と言う訳で、ここ二日ほどフキノトウを求めてさ迷いました。
例年、解禁の渓流でカラのビクを寂しく眺めながらも
ふと・・・流れの脇にフキノトウを見つけると
なんだか心慰められる気がするものです。
そうだ!
そろそろ魚釣りを抜きにしてもフキノトウなら見つけられるかもしれないと。
かつて魚釣りの際にフキノトウが生えていた場所へ向かいます。
一昨日は、もう10年以上も前に沢山見かけた山奥へ車を走らせました。
しか~し・・・1個も見当たらない。
最後に分け入った支流沿いの道を歩いていると
上流から軽トラックが下ってきました。
呼び止めて
「この辺でフキノトウ、ありませんかねぇ?」と銀。
「ほんの少し取ったよ」と軽の人。
今年は雪でやられちまったからねぇ。
ここよりも、もっと北の谷の方があるかも知れないな。
川の中に生えてるはずだから近くまで案内するよとの親切な一言に
心が浮き立った。
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しばらく支流沿いに下っていき、とあるヘアピンで先行車は止まる。
ここから左へ切れ込む支流なんだけど
たぶん、川へ下りられると思いますから気をつけて行ってくださいとのこと。
「ご親切に有難うございます」
さぁ~ここからガンガンと山道を登って行った。
道幅がうんと狭いところをなんとかクリアしながら見覚えのあるお宮へたどり着く。
なんでも、このお宮よりもっと上へ上がって平らになったあたりにあるんだとか。
細々と流れる小渓を覗いてみるが・・・
それらしい鮮やかな緑は目に入らなかった。
この辺まで来ると、水線も切れ掛かって流れも幾つかに散り始めた。
凹みに車を押し込んで、スパイク付きの長靴に履き替える。
じゃりじゃりとスパイクを鳴らしながら小山を高巻いて小さな堰堤のあるところまで
這い上がってみたが・・・
ここにもフキノトウの姿は見えない。
水中に目を凝らしていると7寸ほどのアマゴが泳いでるのが見えたりする。
でも、フキノトウは発見できなかった。
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ところで、見覚えのあるお宮だが・・・
数年前に若い釣り友が命を落とした断崖の上に立っているお宮だったのだ!!
なんだか、彼の弔いに誘われたような気がして
帰りにはお宮へ車を止めて彼の冥福を祈りました。
来月8日は彼の命日です。
昨日はまた別の渓へフキノトウ探しです。
でも待てよ!と知恵が出ます。
何も雪の残った渓まで行かなくても・・・
ひょっとすると道の駅あたりで扱ってるかもしれないと気づきます。
とりあえず、讃岐の一番奥にある道の駅へ寄ります。
しかし、このところフキノトウは出てませんねぇ~との返事。
しゃぁねぇなぁ。
やっぱり徳島まで行かないとダメかな?
山越えです。
長いトンネルを抜けて厳しい下り道をノロノロと吉野川まで下ります。
徳島でもまず、道の駅で探しました。
やったぁ~遂に道の駅でフキノトウを売ってました!!
もう山奥まで行かなくても良いことになりました。
すこ~し残念な気もしますが、これでいいんですね。
山の民が苦労して掻き集めたフキノトウ。
それを売って貰うのが本筋というものです。
何もオイラが山の民と同じようにして彼らの生計を奪う必然はありません。
見事なフキノトウです。
竹ビクに付属するフタに入れて写真を撮りました。
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これを細かく切って白味噌と混ぜて
オーブンで焼くだけですが。
焦げた味噌と春の苦味がもぅ~何と言ってもお酒を呼びますね。
ついでに少しだけ刺身を買って来て
やっちまいました。
勿論
釣友のことを色々と考えながら
苦味の利いたお酒となりました。
春の到来・・・
これを食べることが生の証を確かめることに他なりません。
春とは残酷なものですねぇ。
しんみり。
ちょっとよさげな酒のあてに見えてきます
お江戸の竹藪という蕎麦屋の蕎麦味噌は
そんな状態で出てくる
減価安いはずなのに、ものすごく高い^^;
原価・・・言わないほうが良いような・・・
でも、自分で作るのに比べると大抵不味いですな。
雨の具合がどうですか?
そんなに危ない渓じゃあないんですけどね。
彼と呑んでた頃が懐かしいです。
あの渓では、お酒は持って行っても釣りはしてません。
もう7年経ちました。お宮も古びておりました。