌いではない作品。
普通の人の日常って刺激的だとしても、こんなもんでしょ。
それをキレイに小説に仕上げるのって、ある意味難しいのではないだろうか。

本にはもう1作品収録されている。
「flowers」という話。
話の筋は忘れたが、こっちもなかなか良かったという気がする。