OVER 30 DO THE CAMP

アウトドア/キャンプ/音楽/フェス/買い物/魂の30台もあと一年…

Summer Of '94

2011-05-20 23:08:55 | 日記
田舎によくある小さな商店という感じで、店番をしていたのは人の良い奥さんという感じだった。

アイスを買っておばさんと話をする。図々しいかと思ったが傍にあった椅子に腰かけてアイスを食らいながら

今回の旅への思いや、いきさつを話した。おばさんには高校2年生の息子がいて、受験で大変だという。

しかも、ここ(赤玉)はバスが通らないもんだから街で下宿をしているという。

結構佐渡の子供達も苦労してるんだなあ。なんて思ったりもした。

おばさんは僕に「これから歩くんじゃ大変だから、昼ごろにパン屋のトラックが来るから乗せてもらいなさい。」と。

本当に嬉しかった。正直もう歩きたくなかったし、ヒッチハイクをする勇気も僕にはまだなかったのだから。

パン屋は「藤井製パン」という会社で、トラックからは赤ら顔のオジサンが降りてきた。

僕はオジサンに何度か頭を下げて助手席に乗り込んだ。見ず知らずの人に車に乗せてもらうなんて、

今まで一度もなかったものだから、かなり緊張していた。

オジサンもあまり話し好きではないようで、本当に話に困ってしまった。実際何を話しただろうか?

パン屋なので途中の商店に寄って行かなければならない。僕は何か手伝えることはないか?と尋ねたが

「座っていていい。」と言われてしまったので少しがっかりしてしまった。

藤井パンの事務所が「岩首」という所で、そこで下ろしてもらった。

バスが出発する多田まであと何kmくらいだろうか。

ひたすら歩いた。多田に到着して遅い昼食を食べ(おにぎりだったが、つぶれていてあまり美味しくなかった。)

この日5本目の缶ジュースに手をつけた。

多田にはちょっとした海岸(砂浜)があったので少し泳いでみる。

だけど海は死んでいた。海に流れ込む川は水量が少なく、水は濁り、魚はおらず、ただの水槽で泳いでいるようだった。

多田を始発とするバスは3時過ぎなので、慌てて着替えてバスを待つ。

コンクリの上に座っていたらケツが低温やけどのようになってしまった。

一人の老人がバス停にやってきた。赤泊で時計を買うという。

おじいさんの話によると、今日は赤泊のお祭りらしい。前に何かの本で読んだが、海上ずもうをやっているはずだ。

どうせ一人旅。予定にはなかったが見てみようと思って赤泊でバスを降りた。

ザックを背負ったまま人ごみの中に入り、海上ずもうを見た。地元の自衛官が強かった。

日が暮れてしまっては困るので、早めにテントサイトを見つけようと思い、また歩きだした・・・

つづく。