ようやっと観てまいりました・・・・・。
金曜夜とはいえ、この時間帯にこんなに混んでる映画館は久しぶりにみました。
たぶん多くはカリブの海賊のお客さんだと思います。
プリトヨは、そもそもそれほどキャパの大きくないスクリーンでの上映ではありますが、7割ぐらいは埋まってました。
客層は、老若男女ほんとにばらばら。男女比率も半々ぐらいかな。
以下は雑感。
なるべく核心には触れないように書くつもりですが、ネタバレを避けたい人は読まないでください。
大筋は大阪製ダ・ヴィンチ・コード。それにプラスαって感じかな。
筋の骨子自体はほんとダ・ヴィンチ・コードまんまだな、と思いましたが、宗教が絡んでいるわけではないのでオカルトちっくなおどろおどろしさもなく、ひやひやするようなアドベンチャーや超常現象的なことがあるわけでもなくて。
ヨーロッパ的な陰鬱な重々しさもなく、文学的な(?笑)難解さもなく。たぶん監督がそういうセンスの持ち主なのかな。劇場版HEROの監督さんですよね。
むしろ舞台がイタリアのフィレンツェやバチカンなどではなく、大阪なだけに、雑然とした明るさや人の温もりの近い市井の生活感が満載で。そしてそれは、物語の重要な要素でもあるかのかも。
肝心のプラスαの部分ですが、私的には二つあるな、と思いました。
一つはやはり、「父と息子」という関係。
もう一つは、「国」というもの。
父と息子の関係については、一つ前の記事で書いたことが、ほとんどそのままの形でセリフの中に出て来たので我ながら驚きました。
観ながら、「やっぱりか・・・・・・」と思ってしまった。
たまに友人たちから、悪魔の洞察力と言われることがあるけど、あんまり明け透けに剥きつけに読みを当て過ぎるのも、あんまいいもんじゃないですね。
キャストの方々が再三匂わしていたことでもありますが、今回はそれら附帯情報がたくさんあり過ぎて、物語(作品)に集中して没入することができず、役者さん個人の背景ばかりが気になってしまった。・・・・・
松平元ではなく、堤真一さんの心情ばかりを慮ってしまったというか。・・・・・
私は、映画はその作品の世界観にどっぷりとハマりたいタイプなので、上映中に役者さん個人のことを考えてるようじゃダメなんです。
その"役の人物"の背景や心情を斟酌したい気分にならないと、作品に対して冷めた客観性が残ってしまっていて心底からは愉しめない。
もちろん、これは私自身の問題でもあるけど、作品自体もそこまで耽溺できるほどでもなかったともいえるかも。・・・・・
しかし、たとえ内容や描かれている心情が予想の範疇のものであったととしても、「ぜひ男性の方にこそ観てほしい」と堤さんが仰る気持ちには、とても共感はできます。
もし"それ"に気づかないのであれば、もし"それ"を知らないのであれば、間に合う内に"する"方がいいから・・・・・。
そうそう、松平という男個人の心情については、最後の方で少しだけ描かれるんですが、それはやはりすごく良かった。その瞬間は堤真一という存在を忘れてました。
松平は一応主役ではありますが、どちらかといえば狂言回し的存在で、彼自身にスポットがあたることは逆に少なかったような気がします。
プロモーションで堤さんが仰ってたように、中井貴一さん演じる真田という存在が、常に真ん中にある感じ。
そしてもう一つ、「国」というものですが・・・・・。
松平のセリフで、「なぜ大阪国の存在を信じることができる!?」というのがあるんですが、その時ふと思ったんです。
「あると信じている人が大勢いれば、その国は実質、存在することになるんじゃないかな・・・・?」と。
数十人、数百人レベルの人たちの考えならば、それは単なる好事家のファンタジーや妄想の域で終わるものですが、何万人という人が「自分は大阪国民だ」と確信し、実際にその為に何らかの行動を起こすことができるのであれば、それは間違いなく存在していることになるのではないかと・・・・。
国土や国庫、政府があるから「国」なわけではないのかもしれない。
「自分は大阪国民だ」と思う人がいて、共通する認識を持つ人が何万といたら、それに対して他の政府や制度からのお墨付きを貰っていようがいまいが、その人たちの中では大阪国ははっきりと存在するわけで・・・・。逆にその存在を否定することは、誰にもできない。
少数ならば妄想に過ぎないものであっても、それが何千何万人ともなると途端に実体を持ち始める・・・・・。
人間って、国家って、おもしろいな、と。
私の両隣の男性は、府庁前あたりのシーンになると、身を乗り出して観ていました。
男性には、感ずるところが多い作品であるのは事実かもしれませんね。
男って切ないな、と、私はやっぱり思ってしまう。
そんで男の切なさを演じさせると、堤真一さんはぴか一だな、と。(笑)
あと武将姿もね!(笑)
プリトヨとは関係ないけど、堤さん話。
『
タンゴ 冬の終わりに』がもんのすごく観たい!
どうも映像化はされていないようですね。・・・・されてたら諭吉さん数人でも出すのに。
だって堤さんのタンゴだよ!?タンゴ!!アルゼンチン・タンゴ!
タンゴが大好きな上に、あの堤さんが踊るとなったらもうもうツボ過ぎるだろ。
あの体型、あの顔、あの風情でタンゴとかーーーーーー!!!私のためのような設定じゃん!他の内容もめっちゃくちゃツボだし!
私、実はこの作品の存在自体は知ってました。
それもアラン・リックマンのラインから。(苦笑)
アラン・リックマンが演じてるところを観たいと、その時も思ってたんです。
アラン・リックマンも大好きな俳優さんです。『愛しい人が眠るまで』とか。(すねいぷさんは・・・・・まあ)
ああみたい。もし録画があるのであれば、NHKあたりが放送してくれないかしら?