Takの秘密の木

誰にもいえない気持ちは、誰もしらない秘密の木の洞に、こっそり語って蓋をするんだって。@2046

蜩ノ記と如水さん

2015-02-01 | ドラマ・映画・舞台の感想
○蜩ノ記

同じ小泉監督の時代劇なら、「雨あがる」の方が断然好きだった。
ストーリー展開がいまいち釈然としないし、登場人物にあまり感情移入できなかった。
私程度じゃまだ小娘で、役所さん演ずる秋谷の心情に寄り添えないし、受け止められないのかも知れない。
かといって、岡田くん演ずる庄三郎にも共感しきれなかったし。・・・・
なんとなく、納得いかないものが残ってしまった。
これ、昔の黒澤組だったら、三船さんと加山さんが演じたんだろうなー・・・と。赤ひげとか三十郎みたいに。
で、黒澤監督がメガホン取ってたら、すごく入れ込んで観れたかも。
そう考えると、役者さんの比重がだいぶ大きいことになってしまう。
正直、役所さん、もう少し枯れてほしかったかな、と。でなければ、主君への熱い忠義を抱えて、もっと逆にギラギラと燃え尽くすように、赤ひげの時の三船さんみたいな感じにしてほしかった。
役所さんは、最期の清冽で麗涼な心境を演じるには、中途半端に色気が残ってるというか。・・・
肌質や髪ももっと清貧で、すべてを削ぎ落としたような、磨かれた佇まいを漂わせてほしかったな。・・・私が受け止められなかっただけかもしれないけど。
すみません。

岡田くんは、普通というか。
や、脇だし、力演されても鼻に付くと思うので、普通こそが絶妙な塩梅なのかも知れませんね。
居合や殺陣のシーンは、もう言うことなしで天晴。
彼は物腰に、今時の若者風の雰囲気をちらりとも匂わせないところが好きですね。
この作品はエンターテイメント時代劇ではいので、現代が少しでも漂うと途端に白けてしまう。
そういう抜けがまったくない生真面目さが、岡田くんのすばらしいところであり、個性が出にくいところでもあるかも知れませんね。


○軍師官兵衛

おもしろかったです。特に剃髪髭の如水になってからがよかった!
私は総髪の時の若官兵衛よりも好きかもしれない。(笑)顔立ちがはっきりしてるから、坊主でも造詣が際立つし、老け演技にも違和感なくて。
たまに、若手俳優さんが老けメイクして老け演技すると滑稽になってしまうことがあるけど、岡田くんの場合はむしろ若作り演技の方が辛かったな。(笑)
かなりダークサイド入ってる、アンチヒーローとまではいかないけど、公明正大・高潔・無敵のヒーローって造詣ではなくて、ちっちゃい食えないジジイが主人公の大河ってのがおもしろい。
そういう主人の本質をちゃんとわかってる上で、好きで着き従ってる家臣団もいい。
岡田くん自身、ダークサイド官兵衛こそがやりたかったんだろうなー・・・と。なんか生き生きしてたもん。
それから、黒沢和子さんの衣装がいい!
「影武者」の時もそうだったけど、あの陣羽織がめっちゃカッコいいんですよね~・・・。
家臣団もそれぞれ家紋が背中に入った陣羽織を羽織ってるんだけど、あの色合い・デザインが、渋くて、地味派手で、オシャレで素敵で堪らんですな。
女性の着物より、男性の甲冑や衣装ばっかり見入ってしまった。
でも衣装って大事。時代モノは特に。
心づくしの衣装は画面の密度を確実に格上げする。

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