原付バイク

早朝5時。

部屋を出た。

購入間もない一眼レフカメラを携え、もっと購入間もないバイクで、いつもの場所に向かった。

数年ぶりのバイク。

やはり越してきて間もないこの沼津の地から、「朝焼けの富士」の絶景をファインダーに収めようと、度々訪れる場所がある。

これまでは徒歩で2・3度訪れていた。

いつもの調子で、いつものルートから侵入しようとして、「一方通行」の標識に気付いた。

直後の方向転換は不可能だったため、進入直後に2stの原付スクーターを傾け、Uターンした。

早朝の住宅街に、派手な音を響かせながら…。

スクーターであるため当然シフトもクソもないが、バイクに「タコメーター」を装備してある。

「オートマティック車」を逆に「マニュアル車」にするためだ。

タコメーターの回転数から、エンジンの回転数の上下を繰り返し、後輪で煙を吐きながらUターンする。

エンジンの痛みも少なく、Uターンも華麗にキマる。

数十年前に独学で習得した技だ。

齢50を過ぎ、再びやろうとは思わなかったが…。

身体が覚えているモンだね。

同じ原付を乗り回していても、そこらのガキどもよりはスマートだと自負している。

とりあえず、久々の「武器」である原付バイク。

いろんな意味で有効に活用しようと思う。

いわば