夢の続き

癒し空間 ~ 裏ブログ

『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』

2008年01月23日 | 映画



19世紀、ロンドン。
フリート街で理髪店を営むベンジャミン・バーカーは
愛する妻と娘と共に幸せに暮らしていた。
しかし、美しい妻に恋をしたターピン判事の陰謀で、
バーカーは無実の罪を着せられ、投獄されてしまう。
15年後、妻と娘を奪われたバーカーは
スウィーニー・トッドと名前を変え、フリート街に戻って来た。
理髪店を構え、パイ店の店主、ミセス・ラペットの協力を得て、
ターピン判事への復讐を始める。

とにかくこんなお話がミュージカル風に仕立てられていることが
一番怖い。 かつて 『シザーハンズ』 で、異形の者の悲しみを
見事に描き出したバートンとデップですが、今回はどの登場人物
にも感情移入できませんでした。

悪徳判事に妻子を奪われ無実の罪で15年も流刑になっていた
理髪師が、スウィーニー・トッドと名前を変えて故郷に戻り
復讐を始めるというのが大きな流れですが、無実の罪が
何だったのか? ミセス・ラヴェットが 「愚かさゆえ」 と
歌うも描かれず、心理描写も薄いので、確かにひどい目に
合わされて復讐を誓うのは判らなくもないけれど、本命の判事を
殺すまで、全く無関係の人々を鳥を締めるより簡単に
ザックザックと切り殺すのは理解出来ません。
それは復讐ではなく単なる殺人。 復讐に凝り固まって
周囲が見えなくなっているというところも伝わらず、
歌いながら殺す、殺す、殺す。 復讐を果たすまでの葛藤や、
果たした後の心理状態も描かれず、見境がなくなるばかり。
トッドは最初から一貫して復讐に燃えているので、
ほかの感情が見えないし、なぜ娘を自ら助けに行かないのか?
などの基本的な欠落もあり、よく判らないキャラクターに
なってしまっています。 誰でも殺す!だけ。

トッドの元大家で彼が戻ってからの 「仕事」 の共犯となる
ミセス・ラヴェットは道徳心のかけらもありませんが、
それでもまだ若干人間らしい心を見せています。
それが仇になって身を滅ぼすも、自業自得であり、
これもまた共感できないキャラクター。
ラヴェットの店、「ミンサー」から押し出される「肉」、
等々不潔さとグロテスクサのオンパレードで、
これまでのバートンワールドとは逸脱した雰囲気も。

ジョニーデップの貫禄でどうにか見れるものの、
後味は正直最悪でした。


『アース』

2008年01月16日 | 映画



50万年前、まだ若い地球に巨大な隕石が衝突した。
その影響は大きく、地球の地軸は23.5度も傾いてしまう。
しかしこの傾きがあったからこそ、地球には四季のうつろい、
寒暖の差、そして生命が生み出されることになったのだ。
そんな傾きと太陽の光が作り上げた地球の姿を、
北極から南極へと旅をしながら見ていく。
まずは北極に住むホッキョクグマの親子の様子から…。

これは一体、どうやって撮ったんだ~? という映像が
てんこ盛りで、大スクリーンで見ると迫力満点。
迫力の映像の他にも、ほのぼのとしたシーンや
思わず笑みがこぼれてしまうようなシーン、
美しい風景など盛りだくさんで、見ごたえがあります。
渡辺謙さんのナレーションも心地よいです。
温暖化が問題になっていますが、母なる地球と
父なる太陽が作り上げた美しくて豊かな地球を
いつまでも守っていきたいと思いました。


あら、カッコイイ

2008年01月09日 | 雑記

ジョニーデップ、来日しましたね~!
ここ数年、なんだかよくわからない変なファッションで
そのいでたちはどーよ 「(ーヘー;) と思っていましたが、
今回は、髪型といい、なんだかとってもカッコイイっすよ (´Д`*)。


もちろん観ますよ、『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』

若き日の 『シザーハンズ』 を彷彿させますねぇ~。
あぁ、楽しみ。


『マリア』

2008年01月07日 | 映画



中東エルサレム。
ヘロデ大王の税金取り立てに苦しむ村ナザレに住むマリアは、
ヨセフとの婚約中に身籠ってしまう。天使ガブリエルから
「それは神の子だ」 と告げられたマリアは、両親にも
告げることができずにいた。
その頃、“救い主” 誕生の預言に怯えるヘロデ大王の命により
街の人口調査が始まり、“救い主” になる可能性のある者は
抹殺する命令が下る。 マリアはヨセフの故郷ベツレヘムへ、
二人で旅をすることを決心するのだった。

非常にまっとうなキリスト教映画という印象でした。
教会の絵やステンドグラスに書かれているような話
(処女懐胎してからイエスの生誕までのお話) が、
「史実」として、何のてらいもなく進んでいきます。

異教徒から見たらファンタジックな内容に感じるかも。
違和感を覚えるシーンが結構あるんじゃないかなと思います。

例えば …
婚約したマリアの元に白服の髭男(天使ガブリエル)がやってきて、
淡々と受胎を告知する。 マリアはあっさりその話を信じる。
何もしていないのにお腹が大きくなったマリアを見て、
婚約者のヨセフはさすがに怒ったが、夢にガブリエルが出てきて
マリアの神の子の受胎は真実であると告げられ、あっさりそれを信じる。
な部分とかね。
でも、そんなところにいちいちツッコミを入れていたら、
この映画は楽しめません。 史実として捉えられない方は、
ファンタジーとしてご覧くださいませ。

淡々と進むストーリーの中にアクセント的役割を
果たしていたのが、東方の三賢者 (占星術師) 。
なかなか個性的ないい味を出しておりました。

クライマックス、イエスが誕生するシーンは、
わかっていても感動して泣けます!
ストーリーがわかっていると楽しめないという方は
多いかと思いますが、私はしっかりストーリを
押さえてから観る方が安心して内容を吟味しながら
楽しむことができます。 コメディ系は別ですが。

映画を観てからレビュー書くまでに間があいてしまったので
なんだか全然まとまりませんが、映像が美しく、
ストーリーがまとまっている、良くできたいい映画だと
思いました。 もう劇場公開は終ってしまったのかしら。
クリスマスシーズンもとっくに過ぎてしまいましたが、
イエスが誕生したのは、実際にはクリスマスではありませんので
時期に関係なくお楽しみいただけますですよ。
DVDが出たらぜひ!