湯相（ゆあい）をととのえる

先日、ある茶会に招かれたところ、

茶が供されると亭主がさかんに「お熱いのでゆっくりと召し上がれ」とおっしゃる。

ラーメン屋さんでもあるまいに。

茶は服のよきように点て

であれば「熱くない」ように点てるのが基本であろう。

もしも釜がたぎりすぎていたら炉では水をささないけれども気遣いでさすべきであろうし、

また水屋から点てて出すにしても加減を図るべきであろう。

といいつつ、

先日、茶事の手伝いをしていて、

「あなたは炭の点前をよく勉強されますか？」と訊かれた。

茶事の炭は八寸のころに煮えるようにつぐことが肝要なのに

いつものお稽古の如く、早く煮えがつくようにとついつい炭をついでしまったことへのご注意であった。

まさに

炭は湯の沸くように

である。

ただ沸けばいいのではなく、茶事のピークに合わせて沸かせるのである。

ほんに茶の湯の「湯」は魔物である。